ブルームバーグの報道によると、Appleはまたしてもパテント・トロールとしてその汚名が轟いている”VirnetX”に狙われたようだ。VirnetXは5.32億ドル(約627億円)をAppleからもぎ取ろうとしており、Appleは同社の同意を得ずに同社の特許を侵害したと主張している。
【パテント・トロール(あるいは特許トロール、特許ゴロ)とは】
自らが保有する特許権を侵害している疑いのある者(主にハイテク大企業)に特許権を行使して巨額の賠償金やライセンス料を得ようとする者を指す英語の蔑称で、その多くは、自らはその特許を実施していない(特許に基づく製品を製造販売したり、サービスを提供したりしていない)。
引用元:Wikipedia
VirnetXはVPNに関する技術特許を取得しており、同社はAppleが使用しているVPNテクノロジー、及びFaceTimeとiMessageサービスが同社の特許を侵害しているとしている。
VirnetXの弁護士は本日、陪審員に向けて自社の要求を陳述した。実はVirnetXは既にAppleに対して起こした賠償額3.682億ドル(約434億円)の裁判で勝っているが、上告の裁決は裁判所によって差し戻され、再度審査されることとなっていた。VirnetXはAppleの新製品も同様に同社の特許を侵害しているとみなしており、更に新たな裁判を起こすに至ったというわけだ。
Appleの弁護士は、「Appleは公平であり、知的財産の保護をしていると信じています。しかしVirnetXはこれまでずっとその隙間をふらふらしており、またその要求も多くなるばかりです。VirnetXは自分の製品がマネタイズすることをずっと望んでいますが、それを(=その資金を)特許使用許可提携に依頼して行おうとしています。それこそがなぜ彼らがAppleと対抗しているかという理由になっているのです」と語っている。
もちろん、VirnetXは自社でVPNに関わる製品の製造販売やサービスを行う気などはさらさらないのだろう。
Appleが”パテント・トロール=特許ゴロ”に狙われた事件は当然ながらこれが初めてではない。恐らく今後もAppleは”テクノロジー界の巨頭”の代表としてこのようなゴロツキと戦わなければならないだろう。
ちなみに、Appleは自社が持っている特許について他人が勝手に使うことに対して非常に敏感で、反対意見や無効申請を提出数が最多であることがわかっている。
2012年9月以来、AppleがUSPTO(米国特許商標局)の特許審判部(PTAB)に提出した252通の反対意見は、2位のサムスン(SAMSUNG)に比べて100通近く多いことがわかっている。 Appleは特許の大ナタを振るう一方、他社への特許無効申請も一番多い会社に - 小龍茶館 |
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(記事情報元:Bloomberg)