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iPhoneの有機ELディスプレイのため?ホンハイがロシアに研究センター設立

2ヶ月前に台湾のホンハイ(Hon Hai、鴻海)が日本のシャープ(SHARP)を買収したことで大きくニュースになったが、この大型買収によって、ホンハイとその中国法人のフォックスコン(Foxconn、富士康)はディスプレイ技術を手にし、将来的にはAppleに直接ディスプレイを提供するサプライヤーの1つになるかもしれない。ホンハイにとってはこれまでの単なる組立工場、労働集約型企業からの脱却という悲願の成就となるだろう。

そしてそんなホンハイにまた新しい動きがあった。

ホンハイが「ロシアのシリコンバレー」にマテリアルの研究開発センターを設立

台湾メディア”聯合財經網”の報道によると、ホンハイがロシアにマテリアルの研究開発センターを設立予定で、同社はモスクワ州ショールコヴォにあるロシア国営の「ショールコヴォイノベーションセンター」の代表と既に協議書にサインをしているという。

ホンハイとフォックスコンのトップ、郭台銘

ショールコヴォイノベーションセンターは「ロシアのシリコンバレー」と呼ばれているところで、ホンハイ側の代表はこの場所に研究開発センターを作ることは非常に大きな潜在力を秘めることになると考えているようだ。

 

フォックスコンもこれまでのロシアとの提携に成功、同子会社も材料開発中

中国法人のフォックスコンも、過去十数年の間にiPhoneの組立製造に関して、ロシアとの提携が初歩的な段階での成功を収めているという。フォックスコンの子会社で江蘇省にある「昆山納米材料有限公司(昆山ナノテク材料会社)」も、現在ガラス研磨と切削等に関する先進的な材料の開発に携わっており、多くの分野の製品に応用できるという。その中には当然Apple製品も入っているとみられる。

 

シャープの買収で有機ELの生産キャパ確保も背景に

ホンハイに買収されたことでシャープは何とか息を吹き返すことができ、また有機ELディスプレイ(OLED)の生産ラインに投資する資金もできた。これまでの情報によると、シャープは有機ELディスプレイ生産のために3本の生産ラインを作る予定で、月産59,000枚の有機ELディスプレイ用ガラスパネルのキャパを確保する計画だという。それを5.5インチディスプレイに換算すると月産985万枚のキャパになるようだ。

来年発売予定のAppleのiPhone(iPhone 7sかiPhone 8?)には有機ELディスプレイが搭載されるという情報があり、日本・台湾・韓国・中国のディスプレイメーカーによる有機ELディスプレイへの投機合戦が行われているところで、より有利な位置を占めたいという思惑もあるだろう。

そんな背景もあり、今回ホンハイがロシアで研究開発センターを作ったということは、更に先進的な有機ELディスプレイ技術を、将来のiPhoneに搭載させることを狙ってのこととみられる。

 

ロシアのシリコンバレーではEVの開発も

なお、ショールコヴォイノベーションセンターではスマートフォンなどの電子機器の他、EV(電気自動車)の開発や走行実験なども行われる予定で、ロシアも国家レベルで先進的な分野でのイニシアティブを握ろうとしており、そのために既に技術的に進んでいる台湾や中国の企業をいい条件で誘致することで、逆に利用しようとしているのかもしれない。

またホンハイやフォックスコンとしても、ショールコヴォイノベーションセンターでの技術交流や情報交換によって、更に新しい分野の研究開発を進める思惑もあるのかもしれない。

記事は以上。

(記事情報元:聯合財經網

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