OS X 10.10 Yosemiteリリース記念:OS Xの13年の歴史を振り返る

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昨日正式リリースされたOS X Yosemite。

Yosemiteのバージョンは10.10だから、OS X 10.0から数えて11個目のバージョンということになる。今回のバージョンアップでは、2001年にOS Xがリリースされて以来ビジュアル・UI的に最も大きな変化があった。

ではこの13年間、OS Xはどのような進化を遂げてきたのだろう。ビジュアルも含めて振り返ってみたい。

Mac OS 9

MacOS922

OS Xの前、1999年にAppleはMac OS 9をリリースした。今見てみると、本当に普通のデスクトップオペレーティングシステム、といった感じだ。これ以前のOSは、Appleファン、Macファンからは”クラシックMac OS”と呼ばれる。Mac OS 9は、Mac OS 8とOS Xの間の過渡期にあたるバージョンで、2年間しかもたなかった。そしてスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が発表イベントでMac OS 9の”葬儀”のために黒い背広を着て登場、そしてそれがMac OS 9の最後となった。

Mac OS X 10.0 Cheetah

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時代を塗り替えたOS X 10.0は2001年にリリースされ、内部でのコードはCheetahで、AppleのOSの新しい幕開けを象徴していた。スティーブ・ジョブズがAppleに戻ってから5年後にリリースされ、ジョブズがAppleをクビになった後設立したNeXT社のNextStepのテクノロジーを継承し、Darwinシステム開発を基にしたもので、Appleは現在もこれを使っている。なお、この後からOS X 10.8まで、AppleのOSには大型のネコ科動物の名前とアイコンが商標登録され、コードネームとなった。

OS X 10.0はユーザに全く新しいUIをもたらし、そのUIは”Aqua”と名付けられた。その名の通り、新しいシステムのデザインは”水”の影響を受けており、そのシンボルとなる半透明ウインドウやカラーアイコンなどがもたらされた。同時にその後スタンダードとなっていくアイコンランチャーDockもOS X 10.0から始まった。

CheetahのリリースはAppleにとって大きなチャレンジでもあった。このシステムの要求仕様は非常に高く(128MB RAMが必要だった)、互換性や安定性、そして性能上の問題で初期のクレームは少なくなかった。

OS X 10.1 Puma

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OS X 10.0がリリースされてからわずか半年後、Appleは次のバージョンOS X 10.1 Pumaをリリースした。このバージョンでは専らOS X 10.0にあったバグのフィックスが行われ、性能や安定性の改善が施され、DVDの再生をサポート、またネットワークプロトコルに設定が必要なくなり、色管理APIが追加、スキャナやデジカメの写真の取り込みを使用ができるプログラムの追加などが行われた。

10.0のユーザは無償で10.1にアップデートでき、その後のOS X 10.1.2が初めてのデフォルトのOSとなり、正式に先代のMac OS 9に代わるものとして導入された。

OS X 10.2 Jaguar

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2002年8月に正式リリースされたOS X Jaguarは、初めて正式なコードネームがつけられた販売リリースバージョンで、その意義は数字の変化だけではなかった。性能や安定性の改善の他にも、10.2にはApple製のスパムフィルター付メールクライアントアプリや、インスタントメッセージクライアントアプリのiChatが追加された。他にもシステムの連絡先管理(Address Book)や、QuickTimeプレイヤーやmpeg 4のサポート、そしてシステム内全検索機能の搭載やヘルプ機能も増加された。
そして、起動画面ではAppleの20年続いた伝統的な”Happy Mac”を終わらせ、Apple Logoを採用したのもこの10.2 Jaguarからだ。

更にJaguarはCUPSプリントシステムを導入しており、OS Xデバイスをプリントサーバにすることができ、異なるネットワーク接続機器間での互換性の向上を促進した。またJaguarには現在では廣く親しまれているBonjourや、iTunesの楽曲共有などもできるようになった。

