公式の決算報告以外にも、私たちは多くのチャネルからスマートフォン・携帯電話メーカーの出荷台数を推測することができる。例えば、半導体チップの購入数量を見れば、だいたいの数がわかるというものだ。
Apple、2016年の世界半導体チップ購入額ランキングで世界2位に陥落
情報統計機関のGartnerが5日前に公開したレポートによると、2016年の世界半導体チップ購入数量ランキングで、Appleが世界2位となりサムスンに逆転されたという。Appleの2016年のチップ購入総額は299.89億米ドル(約3兆3,667億円)となっており、前年(2015年)比2.9%ダウンとなっていて、世界シェアは8.8%となっている。
1位はサムスンで2015年の2位からトップを奪取
1位も2015年には2位だったサムスン(SAMSUNG)電子で、2016年には316.67億ドル(約3兆5,551億円)を半導体チップの購入に充てている。そして前年比4.4%増加しており、市場シェアは9.3%となった。
ただ、サムスンの2016年の数字は2位のAppleとは僅差だということもできる。今年はGalaxy Note 7爆発炎上によるリコール問題の影響で販売が落ち込んだ影響が出て、またAppleが逆転返り咲きをするかもしれない。
Appleの半導体チップは大部分がiPhone、iPad、Macに使用される
レポートによれば、Appleの購買した半導体チップは大部分が主力製品、特にiPhone、iPadとMacに使用されており、この3大ジャンルの製品がAppleの収入の最大の保障となっているため、比重が大きくなるのは当然のことといえよう。ちなみにAppleはバラ売りのチップを購買する傾向にあるという。これは主にそれぞれのモジュールの見積をやりやすくするためではないかとみられている。
iPhoneのSoCは購買先に変化があった
2015年、Appleの半導体チップ購買の発注の中で大きな比重を占めていたのはサムスン(SAMSUNG)とTSMCの2社に生産委託をしていたA9チップだったが、その状況は2016年にがらっと変わっている。
特にiPhone 7/7 Plusに搭載されているA10 Fusionチップは、Appleからの外部からはTSMC1社のみでの委託生産となっていることがほぼ特定されているからだ。
画蛇添足 One more thing…
なお、レポートによると2016年半導体チップ購買額ランキングの3位から10位までは、Dell(デル)、Lenovo(レノボ)、HUAWEI(ファーウェイ)、HP、HPE、Sony(ソニー)、BBK、LGとなっている。
ただ、HUAWEI以外の好調が伝えられている中国国産スマホメーカー、例えばOppoやVivoなどがこのランキングに入っていないのが少々気になるところだ。中国では統計がとれているのだろうか?
記事は以上。
(記事情報元:Gartner)