Googleが8月12日、新型スマートフォン【Pixel 11】シリーズを発表しました。発売は8月20日。Appleの9月の発表に先んじる形です。注目すべきは中身よりも値付けで、全機種が一律100ドル値上げされました。しかもその見せ方が、なかなか考えられています。

まず、いくら上がったのか
| 機種 | 新価格 | 旧価格 |
|---|---|---|
| Pixel 11 | 899ドル | 799ドル |
| Pixel 11 Pro | 1,099ドル | 999ドル |
| Pixel 11 Pro XL | 1,299ドル | 1,199ドル |
| Pixel 11 Pro Fold | 1,899ドル | 1,799ドル |
きれいに全機種100ドル増です。Pixel Watch 5などの時計類も50ドルずつ上がっています。
原因は言うまでもなくメモリ価格の高騰です。ティム・クックが「百年に一度の洪水」と表現したあの状況は、当然ながらGoogleにも同じように襲いかかっているわけですね。
値上げの見せ方が巧妙。下取り価格を先に出す
ここからが本題です。Googleは製品ページで、下取りを使った場合の価格を大きく前面に出しています。
たとえばPixel 11 Proは「499ドルから」と表示されます。1,099ドルではなく、499ドルです。実際の価格が分かるのは、購入手続きのなかで下取りを断ったときになります。
この見せ方、中国のECサイトを見慣れている身からすると馴染み深いものです。クーポン適用後、補助金適用後、下取り適用後の価格を大きく出して、実際の支払額はカートに入れてから分かる、という売り方は中国では常套手段です。それが米国の大手メーカーの公式サイトで、ここまで堂々と使われるようになったか、という感想を持ちました。
下取り自体は悪いものではありません。ただ、条件を満たさなければその価格にはならないわけで、表示価格として妥当かというと微妙なところです。
ストレージは増やし、RAMは減らす
もう一つ、見逃せない変更があります。
Googleは値上げの印象を和らげるためか、Pixel 11と11 Proの基本ストレージを128GBから256GBへ倍増させました。ここまでは太っ腹に見えます。
ところがその裏で、Pro と Pro XL の基本構成のRAMを16GBから12GBへ減らしています。16GBが欲しければ、さらに120〜220ドル上乗せする必要があります。
ストレージは分かりやすいので増やして見せる。RAMは分かりにくいので減らす。値上げ局面での帳尻の合わせ方として、実に人間的というか、なんとも言えないやり方ですね。。RAMはAI機能の動作に直結する部分ですから、ここを削るのは本来なら痛いはずです。
Appleは9月にどう出るか
ではAppleはどうするのか。ここが我々にとっての本題です。
iPhone 18 Proは、iPhone 17 Proより最大300ドル高くなるという予想が出ています。Googleが100ドルで済ませたのに対して、Appleは3倍の値上げ幅ということになります。
ただしAppleについては、ProのRAMを削るという選択肢は取りにくいと見られています。今秋のApple IntelligenceとSiriの新機能はRAMを必要とするからです。ここを削れば機能そのものが動かなくなりかねません。逆に言えば、Appleは削れる場所が少ない分だけ、正直に値上げするしかない立場にあります。
一方で、下取りを大きく見せる売り方については、Appleも既に近いことをやっています。実は先日、Apple Walletで下取り見積もりを最大90日間保存できるようにする機能が開発中であることが、コードから見つかっています。下取りを前提とした売り方に、Appleも本腰を入れつつあるということでしょう。
折りたたみ対決の前哨戦でもある
最後にもう一点。今回のPixel 11 Pro Foldは、開いた状態で5.1mm、畳んだ状態で10.2mmという薄さです。「ギアレスヒンジ」を採用し、6.5インチと8インチの2画面構成となっています。
この秋、Appleは初の折りたたみとされるiPhone Ultraを出してきます。1,899ドルのPro Foldに対して、Appleがどの価格帯で、どの薄さで殴り込んでくるのか。折りたたみが完全に定着している中国市場から見ていると、いよいよ役者が揃ってきたなという感じがします。
なお、iPhone 18 Proの値上げの背景については、こちらの記事にまとめています。
iPhone 18 Proの部品原価が4割増。最大3万円超の値上げか
記事は以上です。
※記事中の画像はイメージです。実機の写真ではなく、生成AIで作成したものです。
