AppleのAI担当役員が、同社の自動運転システム研究成果について更なる情報を公開

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Appleは機械学習の分野で研究を重ねていることは過去何度も取り沙汰されてきましたが、今週同社のAI主管役員のRuslan Salakhutdinov氏が、更に深い部分までAppleが得たいくつかの成果について講演しました。海外メディアのWIREDが、Ruslan Salakhutdinov氏は、Appleがどのように機械学習を利用して彼らのプロジェクトを完成させようとしているのかを語っています。

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Salakhutdinov氏は、”NIPS”という機械学習の会議で講演しました。この会議は31年も続いており、近年参加人数がうなぎ登りに増え、今年は8000人もの人が参加しています。

Salakhutdinov氏の今回の講演の大部分は、機械学習が自動車の自動運転システムに与える影響に関するものでした。例えば、どのように道路上で車と人を検出するのか、どのように見知らぬ道を走るのか、またどのように都市の詳細な3Dマップを描くのか、というプロジェクトについてです。

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Ruslan Salakhutdinov氏

Salakhutdinov氏はAppleが研究している新自動運転システムによって、自動車と人を識別し、道路規則の指示に従って運転するデモを行いました。また彼はこのシステムがどのように動作するのか、たとえ雨が降っていたとしても、または通行人やその他の危険な状況が視線の範囲内にいなくても、事前にそれらの危険を予防する方法についても解説しました。Appleの新システムでは、通行人がどこから現れるかを予測することもできるということです。Salakhutdinov氏はちょっとおどけて、「もし5年前に同じ事を聞かれたら、私はそんなことができるかどうか非常に疑問に思ったでしょうね」と語っています。

また、それ以外にもAppleが先月発表した研究論文についてもSalakhutdinov氏によって説明されました。この論文のテーマの核心は、レーザーを使ったレーダーによって、通行人や自転車に乗った人を検出するというものでした。

Salakhutdinov氏は最後に、Appleがどのように路上の自動車からデータを収集するか、それらのデータを使って非常に幅広く詳細な3Dマップを構築し、交通信号灯と各種道路標識等の情報の提供するところについてデモを行いました。このような地図は自動運転の自動車で非常に重要な役割を果たすのは明らかです。

デモが終わった後、Salakhutdinov氏が討論したもう1つのプロジェクトは、新しいシステムの車両が世界各地で移動したときにどのようにその運行を保障するのかというものです。彼は”SLAM”と呼ばれるテクノロジーを持ち出し、それによって常に現在位置を確定したり、またマップの構築を可能にし、現地化の同期や映像化も行うことができるとしています。SLAMはロボットと自動運転システムに用いられ、また今後のマップ制作やAR分野にも応用できるとのことです。

Appleはこれまで、未発表の製品やそれに関わるテクノロジーについては秘密主義を保ってきました。しかし今回驚くことに内部の、しかも役員レベルの人物から自動運転システムの開発についての研究開発内容が明らかにされました。Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOも、以前インタビューで自動運転システムは「非常に興奮するものです」と語っていて、またAppleが”全てのAI”に関わるプロジェクトを立ち上げて研究開発をしていることを明らかにしています。Appleは更に、自動運転システムの自動車のテストに関わるアメリカの政策の改革を自ら推進しているほどです。また最近、Appleは正式にカリフォルニア州で無人運転自動車のテストを開始しているという報道もありました。

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カリフォルニア州シリコンバレーでテストが目撃された自動運転自動車(レクサス)

Appleが自動運転システムで開発しているのは一体どんなものなのか、それについてはまだ今後も観察する必要があります。またAppleが今回これまでの秘密主義を破って、ここまで内部情報を公開する態度を見せたのは、本当に自動運転システムやAIシステムについてもう隠すことなどないと腹を括ったのか、或いは新製品のために狼煙を上げたのか、その理由はよくわかっていません。なお、Appleは機械学習に関するブログのようなサイトを公式サイトの中で公開しています。

記事は以上です。

(記事情報元:WIRED via 9to5Mac

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