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【Apple vs FBI】シリコンバレーの16の企業がAppleの立場を支持しエールを送る

AppleがFBIの銃乱射テロ犯の所持していたiPhoneにバックドアを仕掛けてデータを取り出す要求を拒絶したことが、大きな世論の渦を起こしている。そして当ブログでもお伝えしたとおり、これまでいくつかの同業者でライバル企業ともいえるテック企業がAppleの支持を表明していた。そしてここにきて更にAppleには強い味方が現れた。シリコンバレーの16社が連名書で、Appleへの”正式”な支持を表明したのだ。

アメリカ合衆国のカリフォルニア州サンバーナーディーノ市で昨年末に発生した銃乱射テロ事件は、イスラム原理主義の夫婦が14人を射殺した事件で、犯人はその場で警察に射殺されている。FBIはそのテロ犯のうちの夫側、サイード・ファルークの持っていたとされるiPhone、iPhone 5cを手に入れた。しかしiPhone 5cにはロックがかかっていたため、FBI側は裁判所に依頼してAppleにファルークのiPhone 5cのロックを解除してデータを閲覧できる状態にするように要求した。しかしAppleはその危険な先例を作る事への懸念を表明してその要求を拒絶した。そのAppleの行動について、現在過半数(51%)のアメリカ人は「iPhoneのロックを解除すべき」と反対の立場を示しているようだ。

米連邦捜査局(FBI)が米Appleに対して銃乱射事件の犯人が使っていた「iPhone」のロック解除を求めている問題に関して、米国の世論が真っ二つに割れている。
Apple対FBIの「ロック解除論争」 - 日経ビジネス電子版

そんな中、アメリカのシリコンバレーの16社がアメリカ合衆国司法省に提出した文書で、正式にAppleの立場を支持を表明した。

その16社とは、Airbnb、Atlassian、Automattic、Cloudflare、eBay、 GitHub、Kickstarter、LinkedIn、Mapbox、Meetup、Reddit、Square、 Squarespace、Twilio、Twitter、そしてWickrだ。

それ以前にも、Amazon、Box、Cisco、Dropbox、Evernote、Facebook、Google、Microsoft、Mozilla、Nest、Pinterest、Slack、Snapchat、WhatsAppやYahooなどテック界の巨頭も、単独でAppleに対するエールを送っている。しかしMicrosoft(マイクロソフト)の創業者、ビル・ゲイツ(Bill Gates)はこれは個別の案件で、Appleはこのことを大事にすべきではなく、FBIや警察に協力して解除すべきだと述べている。

上記のシリコンバレーのネット企業は、テロとの戦いと個人情報やプライバシーの保護については、積極的に公開討論会を開き、アメリカ政府(FBI含む)或いは司法省が、国会を経ずに不合理な先例を作るべきではないということを主張している。

またAppleは聴聞会での陳述で、当ブログの以下の記事で紹介しているように、FBIが引き合いに出している法律が227年前に制定された非常に古いもので、現代にはそぐわない点があるため、国会で議論されるべきだと主張している。

またアメリカのニューヨーク州の地方裁判所では、スマートフォンの強制ロック解除についての判決を下し、Appleを支持している。

 米政府が犯罪捜査に関連する「iPhone」のロック解除を米Appleに要請している問題で、米ニューヨーク州東部の米連邦地方裁判所は現地時間2016年2月29日、ロック解除を拒否するAppleの主張を認める判決を下した。
iPhoneロック解除問題 NY州裁判所はApple支持 - 日経クロステック(xTECH)

現在この問題は既に国会に飛び火しており、上記の通り先日米国国会では聴聞会が行われた。そこで議論されたのはテロリストのスマートフォンを強制ロック解除することについての利害についてだった。FBIはその聴聞会で、Appleがこれに関して協力してくれることを望んでおり、これは”悪しき前例”を作るということではなく、単に目の前のファルーク容疑者によるテロの調査のみに使うことを主張している。

 

事実、FBIはAppleのティム・クック(Tim Cook)がApple公式サイトにもアップしている公開状に書かれているような、将来iPhone用のiOSにバックドアを仕掛けるようなことは要求しておらず、単にファルークのiPhone 5cのシステムに手を加え、FBI側がそのiPhone 5cの内部データを閲覧できるようにして欲しいと要求しているだけであるのは間違いないようだ。

国会の仲介と調整のもと、Appleがテロ犯ファルークのiPhoneをロック解除するかについては、来週に結論が出るもようだ。

 

画蛇添足 One more thing…

FBIの要求は今は単独の端末に対するものであるかもしれないが、それが今後これを先例に同じような要求をしないと言うことを保証するわけではないことはあまりに明白だ。何をするかわからないのがFBI、CIA、NSA、、といったところだろうか。

ただ、当ブログでもお伝えしたとおり、事件が発生したサンバーナーディーノ市の警察署長によれば、内部には何ら重要なデータは残っていない可能性が高いとされているのが気にかかる点だ。

AppleとFBIの間で、昨年末にカリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射テロ事件の犯人サイード・ファルークが持っていたとされるiPhone 5cを強制ロック解除するかどうかについてのいざこざは既に世紀の裁判となるかもしれないといわれているほど大事になってしまっている。当ブログでもお知らせしたとおりだ。
【Apple vs FBI】警察署長がiPhone 5cには大して重要なデータは残っていない可能性... - 小龍茶館

記事は以上。

(記事情報元:TheNextWeb=TNW News

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