Appleは正式なSafariのリリースを発表していないが、この有名なブラウザもJaguarで初めて正式に搭載された。

OS X 10.3 Panther

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Pantherは2003年10月に新しいUIをひっさげて登場した。これはAppleの金属+ヘアライン処理とアルミハードウェアの製品に合わせられたもので、システムの配色を完全に調整されたものだった。

UI以外にも、OS X 10.3 Pantherでは、有名なExposeウインドウ管理が初めてお目見えし、ユーザにウインドウ切替を高速に行える新たなツールを提供した。他にもiChat AVでビジュアルチャットと音声会議のサポートをはじめ、システムフォント管理器、Windowsどの互換性やPDFの互換性も向上した。他に、FindやTextEdit等ファイル編集アプリでもzip圧縮方式をサポートし、PantherではSafariが完全に以前搭載されていたMicrosoftのInternet Explorer(IE)に取って代わられ、完全なOS Xのデフォルトブラウザとなった。

OS X 10.4 Tiger

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2005年4月、Mac OS X 10.4 Tigerがリリースされ、多くのツールが追加された。SafariにRSSリーダが結合され、スマートフォルダやスマートメールボックス、Automator作業自動化ツール、VoiceOver補助プログラム、ウィジェットが実行できるDashboard、プリンタエンジンにPDF特性を追加し、QuickTimeエンジンを改善、Intel Macのサポート、システムメニューと辞書の搭載、64bitアドレスと一部の64bitCPUをサポート、Core ImageとCore Video APIの加速、Core Data APIとSpotlight検索も追加された。UIでは、10.4はメニューやツールバーの背景の模様のデザインを統一した。

OS X 10.4 Tigerは販売開始6週間で200万本を売上げ、最も販売期間が長かったバージョンでもあり、30ヶ月も続いた。2006年初め、Tigerは初めてIntelプロセッサ対応のOS Xシステムとなった。Rosettaを通じて、AppleはIntelのテクノロジーとの過渡期を乗り越え、PowerPCとIntelの古いプロセッサと新しいプロセッサのスムーズで素晴らしい互換性を発揮した。

OS X 10.5 Leopard

macOSX105

2007年に登場したOS X 10.5 Leopardは、先代のTigerから2年以上経ってからのリリースとなった(別の言い方をすれば、当時のAppleはiPhoneにかなりのリソースを割いていたことになる)。しかしAppleは10.5はそれだけお待たせした価値のあるものだと言い切った。ビジュアル的にはLeopardは大きく変化しており、FinderにCover Flowプレビュー方式を取り入れたり、Dockをデザインしなおし、メニューの透明部分をこれまでの金属ヘアライン仕様とし、デフォルトデスクトップ背景の色も変更した。

機能的には、Leopardは300項目の改善を行い、その中にはTimeMachineバックアップシステム、完全な64bitプロセッサへの対応、Quick Lockプレビュー、Dockの中のスタック(ファイルナビ機能)、BootCampでIntel MacでWindowsを実行可能に、MailとiCalの同期、MailにRSSリーダ機能の追加、ゲストユーザのセキュリティ、アプリケーションプログラムレベルのファイアウォール、サンドボックスによるプロテクション(保護)、そしてPowerPCハードウェアとMac OS Classic環境のサポートを打ち切ったことなどが挙げられる。特に、Intel MacでWindowsが動くようになったのは大きく、多くのユーザがBootCampや仮想環境でOS XとWindowsをMac上で併用した。

OS X 10.6 Snow Leopard

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PowerPCの15年のサポートを経て、Appleは2009年にリリースしたSnow Leopardで完全にPowerPCのサポートを打ち切った。新しい時代へのスタートとして、Snow Leopardでは多くの特徴が加わり、OS Xシステムの核心的エクスペリエンスを鍛えに鍛え抜かれていた。多くのデフォルトでバンドルされているネイティブアプリのコードが書き直されて効率と性能を高められ、システムのインストールに必要な空き容量要求もぐっと減り、先代のLeopardよりもインストールファイルが7GBも減少したのは大きかった。

