Apple Payに対抗!ウォルマートが590店舗以上で独自の決済方法”Walmart Pay”を採用開始

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Apple Insiderの報道によれば、大手小売商のウォルマート(Walmart)が昨日、アメリカのアーカンソー州とテキサス州の590店舗で自社のモバイル決済サービス”Walmart Pay”での支払い受付を開始すると発表した。

Walmart-Pay
Walmart Payの画面。支払いの際はQRコードを読み込む。Photo by Apple Insider

既にアメリカではApple Payがその猛威を振るっているが、2014年の末からApple Payはウォルマートからはその採用を拒絶され、そして昨日月曜日からウォルマートは自社のモバイル決済サービスを始めるに至ったのだ。

ウォルマートが最初に選んだのは自社の本部があるアーカンソー州の110店舗、そしてテキサス州の480店舗で、これらの店舗でWalmart Payを使えるようにした。このことはウォルマートにとっては非常に意義のあることだった。というのも、毎月2000万人ほどのウォルマートの顧客がWalmart Payを使ってくれるということで、同社は消費者達がWalmart Payを今後も継続的に使ってくれることをについて非常に自信に満ちあふれているという。

「私たちはテキサス州のお客様や同業者がどのようにWalmart Payを評価してくれるか首を長くして待っています。」ウォルマートのサービス担当SVP(シニア・ヴァイス・プレジデント)のダニエル・エッカート(Daniel Eckert)氏は語る。「私たちの決済サービスで買い物は更に便利になり、更に速くなります。私たちはお客様がなにを欲しがっているのか知っているからです。」

Apple PayとWalmart Payの違いは、Walmart Payを使うにはまずユーザにWalmartのアプリを起動してもらって、Walmart PayのQRコードを使うことで支払いを行うというもので、ユーザは暗証番号或いはTouch IDなどの指紋認証機能で支払いを承認することができる。Walmart PayにはiOS版とAndroid版があり、プリペイドカードかVisa、MasterCard、Discover等のクレジットカードを紐付けて支払うことができる。

端末を選ばない点は、Walmart PayがApple Pay、Android Pay、Samsung Payに比べて強いところだ。

ただ、Apple Payに比べ、Walmart Payにも短所がある。現在のところ、Walmart Payはウォルマートでしか使えない。またWalmart Payは支払いの際の暗号化が少々甘く、セキュリティ面で劣る上、また支払い速度に関してもApple Payにはかなわないという。

現在Apple Payは既にアメリカだけで200万以上の小売店舗で使うことができ、またカナダやイギリスの主要銀行にも紐付けできるようになっている。ただ、中国では既存サービスのAlipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)にはばまれ普及には至っていない。

Walmartとしても、少ない利益率のうち決まった割合をAppleに献上するというのが気に入らなかったのだろう。そして今後、ウォルマート以外の店舗などにもモバイル決済サービスとシステムを提供し、Apple Payのライバルになっていくことが予測される。逆にAppleにしては、米国最大の小売りチェーンに採用されなかったのは痛手だろう。

Apple Payには、NFCとTouch IDを搭載したiPhoneデバイスでないと使えないという制限がつきまとう。端末を限定したモバイル決済サービスは今後主流にはなり得ないのではないか、と中国の現状を見ているとそう感じてしまうが、果たして今後どうなっていくのだろうか。

記事は以上。

(記事情報元:AppleInsider

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