9月9日(日本時間10日午前2時)のイベントの後、【watchOS 27】の正式版が来ます。9to5Macは9月4日、「今月後半」の公開を前に、ベータ版で消えた3つの機能を挙げました。トランシーバーのアプリ、Digital Crownの二度押し、そして一度押しで開いていた全アプリの一覧です。
それより先に確かめておくべきなのが対応機種です。Appleの公式プレビューページによれば、watchOS 27が入るのはSeries 9以降・Ultra 2以降・SE 3の6機種だけ。watchOS 26まで対応していたSeries 6・7・8、SE(第2世代)、初代Ultraの5機種が一斉に外れます。対応機種の一覧、消える機能、新機能のうち日本語ではまだ使えないもの、公開時期の見込みの順で整理します。

対応機種の一覧。線が引かれたのはS9チップ
| モデル | 発売年 | チップ | watchOS 26 | watchOS 27 |
|---|---|---|---|---|
| Apple Watch Ultra 3 | 2025 | S10 | 対応 | 対応 |
| Apple Watch Series 11 | 2025 | S10 | 対応 | 対応 |
| Apple Watch SE 3 | 2025 | S10 | 対応 | 対応 |
| Apple Watch Series 10 | 2024 | S10 | 対応 | 対応 |
| Apple Watch Ultra 2 | 2023 | S9 | 対応 | 対応 |
| Apple Watch Series 9 | 2023 | S9 | 対応 | 対応 |
| Apple Watch Ultra(初代) | 2022 | S8 | 対応 | 対象外 |
| Apple Watch Series 8 | 2022 | S8 | 対応 | 対象外 |
| Apple Watch SE(第2世代) | 2022 | S8 | 対応 | 対象外 |
| Apple Watch Series 7 | 2021 | S7 | 対応 | 対象外 |
| Apple Watch Series 6 | 2020 | S6 | 対応 | 対象外 |
切り捨ての線がきれいに2023年で引かれています。理由はチップです。Series 6からSeries 8(とSE 2、初代Ultra)のS6・S7・S8は、CPUの中身がほぼ同じ2020年世代。2023年のS9で初めてNeural Engineが4コアに強化され、端末内でのSiri処理や「ダブルタップ」が可能になりました。Appleの注記でも、Apple IntelligenceをApple Watchで使えるのは「Series 9以降、Ultra 2以降、SE 3」とされており、watchOS 27の対応機種と完全に一致します。つまりwatchOS 27は「Siri AIを載せられる時計」だけを相手にしたOSで、載せられない時計は更新そのものから外した、ということです。
対応OSの数で数えると、Series 6はwatchOS 7から26まで6世代、Series 7は5世代、Series 8とSE(第2世代)は4世代で打ち止め。2022年に799ドルで出た初代Ultraも4世代です。去年9月まで新品で売られていたSE(第2世代)を買った人には短く感じると思いますが、Appleが線を機種の年齢ではなくチップの能力で引いたのは、今回の一覧を見れば明らかです。
もう一つの条件がiPhone側で、iOS 27を入れたiPhone 11以降か、iPhone SE(第2世代)以降が必要。Apple Watchの更新はiPhoneのWatchアプリから行うので、先にiPhoneをiOS 27にしておかないと始まりません。
ベータで消えた3機能。トランシーバー、二度押し、アプリ一覧
| 機能 | watchOS 26まで | watchOS 27(ベータ) | 代わり |
|---|---|---|---|
| トランシーバー | Apple Watch同士で声を送り合うアプリ(2018年のwatchOS 5から) | アプリごと無くなる | 示されていない |
| Digital Crownの二度押し | 直前に使っていたアプリに切り替え | 一度押しと同じ動作になる | 無し |
| 一度押しでアプリ一覧 | 全アプリの一覧が開く | 「ダイナミックなアプリグリッド」が開く(おすすめ5つ+Siriアプリ+一覧へのアイコン) | アイコンを押すかDigital Crownを回すと全アプリ一覧 |
いちばん反応が大きいのはトランシーバーでしょう。2018年のwatchOS 5で入った、Apple Watch同士でボタンを押している間だけ声が届くアプリで、子どもとの連絡や家の中での呼び出しに使っていた人がそれなりにいます。9to5Macによれば、6月のベータ1から最新のベータまで一貫して無く、代わりになる機能も示されていません。
残る2つは操作の変更です。これまでDigital Crownを一度押すと全アプリの一覧、二度押すと直前のアプリに戻れました。watchOS 27では一度押しが「ダイナミックなアプリグリッド」、つまりSiriが選んだおすすめ5つとSiriアプリ、全アプリ一覧へのアイコンが並ぶ画面に変わり、二度押しは一度押しと同じ動作になります。全アプリの一覧はアイコンを押すか、Digital Crownを回せば出ますが、一手増えることには変わりありません。
いずれもベータ版での確認で、Appleが「削除する」と公表したわけではありません。正式版で戻る可能性はゼロではありませんが、ベータ1から最後まで変わらなかったものが正式版で復活した例は多くないので、無くなる前提で心づもりをしておく方が現実的です。
