いよいよ9月25日に発売開始が迫っているAppleの新型iPhone【iPhone 6s】【iPhone 6s Plus】。
これまでのiPhoneと違い、iPhone 6s/6s Plusは携帯電話通信規格がかなり統一され、基本的にはiPhone 6sとiPhone 6s Plus、CDMA対応版(オールネットワーク版)とそうでないものの4種類にわかれている以外は、殆ど各国・各地域が同じ型番(A1xxx)に統一されている。
iPhone 6s/6s Plusは中国大陸版のみ特殊な型番が割り振られている
ところが、である。中国大陸版のみちょっと特殊なのだ。中国大陸版のiPhone 6sはA1700、iPhone 6s PlusはA1699となっており、それぞれGSM/EDGE/CDMA/TD-SCDMA/WCDMA/TD-LTE/LTE FDDネットワークをサポートしており、所謂「オールネットワーク版」とも呼べるものだ。
しかしアメリカ(米国、US)版、香港版、日本版のiPhone 6s/6s Plusの「オールネットワーク版」はA1688とA1687となっている。この違いは一体何だろう?以下に簡単に型番対照表をまとめてみた。
オールネットワーク版型番 | 中国大陸版 | US版 | 香港版 | 日本版 |
iPhone 6s | A1700 | A1688 | A1688 | A1688 |
iPhone 6s Plus | A1699 | A1687 | A1687 | A1687 |
型番が異なっている原因はあのチップ?
Tencent Digitalによると、iPhone 6s/6s Plusの中国大陸版の型番が他の国・地域と異なっているのは、異なるNFCチップを積んでいるから、とのこと。
具体的には、中国大陸版iPhone 6s/6s Plus(型番:A1700/A1699)は、Visa payWave/MasterCard PayPass/American Express ExpressPay/UnionPay QuickPassをサポートするのに対して、米国・香港・日本版等の(A1633/A1634/A1687/A1688)は、UnionPay Quick Passをサポートしていないという。
UnionPayといえば、中国大陸で最も広く使われている銀行ネットワークによる簡易決済システムの「銀聯(银联)」のことだ。簡単にいえば、中国大陸版iPhone 6s/iPhone 6s Plusのみ「銀聯(银联)」のPBOC 3.0 Quick Passフラッシュ決済標準をサポートし、他国・他地域のものはサポートしていないということだ。
もし本当なら中国版iPhone 6s/6s Plusが世界最強ということに
もし上記の説が本当であれば、現状中国大陸版のiPhone 6s/6s Plusがハードウェア的に世界最強ということになるが、果たして。
そして、中国国内で銀聯(UnionPay)と提携するものとみられるApple Payが普及するためには、この中国大陸版iPhone 6s/6s Plusが大きな鍵を握っているのかもしれない。もちろん、中国国内外でiPhoneを使ってUnionPay(銀聯)Quick Passを使うのあれば、中国大陸版iPhone 6s/6s Plusを買わなくてはいけないということになる。
中国大陸版は増値税(付加価値税、中国では通常17%)が上乗せされることで他国より高いので有名だが、上記のようなハードウェア性能的に差があるのであればその価格差は納得できるものとなる。
なお、各国・地域のiPhone 6s価格比較は当ブログ記事でもまとめているのでぜひご覧あれ。
記事は以上。
(記事情報元:Tencent Digital, MyDrivers)