iOS 11.3/11.4β版搭載iPhone/iPadで、絵文字の黒点メッセージを開くとクラッシュする問題が発生

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今年2月に、iOS 11.2でインドのテルグ文字でiPhoneやiPadがクラッシュする問題が発生しましたが、今度はまた新手の”クラッシュ絵文字”が発見されました。

iPhone/iPad等のメッセージアプリなどで特定の文字列のメッセージを開こうとするとクラッシュ。。

EverythingApple ProのYoutubeへの投稿で、“black dot”と呼ばれる絵文字をiOS標準のメッセージアプリやWhatsAppなどのサードパーティ製アプリで送られ、そのメッセージをiPhoneやiPadでクリックして開こうとすると、デバイスがクラッシュしてしまう問題が報告されています。最新のiOSバージョン11.3〜11.4ベータ版でもその問題があり、iOSデバイスがフリーズしたりクラッシュしたりするようです。

blackdot_iPhone_iPad_iOS11.3_iOS11.4_crash

新たなiPhoneクラッシュ絵文字登場。。その名も”black dot”

そのiPhone/iPadをクラッシュさせる新たな絵文字とは<⚫> 👈🏻です。

このバグはユニコード(Unicode)テキストバグといわれるもので、このコードには1000もの隠されたユニコード文字が入っていて、その文字を入力したり読み取ろうとしたとき、バグが発生してCPUの演算周期を狂わせ、果てしないリピート=無限ループ状態が発生して、システムがクラッシュしてしまうというわけです。

iOSだけでなく、Appleの他のOSや、Androidにも影響

なお、この文字クラッシュはiOSだけではなく、他のOSにも影響します。9to5Macは実験の結果これはMacでも発生し、そのスパイラルが制御不能となり、プロセス上でシステムがなんと30GBものとてつもない容量のスワップファイルを作り出してしまうことを確認しています。また、テストはされていませんが、同様にwatchOSやtvOSも影響を受けるのではないかと予測されます。また、他のYoutube動画等によれば、Android OSのWhatsAppでもこの問題が発生しています。

このバグは現在iOSの正式版としては最新のiOS 11.3(iOS 11.3.1)やベータテストが行われているiOS 11.4でも発生します。そしてこの問題が明るみに出て、更に既に相手にこの”黒点”を送りつけることができるいたずらサイトまで登場(よい子は絶対使わないように!!)し、Appleは対策せざるを得ないでしょう。

対策方法:メッセージを開かず削除すること!

そしてもし誰からいたずらや好奇心でこのメッセージをあなたに送ってきたら?今のところ、対策方法は、Appleからパッチがリリースされない限りは、そのメッセージを開こうとしないことです。メッセージアプリを強制的に終了し、3D Touch(フォースタッチ)でアプリのアイコンを強くタップし、新しいメッセージを開くようにすればOKです。それをキャンセルすることでリスト表示に戻ることができ、そこから来たメッセージを削除すればOKです。またはiCloudで同期している別のデバイスからそのメッセージを遠隔で削除してもOKです。

複雑で多様なユニコード、このバグの発生は必然的

ユニコードは複雑で多様であることが特徴で、全てのソフトウェアやハードウェアベンダーに、これらのユニコードバグを全て解決するように要求するのは酷な話です。ただ、このユニコード文字によるバグは、クラッカー(悪玉ハッカー)達によって、システムをクラッシュさせ、侵入するための脆弱性として使用されてしまう可能性も高いのです。

正直この問題についてはいたちごっこになっていますが、Appleは常に明らかになったバグのフィックス(修正)を最優先にしているため、恐らく次のバージョンのiOS/watchOS/tvOSなどで今回の”black dot”問題を修正してくるのではないかと思われます。

詳細の仕組みはこちらの動画を

なぜこんなたった1文字のユニコードの絵文字でシステムがクラッシュする問題が発生してしまうのか。。その仕組みについては、Tom Scott氏によって以下の動画で英語で解説されています。もし英語がわかる方は、ご参考までにご覧ください(ただしかなり長いです。。)

ユニコードバグは、脱獄にも利用される脆弱性になる?

個人的には、このようなユニコードバグも、脱獄(ジェイルブレイク、Jailbreak)のためのexploitに使われたりするのだろうなあ、とちょっとワクワクしますが、しかしいたずらや好奇心でこの文字を他人に送るのは絶対にやめましょう。

記事は以上です(2018年5月10日訂正と追記)。

(記事情報元:EverythingApple Pro via9to5Mac

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