新機能と、日本語では「まだ」の機能
watchOS 27の目玉はSiri AIです。Apple Intelligenceで作り直した会話型のSiriで、ネットの情報を踏まえた回答、アプリ操作、会話履歴を保存する専用のSiriアプリが付きます。ただし公式ページの注記をそのまま読むと、日本語のユーザーが配信初日に触れる範囲はかなり狭い。一覧にします。
| 機能 | 内容 | 日本語での提供 |
|---|---|---|
| Siri AI | Apple Intelligenceによる会話型のSiri。質問・アプリ操作・ネット情報の検索 | 年内にベータで英語から。日本語は時期未定。Apple Intelligence対応のiPhoneとのペアリングが必要。EUでは当初は提供無し |
| Siriアプリ | Siriとの会話履歴を1か所に。iPhoneでの続きをWatchで再開 | Siri AIに準じる |
| ダイナミックなアプリグリッド | よく使うアプリをSiriが選んで前面に | 配信時から |
| タップのジェスチャー | 人差し指と親指を一度タップしてスマートスタックのウィジェットを操作 | 配信時から |
| Workout Buddy(新しい分析) | ペース・距離・時間の進捗を踏まえた励まし。iPhoneが近くになくても動作 | 英語かスペイン語のみ。Apple Intelligence対応のiPhoneとBluetoothヘッドフォンが必要 |
| 通話のコンテクスト | 法人の番号にかけると、予約コードなど関連情報を集めて表示 | 英語から対応予定 |
| ウォレットのカスタムパス | QRコードやバーコードの会員証を自作のパスに | 日本語ページの注記では「年内に英語で」 |
| 周期記録の閉経周辺期サポート | 記録された周期の変化から通知(40歳以上が対象) | 配信時から |
| 屋内ラン・ウォーキングの計測精度 | トレッドミルの距離をより正確に | 配信時から |
| 「探す」アプリの統合 | デバイス・人・持ち物を1つのアプリに | 配信時から |
| Liquid Glassの改良、音楽再生の高速化、歩数の同期、バッテリー最適化の提案 | 細かな改善 | 配信時から |
| お子様用アカウント/子ども向け設定 | iPhoneを持たない子どものWatchを保護者が設定 | 配信時から(一部機能は制限) |
Siri AIは「年内にベータ版で、最初は英語」。Workout Buddyの新機能は英語かスペイン語のみ。通話のコンテクストは英語から。そしてウォレットのカスタムパスには、日本語ページだけに「年内に英語で利用できるようになります」との注記が付いています(米国ページにはこの注記がありません)。Apple Intelligenceそのものは日本語に対応済みなので、いずれ来るとは思いますが、時期はどこにも書かれていません。
日本語で配信初日から使えるのは、ダイナミックなアプリグリッド、タップのジェスチャー、周期記録の閉経周辺期サポート、屋内ランの精度向上、「探す」アプリの統合、細かな改良といったところ。「目玉は後から、操作の変更は初日から」という順番になります。
いつ来るか。過去3年の配信日
9to5Macは「今月後半」としています。過去の配信日を見ると、2023年はイベントが9月12日でiOS 17・watchOS 10が18日(月)、2024年は9日のイベントで16日(月)、2025年も9日のイベントで15日(月)。いずれもイベント翌週の月曜日(日本時間では火曜日の午前2時ごろ)で、新しいiPhoneの発売日の金曜日に先立つ形です。
今年はイベントが9月9日(水)で、iPhone 18 Proの発売は18日(金)か、予約が土曜にずれる説を取るなら19日(土)と見られています。同じ型なら、watchOS 27はiOS 27と一緒に9月14日(月)、日本時間15日(火)の未明が本命。Siri AIはそこには含まれず、年内の別の更新で英語から、という段取りです。
更新の前に確かめること
- 自分のモデルが上の表の「対応」側か。Series 8とSE(第2世代)の人は、iPhoneのWatchアプリに更新が来ない理由がこれです
- iPhoneを先にiOS 27へ。iPhone 11以降か、SE(第2世代)以降が条件
- トランシーバーを家族との連絡に使っている人は、更新前に代わりの手段を決めておく。更新後に戻す方法はありません(watchOSはiPhoneと違い、自分でダウングレードできません)
- Digital Crownの二度押しを癖で使っている人は、更新初日に戸惑います。全アプリ一覧はDigital Crownを回すのがいちばん早いです
- 更新にはWatchのバッテリーが50%以上あること、充電器に載せていること、iPhoneが近くにあることが必要です
9日のイベントではSeries 12とUltra 4が出る見込みで、こちらはもちろんwatchOS 27入りです。買い替えを考えている人は直前まとめをどうぞ。
私のUltra 3(中国本土版)は表の上から1行目で、更新自体は問題なし。ただしSiri AIは英語からなので、初日に手首でできることは「アプリ一覧が一手遠くなる」のを確かめるくらいです。
トランシーバーを惜しむ声は分かります。8年前の機能に手を入れる余裕もないほどSiriに全部を賭けたのがwatchOS 27で、Series 8が切られた線も「Siriを載せられるか」で引かれている。納得はいく話です。納得と満足は別ですが。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple、Apple(米国)、9to5Mac)
※記事中の画像はイメージです。



