AppleのCEOやSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)達は、たびたび公の場でMacの製品ラインが落ち込むPC(パーソナルコンピュータ)市場の中で健全に成長していることを引き合いに出し、ライバルのWindows PCの発展は停滞していると嘲笑してきたが、最近の2つの四半期での財務レポート会議で、CEOのティム・クック(Tim Cook)は笑っていられなくなってしまった。
なぜなら、停滞しているのはMacの方になってしまったからだ。
Macが低迷しているのはMacBookのせい?
多くの業界アナリスト達はこのMacの停滞の原因を探っているが、マーケティングリサーチ機構のIDCはこのMacの停滞についてMacBookを戦犯とし、MacBookはかつて市場で最も素晴らしいノートパソコンだったが、今となっては「かつて」でしかないからだとしている。
IDCのアナリスト、Linn Huang氏は、今年のQ3で、多くのWindows PCの大手メーカーの販売は増加したと指摘している。そこにはHP、デル(Dell)、ASUS(華碩)などが含まれるが、これらのメーカーは新型パソコンをリリースしたため売上が伸びたようだ。しかしそれに比べるとMacBook製品ラインは既に長い間実質的なアップデートが行われていない。多くの人が期待しているMacBook Proは特にそうだ。
AppleはMacを「重視していない」
Haung氏はAppleがMacを「重視していない」ことが現在の”きまりが悪い”局面を作り出していると分析している。Windows PCを大口で叩いてきたAppleだからこそ、余計にバツが悪い格好だ。
当然のことながら、アナリストはインテル(Intel)のチップがMacBookの生産ラインが更新されない原因の1つだとしている。というのも、AppleはCPUをインテルに頼っているため、インテルのチップが世代交代しない限り、AppleのMacもそのマシン性能的には世代交代できないからだ。しかしそれは単に1つの理由でしかない。
Appleはマシンの性能以外にも、圧倒的に優れたデザインを含め様々な新要素を導入して新機種をリリースできるはずだ、という期待も持たれているのだが、それをやっていないのだ。
数字でも落ち込むMacの販売台数、前年を割り込む
数字で見ても、ここ半年ほどAppleのノートパソコン業務は落ち込んでしまっている。先日行われたApple会計年度2016年Q3の財務レポートで、Appleは4〜6月に430万台のMacを販売したと発表されたが、前年同期比で11%も落ち込んでいる。これは既に2期連続での落ち込みとなった。ちなみに今年1〜3月でAppleは400万台のMacを販売したが、前年同期比で12%落ち込んでいる。
画蛇添足 One more thing…
昨年リリースされ、現在私もこの記事を書くために使っている12インチ Retina MacBookは、かなり革新的で挑戦的なマシンではあるが、相対的に価格が高くコストパフォーマンスに優れないことと、USB-C一個しかコネクタがないことが災いしてあまり売れていないようだ。デザインも、MacBook Airとほぼ大差がないこともあるかもしれない。
MacBook Proについては、キーボードのファンクションキー部分(最上段)にタッチパネルを導入したタッチバーを搭載するという噂の情報は当ブログでもお伝えしたとおりだが、いつリリースされるかについては明らかになっていない。ただシャーシの画像がリークしているくらいなので、今年の秋か年末までにはリリースされるのではないかと思われる。
私自身は2014年に買ったMacBook Proがまだまだ全く問題なく現役で使えているので、16GBのメモリがきつくなるか、macOSのサポートが終了するまでは使い続けようと思ってはいるところだが。。
いずれにせよ、新製品を出していかないと売れないのは当たり前の話で、確かにAppleは12インチMacBookリリース以外はMac製品の更新らしい更新を殆ど行っていない。そろそろテコ入れしないとシェアをますますライバル勢に奪われてしまうだろう。
スマートフォンやタブレットでも仕事ができてしまう今日この頃だが、やはりMac(やPC)を使わないとできない仕事もある。表計算ソフトなどはとてもスマートフォンやタブレットではうまく扱えない。私自身もブログ書きだけではなくサービスではやはりMacがないと仕事の効率ががくっと落ちてしまうので、MacBook Pro或いはMacBook Airの素晴らしい更新があれば私も購入を考えたいと思っているくらいだ。
記事は以上。
(記事情報元:WeiPhone)