OS X 10.7 Lion

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iPhoneとiPadの成功を受け、2011年にリリースされたOS X 10.7 Lionでは、iOSの特徴や特性を利用した機能を新たに加えてそれらのユーザを取り込もうとした。Lionの最大の変化は、iOSに類似した網状のアイコン配列機能の導入と、全画面モードの導入をしたことだ。デスクトップ外にアプリを全画面で実行する機能は正にiOSそのものだ(ただ、Lionではマルチディスプレイには対応していない)。同時に、iPhone4のユーザはMacユーザと直接FaceTimeで通話することができるようになり、Mac App Storeも正式にリリースされた。その他に、Wi-Fi共有ファイルシステム(AirDrop)、FileVaultディスク全体暗号化、スクロールバーの自動消去機能、ASLR起動セキュリティ保護テクノロジー、プッシュ通知サービス等が追加された。またLionではRosettaがサポートされなくなった。

OS X 10.8 Mountain Lion

macOSX108

LeopardやSnow Leopardと同様、OS X 10.8 Mountain Lionも先代を更に細かく補充したバージョンとなった。そして異なるデバイス間の互換性を重視していた。例えばiCloudサービスで、iOSとMacデバイス間で直接データのやりとりができるようになった。GameCenterや、FacebookとTwitterの標準装備、AirPlayによるディスプレイミラーリング、メモ、リマインダーが初めてOS Xシステムに登場した。iChatはiMessagesに変更され、iOSのiMessagesと互換性を持つようになった。

OS X 10.9 Mavericks

macOSX109

AppleはOS X 10.9から命名規則を変更し、ネコ科の動物にバイバイし、Mavericksという米国カリフォルニア州の地名に変更し、それ以降もそのようにするとした。名前だけではなく、当然システムの機能も大きく変わった。同時にリリースされたiOS7の影響を受け、OS X 10.9 MavericksもiOS7のフラットデザインを取り入れた。しかし全体的には以前とイメージをそれほど変えることはなかった。

OS X Mavericksでは、iCloudとの整合性を高め、キーチェーン機能を強化し、マルチディスプレイや新しいSafari、App Nap、通知センター、iBookや新しいMapアプリなどが追加された。またデバイスのバッテリー管理についてもMavericksを入れることで一定の改善がされた。

Mavericksは無料でユーザに配布され、Snow Leopard以上のバージョンのデバイスであれば、Mac App Storeで無料アップデートできるようになった。またMavericksがデフォルトで搭載されているデバイスを買ったユーザには、iWorksが無償で提供されるようになった。

OS X 10.10 Yosemite

macOSX1010

そして最新のOS X 10.10 Yosemiteだ。このOS Xは、初代から13年を経て最大のビジュアル的な変化を遂げた。完全にフラットデザイン化を導入したのだ。これはiOSとの高度な統一を表している。

機能上ではYosemiteでは全く新しい通知センター、新しいSpotlightとSafari、Mac上でSMSの送受信ができたりiPhoneと通話することができるようになった。またiCloud Driveの導入で、シームレスに各種デバイス(Windows PC含む)とどんなファイルでもやりとりができるようになった。Mavericksと同様、無償アップデートの戦略がとられ、ユーザはMac App Storeでアップデートが可能となっている。

13年のOS Xの歴史を振り返ると感慨深いものがある。正に、スティーブ・ジョブズの遺産が現在も花咲いている状態だ。

ちなみに私がMac OS(漢字Talk)7.6でMacを捨て、Windowsに浮気して、戻ってきたのはOS X 10.5 Leopardからだった。
Expose、Spacesに感動し、最後のProがつかないアルミ一体成形のMacBookを購入した。
それ以来は一貫してMacを使っている。

来年もまだOS Xなのだろうか。正直YosemiteのタイミングでUIがこれだけ変わったんだからOS XIにしてもよかったんじゃないかと思うが。。
いずれiOSとの融合を進めたいAppleとしてはメジャーバージョンを上げたくなかったんだろうか。

記事は以上。

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