本日は新型iPhone【iPhone X】の予約開始日ですが、次世代iPhoneの準備はとっくに始まっています。次世代iPhoneに搭載される予定の次世代SoC、A12チップは、台湾のTSMCと韓国のサムスン（SAMSUNG）が競っていましたが、最終的にはTSMCが全ての受注を勝ち取りました。当ブログでも今年7月にお伝えしたとおりです。
評判が非常にいい【iPhone X】や【iPhone 8】のA11チップも全てTSMC製
【iPhone X】や【iPhone 8】シリーズに搭載されているA11 BIONICチップも全てがTSMC製ですが、多くのメディアがベンチマークテストを行った結果、クアルコム（Qualcomm）やサムスンの自社開発チップよりも断然性能が高く、恐らくこれからしばらくの間、モバイルSoCのトップの座に座り続けるものとみられます。
TSMC、2018年Q2末には7nmプロセスのA12チップ製造開始か
なお、サプライヤー筋からの情報によると、TSMCはAppleのOEMを受け、来年のQ2（第二四半期）には7nmプロセスの製造に入るとのことです。TSMC用に特別に作られたオランダの大手半導体装置メーカーASMLによるEUV（極端紫外線）リソグラフィ装置は、来年2018年のQ1には台湾の中部科学工業園区で完成する予定で、来年のQ2末には7nmプロセスのAppleのA12チップの製造に使われ始めるとのことです。製造プロセスが一桁台になるということで、A12チップは動作性能や電力消費性能においてもA11 BIONICチップよりも更に飛躍的に向上することが望まれます。
Appleのジェフ・ウィリアムズCOOも期待
実はTSMC創立30周年記念式典によせて、Appleのジェフ・ウィリアムズ（Jeff Williams）COOが「Appleは新型iPhoneとiPadのSoCの製造を100％TSMCに出す」とリップサービスをしたことでも、A12チップはやはり100％TSMCが供給することが裏付けられています。
「TSMCは90億ドルを投資し、6000人もの従業員が常に稼働しており、11ヶ月以内に更にウェハー工場を立ち上げるとしています。私たちはこんなに短い間に、5億枚ものチップを出荷しました。そんなわけで、一気に90億ドルもの賭けをするような会社は殆どないといえます」とジェフ・ウィリアムズCOOは補足しています。
TSMCはAppleとますます親密な関係を築いている
TSMCはここ2年ほど、Appleとの関係は蜜月状態が続いています。これも、以前iPhone 6sの時代に、A9チップがサムスンとの共同購買だった際に、サムスンのチップが非常に微小ながらも性能の差があったことで、テック系メディアには「チップゲート（Chipgate）」と呼ばれる事態に発展したことが原因にあったかもしれません。そしてサムスンはスマートフォン事業ではAppleの競争相手であることも影響しているでしょう。もちろん、TSMCがAppleの全面的な信頼を勝ち得ているのは、優れた技術を持ち合わせているからに他なりません。Appleが提携先を選ぶときには、慎重に慎重を重ねて、非常に厳しい基準をもって選定しています。
TSMCはクアルコムとも取引
しかしTSMCにとっては、7nmプロセスチップに関しては顧客はApple以外にもクアルコム（Qualcomm）もいます。TSMCはA12チップを製造すると同時に、やはりチップ業界ではトップクラスのクアルコムとも提携することになります。クアルコムとAppleは現在係争関係にありますが、問題になっているのは通信チップの部分なので、SoCに関しては特に問題はないのかもしれません。
次世代iPhone【iPhone 9】のSoC A12チップもTSMCで決まり。その先は？
いずれにせよ、次世代iPhone【iPhone 9（仮称）】も100％TSMC製になるのは間違いないようです。その先（A13チップ？）については、Appleは他社との複数社購買を図っているようですが、TSMCレベルまでAppleの要求に合わせられる会社は地球上で探すのは難しいのかもしれません。
記事は以上です。
（記事情報元：WeiPhone）