Appleはここしばらく快進撃が止まっているが、しかしこれまでのコンシューマ向け電子製品の歴史への貢献は拭い去ることができないほど重要なものだ。

アメリカのニュース雑誌≪TIME≫が最近、史上最も影響力があった50種類のテック関連製品（ガジェット）という特集記事を発表し、AppleのiPhoneを1位とした。Apple製品としてはMacintoshが3位、iPodも9位にランキングし、トップ10のうち3つがApple製品ということになっている。

上記以外にも、iPadが25位、iBookが38位に入るなど、Apple製品の影響力がわかる。

Apple製品以外に我々がよく知っている製品では、ソニーのウォークマンが4位、コダックのブラウニー（Brownie、カメラ）が8位、Atari（Atari 2600が13位）や任天堂（ファミコン＝海外ではNESが15位、ゲームボーイが16位、Wiiが32位）、ソニー（プレイステーションが31位）などのゲーム機などもランクインしている。

1位のiPhoneに対する≪TIME≫の評価はこんな感じだ。”Appleは初めて本当に強大なコンピュータを1000万人以上のポケットに入れた会社となった。テクノロジー面でいえばスマートフォンというものは長く存在したが、iPhoneのように綺麗なものはそれまで全く存在していなかった。Appleのこのデバイスは平たく、タッチパネル式の携帯電話の全く新しい時代を切り開き、ディスプレイ上のボタンが、スライド式のキーボードや物理ボタンを搭載した分厚くて重い携帯電話に必要なときに取って代わることとなった。しかし本当にiPhoneが素晴らしいものになったのは、発売後しばらくしてからリリースされたアプリケーションと、モバイルアプリストアだ。iPhoneがモバイルアプリケーションを流行させ、我々のコミュニケーション、ゲーム、ショッピング、仕事、そして任務を達成するための方法を変えた。”

画蛇添足 One more thing…

TIMEがこのランキングをどのような基準で選んでいるかはわからないし、日本ではなじみがないものもあるが、トップ10はほぼ文句がない結果になっているだろう。2位がソニーのトリニトロンというのも納得できる（本当は1位でもいいかもしれない）。

皆さんはこのトップ50ランキングのうち、どれをお持ちだろうか。私個人的にはApple製品全部は当然として、ファミコン・ゲームボーイ、そして36位のPalm Pilotにかなり深い思い出がある。

日本企業は他にもYamahaが47位に電子ピアノのクラヴィノーヴァ（Clavinova）も入っていて、さすが日本は技術大国とも思われるが、最近の製品は殆どランクインしていない。これから奮起してもらいたいところ。

しかし最近破竹の勢いの中国企業の製品が殆どランキングしていないのも気になるところだ。50位以内には46位にドローンのDJI Phantomが入っているのみだ（48位のセグウェイは中国企業のNinebot＝小米が出資している会社が買収してはいるが、発明されたのは中国企業の時代ではない）。

「人々に影響を与える製品」というのは単に台数が売れた、ということだけではなく、製品としての価値を超えた体験や感動を使う人に与えるような製品でなければいけないのだろう。

記事は以上。

（記事情報元：TIME）