“イーサネットの父”が最高のメンター、スティーブ・ジョブズから学んだこととは

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ロバート・メトカーフ(愛称はボブ・メトカーフ、Bob Metcalfe)氏は、1970年代からコンピュータネットワークを研究し、1973年にはデイヴィッド・ボッグス氏と共に現在でも使用されている、コンピュータ同士を短距離で繋ぐための基準となるイーサネット(Ethernet)を発明したことで有名です。なお、その研究はその後Appleのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がアイコンとマウスを使ったUIを盗み出してMacintoshに採用したといわれる、あのゼロックスのパロアルト研究所で行われました。

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Bob Metcalfe, the co-inventor of the Ethernet, holding an original piece of Ethernet cable. (Photo by Kim Kulish)

1979年にはメトカーフ氏はパロアルト研究所を離れ、ネットワーク機器などを扱う3Com Corp.を創業します。そして同年の終わり頃、あのスティーブ・ジョブズがメトカーフ氏をApple社に入社するよう誘ったというのです。

しかしメトカーフ氏はそれを拒絶しました。「私はスティーブ・ジョブズという名前も、Apple(当時はApple Computer)という名前も聞いたことがなかったのです。それに私は自分で会社を立ち上げたばかりでしたから、彼の申し出を拒絶したのです」とメトカーフ氏は語っています。

「ジョブズは私に対して怒らなかったばかりか、80年代には私を助けてくれました。私の会社がジョブズから受けたサポートから得るものは大きかった。彼は私のヒーローの一人なのです。」

3Comは1984年に上場し、1999年に売上の最高額を記録します。当時の3Comの売上額は57億米ドルまでいきました。ただ、メトカーフ氏はその1990年に、経営陣の内部の争いによって会社を追い出されてしまいます。そして2010年、3Comはhp(ヒューレット・パッカード)社と合併します。

メトカーフ氏にとって、ジョブズはメンターで、導師のような存在だといいます。「ジョブズは私より10歳ほど年下でしたが、不思議なのは、私は博士号を持っていて、彼は大学中退のドロップアウト組でした。それでも彼は私の導師なのです」

「彼は恐るべき人です。彼の近くにいると、彼はあなたにどんなことも信じられるように説得することができるのです。これこそが、有名な”ジョブズの現実歪曲空間(Steve’s reality distortion field)”というやつです。ただ、あなたが10フィートから15フィート、或いはそれ以上走った後、はっと気づくでしょう。もしかしたら彼には説得力しかなかったのではないかと」

▼ロバート・メトカーフ氏が1973年5月22日、パロアルト研究所で書いていたメモ。これがEthernet誕生の瞬間だったといいます(本人のTwitterによる)。2017年5月22日が、メトカーフ氏が主張するEthernetの44歳の誕生日ということです。

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メトカーフ氏は、今はテキサス大学オースティン校で技術革新ディレクターとして教授職になっています。彼はジョブズの”現実歪曲空間”から、人は誰かから受けた熱狂を受け容れるべきだということを学んだといいます。それこそが、自分を新しい境界へと推し進める力の一部になるというのです。

「ジョブズは非常に高い基準を持っていました。ですから彼は別人が愚鈍であることを受け容れることができなかったのです。彼はそのことで多くの人を怒らせました。それはまるで、卵焼きを作るためには必ずいくつかの卵を割らなければならないように。」

「あなたは常に判断を下していかなければなりません。いいことも、悪いことも、役に立つことも、どんな作用を発揮しようと、もしあなたが非常に高い基準を持っていたら、何かを成し遂げるために、あなたはその過程で”いくつかの卵を割らなければならない”のです。ということで、私がジョブズから学んだことは、”卵を割りたいと思うこと”でした。」

メトカーフ氏はジョブズに対して敬意に満ち、また感謝の心を持っています。しかしメトカーフ氏は更にこんなことも。。ジョブズと友達になると1つデメリットがあるというのです。例えば、ジョブズがあなたの結婚式にゲストとして参加したとしたら。。みんなはスティーブ・ジョブズがそこにいた、という事実以外に結婚式で行われたことは何も覚えていないということだそうです。笑

CNBCではメトカーフ氏は上記のジョブズのエピソードを動画で語っています。詳細は、CNBCのサイトをご覧ください。メトカーフ氏は、インターネットは死ぬとか、無線LANは死ぬとかちょっと過激な発言で有名で、それらが外れると前言を撤回したり実際それらを書いたものを飲んだりと、面白い行動をしてきました。さて、メトカーフ氏の目には今後の世界がどのように映っているのでしょうか。。

記事は以上です。

(記事情報元:CNBC

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