Appleはお金で解決。。でもそれがスマホ業界の役に立ったのかも?
とある特許を所持していたCreative Technologyという企業がかつてAppleを訴えたことがあった。その理由はAppleの製品、iPod(及びiPhone)のミュージックナビゲーション機能が同社のソフトウェアUIに関する特許を侵害しているから、というものだった。
その結果、Appleは2006年にCreative Technologyと法廷外で和解をした。その対価として、一括で彼らに1億ドル(約100億円)の”特許費用”を支払うというものだった。双方ともこの件について法廷に出ることはなかったが、この件は将来的に起こる可能性がある裁判に深い影響を与えるかもしれない。
なんと、米国特許商標庁(USPTO)が数日前に、以前Creative TechnologyがAppleを訴えた特許の排除を決定したというのだ。そしてその理由は”あまりにも抽象的すぎる”というものだった。
Apple Insiderの報道によれば、USPTOはこの特許について繰り返し評価審査を行った結果、”特許となり得ない”という結論を下したという。簡単にいえば、Creative Technologyが出願した特許書類での描写では、一種のミュージックデータベースのナビゲーションとデジタルデバイスへの転送のソリューションとされるもので、iPod等ミュージックプレイヤーはなかなか避けて通ることができないテクノロジーだった(詳細は特許番号:6,928,433)。
USPTOがこの特許を排除(却下)したということは、ミュージックプレイヤー機能を持つスマートフォンや携帯電話メーカーはCreative Technologyの起訴を免れる、ということになる。ある意味では、Appleとの裁判(といっても開廷されなかったが)がスマートフォン・携帯電話業界全体を救ったといえよう。しかし、Creative TechnologyはUSPTOによる特許の排除を不服としている。
ちなみにCreative Technologyはいわゆる特許ゴロ(パテント・トロール)という特許だけをもって製品を持たずに相手を訴えて稼ぐという会社ではなく、音響関係では著名なイノベーティブな会社でもある。同社はBlackberry、HTC、Motorola(Lenovo)、LG、Samsung、Sony、ZTEも訴えており、これらのメーカーが今のところは起訴を免れているが、今後Appleが支払った100億円の返却を求めるのか、どのような展開になるのかは不明だ。
記事は以上。
(記事情報元:Apple Insider)