Apple Insiderによると、Appleの幹部(エグゼクティブ)がプロジェクトの方向と進捗に不満があることが原因で、噂のAppleのEV(電気自動車、”Apple Car”と呼ばれている)の研究開発プロジェクト”Project Titan”が分岐点に来ており、人材の募集を停止しているという。
“Project Titan”のチームの活動に詳しいという情報筋によれば、これはAppleのCDO(Chief Design Officer)のジョニー・アイブ(Jony Ive)が休暇後にプロジェクトの進捗評価をしたときに実施した措置で、アイブ自身がこの”Project Titan”の進捗に満足していないという。
“Project Titan”に関わるスタッフの数は既に1000人を超えているという情報がある。業界内では、AppleがEV業界では先駆者であるテスラ(Tesla)からエンジニアリングの人材を多く引き抜いており、そのことがテスラの将来のEVの研究開発能力に「大きな影響を与えている」とされている。
しかし当ブログでもお伝えしたとおり、先日”Project Titan”のリーダーとされ、Appleに16年勤めたベテランエンジニアのSteve Zadeskyが離職していることがわかっている。このことがプロジェクト”Titan”の凍結に関わるかどうかは不明だが、形の上ではZadesky氏は「一身上の都合」で辞めたことになっている。
AppleがEV(電気自動車)のプロジェクト"TITAN"によっていわゆる「Apple Car」の研究開発を始動してから既に2年が経つといわれているが、本日流れた情報で業界に衝撃が走っている。ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)によれば、Appleに16年勤めたベテランで、同社のEVプロジェクト"TITAN"の責任者だったと思われるSteve Zadeskyが突然離職したのだ。 大きな痛手か!?AppleのEV事業を担当していたと思われるベテランが離職 - 小龍茶館 |
Appleは2019年までにEVの開発を終えてリリースをすると噂では伝わっているが、どうやらここ数ヶ月間、この”Project Titan”は暗礁に乗り上げているようだ。
昨年9月にも、Appleはこれまでの伝統的な自動車業界と提携関係を結んで製造に関する問題を解決しようと動いていたことがわかっている。AppleはBMWと提携のために秘密の会合を行っており、そこで話し合われた内容は恐らくBMWのi3シリーズ(EV)を開発プラットフォーム(土台)としたい、というものだったらしいが、BMWはあまりこのような提携を結びたいと考えておらず、話し合いはうまくいかなかったようだ。AppleはBMWのi3のデザインがこれまでの伝統デザインのやり方と大きく違うものであったことから、相当な興味を持っていたという話が伝わってきているだけに、BMWにふられて残念だったに違いない。
画蛇添足 One more thing…
もちろん今回のジョニー・アイブによる”人材募集停止措置”は既にApple Carの”Project Titan”に関わる人材はもうこれで十分だと判断しての話かもしれないが、数多くの情報から判断するに、プロジェクトそのものがペンディングになっている可能性が高いのではないだろうか。
Appleの”Project Titan”は、あまりに多くの人材を引き抜き、様々な人間が関わってしまうことで”船頭多くして船山に上る”状態で、いったんトップのジョニー・アイブがストップをかけた、というような状態なのではないだろうか。Apple古参のエンジニアが指揮を執り、伝統的自動車業界と電気自動車業界(主にテスラ)から引き抜いた人材が共に働く。。ちょっと想像してみただけでもビジョンの共有が困難で、うまくいきそうにないプロジェクトではないだろうか?
ところでこれは余談だが、かのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)はベンツに乗っていた(しかも新車のリースを繰り返してナンバーをつけなかった)のは有名な話だが、ティム・クック(Tim Cook)現CEOはメルセデス・ベンツとの提携は考えなかったのだろうか?
記事は以上。
(記事情報元:Apple Insider)