Appleはかつて、iPhone 6 Plusの背面カメラから光学手ぶれ補正を導入しました。それから現行最新のiPhone 11シリーズまで一貫して使用されている光学手ぶれ補正技術はOIS(Optical Image Stabilization)と呼ばれるものです。Appleは2015年にこのOISに関する特許を取得しています。このOISによって、iPhoneの画像や動画のカメラの手ブレが大幅に減少し、美しい映像が撮れるようになったのです。
そして台湾のメディアDigiTimesによると、Appleは来年2020年のハイエンドのiPhone(iPhone 12のうち、恐らくiPhone 11 Pro/iPhone 11 Pro Maxの後継機)でこの手ぶれ補正を更に強化し、センサーシフト安定化(Sensor-Shift Image Stabilization、SIS或いはSIS)と呼ばれる技術を導入するということです。
撮影者にとって、最大の敵は手ぶれだといえるでしょう。現在のOISでも露光が短い写真の手ぶれはかなり防げますが、センサーシフト画像安定化システムによって、長時間露光を使用した場合のカメラのゆれの影響を軽減・排除することができるようになるかもしれません。ちなみに手ぶれ補正には光学画像安定化(OIS)、電子またはデジタル画像安定化(EISまたはDIS)、そしてセンターシフト画像安定化(SSIS或いはSIS)の3種類があり、とあるカメラ専門誌によれば、センサーシフト画像安定化システムが間違いなくこれら3つの手ぶれ補正技術のうち最高のものだとされています。
センサーシフト画像安定化システムは、電気アクチュエーターを使用してカメラのセンサーを画像平面上で動かすことにより機能します。カメラの加速度計によって揺れの動きが検出された時、センサーが移動する方向と速度をリアルタイムで計算するため、レンズによって投影される画像も静止したままになります。もちろん他の画像安定化システムと同様に、その有効性には限界がありますが、三脚やその他のサポートが利用できない中程度の低照度の状況では役に立つとみられています。
なお、センサーシフト画像安定化システムは、最大5軸で動作し、カメラの上下、左右、およびカメラの回転を補正できるようになっています。
ちなみにソニー(SONY)は既に大型カメラ用にこのセンターシフト画像安定化センサーを製造しており、現時点ではどのサプライヤーがこの大型カメラ用の機能をスマートフォンという小さな装置上で利用可能にするのかは不明なままです。
以下は、実際にセンサーシフト画像安定化システムが搭載されているソニーのデジタル一眼レフカメラ「a77 II」で、この新しい画像安定化システムがどれほど速く正確に行われるかを示している、韓国人の投稿によると思われる短いビデオです。最初は手ぶれしていますが、安定化機能をオンにするとファインダーに緑色の四角が表示され、そこですぐに手ぶれが軽減されることがわかりますね。
Appleはカメラの高性能化を常に図っているため、この噂が実現する可能性も低くはないですが、あくまでサプライチェーン内での噂に留まっているといえそうです。とはいえ、他社よりも進化した、本来デジタル一眼レフカメラにしか搭載されていない手ぶれ補正機能がiPhoneについたとしたら、そしてiPhone 6 Plus以降ずっと変わってこなかった手ぶれ補正が今回進化するとなれば、それはまた5G対応と共に2020年発売のiPhoneの大きな変革となり、強力な武器になるでしょうね。
個人的には、2020年のiPhoneは買おうと思っています。
記事は以上です。
(記事情報元:DigiTimes via Patently Apple)