Appleは米国現地時間6月3日〜6月7日に、サンノゼマッケナリーコンベンションセンターにて、今年度のWWDC(世界開発者会議)を開催することを一昨日発表しています。WWDCはAppleが開催する最も重要なイベントのうちの1つで、世界中の開発者(デベロッパ)を集めてイノベーティブなことを起こそうという試みです。が、近年は単に新しいiOSやmacOSの新機能の発表の場と化しているのも事実です。
現在、この地球上には14億台ものAppleデバイスが、Appleの開発によるiOS/macOS/watchOS/tvOSで稼働しており、毎年のWWDCではOSの重大なアップデートが発表される場にもなっています。そして、基調講演ではそれらの新しいOSの新機能が発表され、そこでAppleのプラットフォームの未来が紐解かれることになります。
WWDC19で発表されることの予測
Appleは、WWDC 2019(WWDC19)の基調講演では最新のApple Newsに関すること(これは3月25日に発表予定で、実際はまだ公式に発表されていませんが。。笑)、デベロッパがマシンラーニング、AR、ヘルスケアやフィットネスなどの領域で様々な新しいイノベーティブな仕事をしてきたことを讃えること、としています。今年のWWDCでは、技術フォーラムやハンズオン実験室やゲストによる講演などが予定されていて、現役のApple関連の開発者達が、次世代の若い開発者達に対して知識やツールを提供して説明する場でもあり、それによって若者が新たなイノベーティブなことを起こして現実を変えてくれることが望まれています。
「WWDCはAppleの今年の最大のイベントとなります。世界各地から数千人ものクリエイティブでプロフェッショナルなデベロッパと1000人を超えるAppleのエンジニアが参加し、私たちの最新のプラットフォームのイノベーションを理解してもらうこと、そして1つのコミュニティとして繋がることが望まれています」とAppleの世界マーケティングのトップ、フィル・シラー(Phil Schiller)SVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)が語っています。「私たちのデベロッパは、アプリを使って世界中の人々を興奮させるような次世代の体験を作り出すことに夢中です。私たちは彼らと一緒に集まって、深く交流できることを非常に楽しみにしています。」
iOS 13の噂
これまでのWWDCでは、毎年一番注目を集めるのはやはりiOSのメジャーアップデートでした。今年iOSは既に13番目のメジャーアップデートを迎えることになるわけですが、昨年のWWDCで発表されtあ現行最新のiOS 12は従来のiOS 11に比べて機能の完全性と安定性の向上が図られていました。今年のiOS 13では、2年ぶりに多くの新しい機能が盛り込まれる予定で、これまでの噂ではダークモードの追加や、iPadで一層進むマルチタスクなどの独自機能が追加されることが予想されています。
ハードウェアの噂・・・モジュラー式のMac Pro?
近年のWWDCでは上記の各OSのメジャーアップデートに関する発表しか行われてこなかったWWDCですが、ここをご覧の読者の方は恐らく多くの方が覚えていると思われるように、まだかのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がAppleのトップだった時代は、WWDCは重要な新しいハードウェアの発表の場でもありました。正直、ソフトウェアの発表だけではやはりあくまでハードウェアを主体としてきたはずのAppleのイベントとしては物足りないものがあります。今年のWWDCでは、もしかしたら昨年から前出のフィル・シラーSVPを含む上級幹部の口から語られていた、あの新型「モジュール型Mac Pro」の構想の発表があるかもしれません。
例年通りストリーミング配信もあり
往年と同様、WWDC2019の基調講演はApple公式サイトや、WWDC専用アプリ及びADC(Apple Developer Center)等でストリーミング配信される予定です。日本では、MacWebcasterで同時通訳が行われます。当ブログでも、できるだけ基調講演を独自視点で中継したいと思っています。
興味がある人はWWDC19に参加してみては?高いけど・・・
また英語ができて興味のあるデベロッパやAppleファンは、現地でWWDCへの参加をすることで、より深い知識を得たり、現地でしか得られない情報や仲間と出会えるかもしれません。Appleの従業員であるエンジニアと仲良くなるチャンスでもあります。ただ、参加費は1599ドル(約18万円)と安くないですし、もし日本から参加するとすれば交通費も必要なので結構な出費になると思われます。しかも、参加できるかどうかは抽選で決まります。さすが殿様Apple様です。申込みは3月20日午後5時までで、その翌日には参加できるかどうかの連絡が来ることになっています。また学生に対してはWWDCスカラシップというプログラムが用意され、今年のWWDC19では350人の学生が無料で参加できることになっていますので、学生さんはこのプログラムを使うのがいいでしょう。
今年はなんとWWDC 30周年!何かあるかな?
特筆すべきは、今年はWWDC 30周年の節目となる年である、ということです。30周年ということで、Appleは何か特別な発表などを行うかもしれません。もしかしたらMac ProがWWDC 30周年記念モデルとして発売されるかもしれませんが、これまでのAppleの周年記念モデルは、iPhone X(iPhone 10周年記念モデルともいえるもの)を除いて商業的にはあまりいい成果を収めていないのもちょっと気になります。例えば、2004年に発売されたMacintosh 20周年モデルのあのスパルタカスとか。。ちなみにこのモデルはAppleに復帰したばかりのスティーブ・ジョブズに記念に送られましたが、窓から投げ捨てられたという逸話もあったりします。
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