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え、スマホじゃない?中国のネット企業最大手TencentのOSがついに実機に搭載!

Tencent_InWatchT_OS_1

中国最大のネット企業の1つ、Tencent(腾讯科技、テンセント)がGMIC 2015で発表したTencentOS(以下TOS)とうとう実際の製品に搭載されて発表された。

しかしそのTOSはスマートフォンでもなく、またスマートハードウェアの開発プラットフォームTOS+でもなく、映趣科技と共に研究開発されたスマートウォッチ、”inWatch T“に搭載されたのだった。

inWatch Tにも三種類が用意される

inWatch Tは映趣科技の一貫した外観デザインを受け継ぎ、伝統的な腕時計の丸いベゼルデザインを採用している。ディスプレイはゴリラガラス3及びサファイアガラスディスプレイがあり、解像度は400×400で、287ppiに達する。inWatch Tの直径は42mmで、本体の厚さは12mm、そしてベルトは交換可能だ。

TencentのTOS搭載のスマートウォッチ、”inWatch T”スペック表

発表イベント上でのPPTのプロセッサは表記ミス、1.2GHz+300MHz デュアルコアプロセッサが正しいはず

Tencentの遺伝子はやはりSNS上にある。InWatch TはSNSに基づいたスマートウォッチであるとTencentも語っている。TOSを搭載したinWatch Tの内部にはQQとWeChat(微信)がデフォルトで導入されており、音声や絵文字での返信やグループチャットなどの機能を備え、Tencentのアカウントでログインすればアクティビティデータなどの記録の一括管理も可能だ。

映趣科技の創業者王小彬は、iFanrの記者の質問に対し、TOSとinWatch Tでは更にプライベートなSNS機能、例えばタッチ機能を使って恋人同士がラブラブな通信を行えるようなものも搭載する、と語っている。

inWatch Tには更に健康に関わるデータ収集と表示が可能なinHealth機能が内蔵されており、歩数や睡眠データを監視するようになっている。そのほかにも、映趣科技は国際脂肪肝専門研究企業Furuiや遺伝子監視測定企業のWeGeneと提携し、ユーザに脂肪肝を管理できる運動や飲食などの健康モニタリングや、遺伝子検査サービスも提供するという。

Apple Watchと同様、inWatch Tは標準モデル、スポーツモデル、そしてデザイナーモデルの3種類から選ぶことができ、販売価格はそれぞれ999元(約19,900円)、799元(約15,900円)、1,499元(約29,800円)となっている(Apple Watchよりも断然安い)。なおinWatch Tは2ヶ月後の2015年8月にオンラインと実店舗で同時発売開始される予定だ。

TOS+の将来の展望は”全てを繋げる”

TencentのCEOポニー・マー(Pony Ma、馬化騰)は、Tencentは過去と現在と未来でずっと2つのことしかやらないといってきた。“コネクト”と”コンテンツ”だ。TOSがGMICで発表されたとき、TencentがOSを作る重点目標はTOS+で全てを”コネクト”することだった。

TOSの製品責任者の文博氏によると、TOS+の将来の展望は以下の4つに集中するという。モバイルペイメント、スマートホーム、身分認証とヘルスケアサービスだ。彼は一つの例を示した。

私たちは外にランニングに行くときは腕時計1つ持って行けばいい。重たいスマートフォンは持たずに。喉が渇いたら腕時計で水を買い、まだ家に帰り着く前に腕時計を経由して家の中のエアコンをつけておくこともできる。家に帰ったら腕時計で身分認証をしてドアを開け、家ではソファの上で休んでいるときに腕時計を見て、今日どれだけ走ったかというデータを見ることができる。

これらの展望を実現するために、Tencentはまずある程度充実したハードウェアとソフトウェアをTOS+のプラットフォームに”コネクト”しなければならない。文博氏はインタビューの中で、Tencentはオープン(オープンソース)戦略をとっていくとしており、TOSをもっと多くのスマートフォンやスマートウォッチメーカー、或いはIoTハードウェアメーカーに採用してもらう予定だという。

画蛇添足 One more thing…

Tencent OSやinWatch T、そして今後のTOS+を搭載したIoTのエコシステムが今後グローバルな展開をしていくのかどうかに注目だが、とりあえずは中国だけになりそうな気がする。それだけでもすごく大きな市場があるからだ。

中国で最も注目すべきネット企業、Tencent、Xiaomi(シャオミ、小米)、Alibaba(アリババ、Alibaba)にはそれぞれの強みがあり、そしてそれぞれがその強みを活かしたエコシステムを作り出そうとしている。競争でいいものを作ってもらえれば、ユーザとしては万々歳だ。

上記の3つの企業+baidu(バイドゥ、百度)は本気で世の中を変えようとしている。ますますコスパがよく便利な世の中になっていくかもしれない。もちろん、最初は中国の中だけが。

記事は以上。

(記事情報元:iFanr

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