≪ニューヨーク・タイムズ≫の報道によると、Appleは既に自動運転自動車プロジェクトのうち一部のチームを解散し、そして少なくない数の従業員を解雇したと報じられている。この挙動は、Appleが自動運転システムの開発を”再始動”したことの暗示かもしれない。
1ヶ月以上前にボブ・マンスフィールド(Bob Mansfield)が正式にApple Car(アップル・カー)のプロジェクト”Project Titan”を引き継いだとの報道があったが、既にその時からAppleの研究開発は自動車そのものではなく、自動運転システムの開発に重心が移っていることが報じられていた。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の新しいレポートによると、内部に詳しい人物からの情報として、Appleはこれまで多くのヒット製品を世に送り出してきた重要人物をAppleのEV(電気自動車)【Apple Car(仮称)】の研究開発プロジェクト【Project Titan】のトップに据える計画があるようだ。 Apple、古参のボブ・マンスフィールド氏をEVプロジェクトTitanのトップにする計画か - 小龍茶館 |
ボブ・マンスフィールドは、以前からAppleの人事に興味がある人からすればあまりにも有名な人物だ。かつてテクノロジー部門のトップを担当していたSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)で、その後忽然とAppleのSVPのリストから消え、秘密プロジェクトに関わっているとされていた。
今年7月にマンスフィールドは自動車に関するプロジェクトの主管に任命されたとの報道があり、そのプロジェクトの重心は”自動運転”技術の開発に移り、自動車そのものの開発ではなくなったとされた。リストラについては、プロジェクトの戦略そのものの変更によるものと思われる。Appleの極秘プロジェクト”Titan(タイタン)”は、これまで既にある程度の進展と成果はあり、Appleは既に一部の自動運転自動車のテストをしていることが知られている。しかしそのテクノロジーはまだ未熟なようだ。
また、Appleはこれまでテスラ(Tesla)、フォード(Ford)、GMなどのEVや伝統自動車メーカーから人材を引き抜いていることが知られ、AppleのEVプロジェクトにはこれまで1,000人近く入ったといわれている。しかしかつてのAppleのEVプロジェクトの主管が辞職したため、そのことがAppleのEVプロジェクトの遅延に繋がったのではないかと推測されている。
AppleがEV(電気自動車)のプロジェクト"TITAN"によっていわゆる「Apple Car」の研究開発を始動してから既に2年が経つといわれているが、本日流れた情報で業界に衝撃が走っている。ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)によれば、Appleに16年勤めたベテランで、同社のEVプロジェクト"TITAN"の責任者だったと思われるSteve Zadeskyが突然離職したのだ。 大きな痛手か!?AppleのEV事業を担当していたと思われるベテランが離職 - 小龍茶館 |
画蛇添足 One more thing…
Appleは最初からハードウェアの会社で、ソフトウェアについてはそれほど得意ではなかった。しかし現在Appleはかなり依存していたiPhoneの売上の減少により、エコシステムの強化やサービスによる収入の構築に躍起になっている感じがする。
Apple Car(EV)についても、自動車そのものの開発は一朝一夕にできるものではなく、そのためAppleは自動運転システムの開発のみに重点を切り替えたというのも無理はない。ただ、既にテスラやその他の企業が実現していることを後追いしているようにしか見えない。
今後Appleがどのような自動車関連サービスを出していくのか、注目だ。ボブ・マンスフィールド元SVPが本気でやればできるかもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:MacObserver)