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TSMC、7nm FinFETプロセス量産開始か、次期iPhoneに搭載?40%の省電力化が可能に

今年1月4日に、Patently Appleによって、今年2018年のiPhoneには台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(以下TSMC)による7nmプロセスで製造されたA12プロセッサが搭載される、というレポートが報道されていました。今年、TSMCはSamusung Electronicsとのレースに勝ち、7nmの量産体制に入れることがわかり、これによって40を超える顧客に対して、モバイル通信機器やハイパフォーマンスコンピューティングやAI(artificial intelligence、人工知能)機能の実現のためにアドバンテージを持たせることができることが期待されています。そして1月19日には、同じくPatently Appleが、TSMCの7nmプロセスチップの量産は第二四半期(4〜6月)に開始されることが報じられています。

TSMCのCEO、7nmプロセスの年内の実現について発言

そして既にその第二四半期に入ったところで、TSMCの共同CEOのCC Wei氏が昨日、TSMC 7nmプロセステクノロジーはパフォーマンスの面では、パワーと面密度そしてそのスケジュールが業界をリードしているものだと発言しています。同社は、この7nmプロセスによる製品の売上のうち20%以上が2018年Q4に、そして2018年全体では10%を占めることを予測しています。

7nm FinFETプロセスはTSMCで既に量産が始まっている

Wei CEOは更に、モバイルデバイス、サーバCPU、ネットワークプロセッサ、ゲーム、GPU(graphic processor unit)、FPGA(field-programmable gate array、製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路)、仮想通貨、自動車そしてAI業界などから、2018年の終わりまでに50以上の顧客がテープアウトする(設計の最終段階を迎える)としています。そしてN7と名付けられたこの7nmプロセスを使用した製品は、既に量産に入っているということです。

次期iPhoneに7nm FinFETプロセスによるA12プロセッサが搭載される意味とは?

では、Appleの次世代iPhoneには7nmのA12プロセッサが搭載されるのでしょうか?その可能性は更に高まったといえるでしょう。そしてこのことはAppleの次期iPhoneにとって何を意味するのでしょうか?TSMCによれば、

10nm FinFETプロセスに比べ、TSMCの7nm FinFETでは、1.6倍面密度が高まったことにより、20%のスピードアップと、40%の省電力化が実現します。

ということです。

TSMCは更に、7nm FinFETを2つのプラットフォームに分けて立ち上げています。1つはモバイルアプリケーションに最適化したもの、そしてもう1つはハイパフォーマンスな計算を必要とするアプリケーションに最適したものです。これは工業的にも記録に残るものといえるでしょう。

SoCで40%の省電力化、Appleは時期的にも他社に先駆けてiPhoneで採用可能か

20%のスピードアップはそこまででもないという感じがしますが、40%の省電力化というのはすごいことです。ただ、iPhoneをはじめスマートフォンは特にディスプレイをはじめ、他の部品でも電力を消費するため、単純にTSMCの7nm FinFETテクノロジーを採用した次期iPhoneのバッテリー寿命が40%伸びるというわけではありません。

とはいえ、もし次期iPhoneで7nm FinFETプロセスが採用されれば、次期iPhoneはこれまでよりも当然バッテリーは長持ちすることになりそうです。そしてAppleは時期的に他のメーカーのスマートフォンに先駆けて7nm FinFETプロセス搭載製品を世に送り出すことになり、2018年秋のリリース直後にはAppleに相当なアドバンテージがもたらされると予測されます。

記事は以上です。

(記事情報元:Patently Apple

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