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TSMC、2019年前半期に5nmプロセスチップ設計が最終段階に、2020年半ばに量産開始か

台湾メディアのDigitimesによると、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は今年の薄暗いビジネスや業界の見通しにもかかわらず、7nm以下のプロセス技術の開発において進歩を続けており、2020年内に新しい5nm EUVプロセス製品を量産に移行する計画です。

TSMCのCC Wei CEOは、同社の最近の投資家会議で、2019年前半に5nmチップ設計の採用を開始する予定であると発表しました。Wei CEOによると、TSMCがEUVリソグラフィ技術を組み込んだ5nmプロセスを最初の量産に移行するのは2020年半ば頃になるということです。

「今日7nmプロセスチップを使用しているすべてのアプリケーションは5nmを採用するでしょう」とWei CEOは発言しています。「HPC(高性能計算)ではN5を採用するアプリケーションが増えると予想しています。」

TSMCはこのN5と呼ばれる5nmプロセスを、これまでの7nmプロセス、16nmプロセス、および28nmプロセスと同じ長寿命ノードとみなしています。Wei CEOは、TSMCの7nmチップの顧客すべてがN5のファウンドリに関与していることを明らかにしましたが、テープアウトの数量などの詳細は明らかにしませんでした。顧客への影響に配慮(忖度)したものと思われます。

HPCや自動車などのアプリケーション向けのチップ設計が増えるにつれて、TSMCの7nmチップクライアントポートフォリオは「強くなっている」とWei氏は指摘しています。「慎重なマクロの見通しにもかかわらず、N7での顧客のテープアウト活動は引き続き強力です」とWei氏は自信を持っているようです。

TSMCは、AIおよび5G関連製品設計の需要が高まっているため、2019年の7nmチップの売上高は、ファウンドリの総ウェーハ売上高の25%以上を占めると予想しています。 Wei氏によると、2019年第2四半期のEUVはN7+と呼ばれることになります。

TSMCはまた、今年の設備投資の80%がファウンドリの7nm、5nm、3nmプロセス技術に費やされることを明らかにしました。

というわけで、2020年半ば頃に5nmチップの量産に入れるということは、Appleの来年2020年モデルのiPhone(iPhone 12?)にはこのTSMC製の5nm EUVプロセスで製造されたAシリーズチップ(順当にいけばA14チップ)が搭載される可能性が高いということになりそうです。また、業界ではMac用のCPU(SoC)も、2020年頃から現在のインテル(Intel)製からARMベースのApple独自開発のものに置き換えられるという情報もあり、そうなるとまたここでもTSMCの5nmプロセスが優位性を持つことになります。

これでますます世界の超小型半導体のシェアはTSMC一極化の道を辿ることになり、もうすべてのメーカーがTSMC頼みになっていきます。もしTSMCが風邪を引いたら世界のテック産業が風邪を引き、逆にテック業界が不況になればTSMCもその煽りを食らうことになり、一蓮托生となってしまう危険性をはらみます。もう少し健全な競争があるとよいのですが。。

記事は以上です。

(記事情報元:Digitimes

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