先日Appleの2018年Q4(第四四半期)の業績が発表され、Appleの凋落が浮き彫りになったところですが、ティム・クック(Tim Cook)CEOは大中華圏での販売の落ち込みであることをその大きな原因の1つとしていました。
そんな中、中国大陸でiPhoneの価格が下がり始めているという情報が入っています。世界最大のスマートフォン市場、広東省深圳市にある華強北市場を含む多くの卸売業者では、多くのiPhoneの機種の卸販売価格を下げており、その後各販売チャネルの価格も下がり始めました。特に中国のECサイト、例えばTmall(天猫)・タオバオ(淘宝网)やJD(京東)、Suning(蘇寧)などの大手でも、各種iPhoneの販売価格が下がり始めています。
The Paper(澎湃新闻)の記者が多くのECサイトにインタビューをしたところ、今回中国の各大手ECサイトで価格が下げられたのは、Appleの公式な了承を得て行っているという回答だったそうです。ちなみにApple公式での販売オンラインストアでの価格は下がっていませんが。。
あのアリババが経営するTmall(天猫)では、旧正月年賀ギフトセール(春節年貨節、年货节)で、iPhone XSやiPhone XS Maxなどの人気機種に対してキャッシュバックキャンペーンを行っていて、新型iPhoneでも最高で1,500元(約24,000円)の値下げとなっています。
Tmallに出店しているSuning(蘇寧)のフラッグシップストアでは、iPhone XS Max 64GBは元値が9599元のところ、1月13日〜17日の間ではクーポンを使えばそこから1000元値下げとなります。iPhone XS Max 512GBは元値は12799元のところ、同じ条件で1500元値下げとなります。Suningは更に、iPhone XR 128GBは5799元まで下がり、これはApple公式ストアの6,999元に比べて1200元も安くなっていることを強調しています。
JDでは、iPhone 8/8 Plusの価格が3999元〜4799元に値下げされていて、値下げ前に比べてそれぞれ600〜800元の差があります。ちなみにApple公式ストアの価格では5099元〜5999元となっていて、その差額は1100〜1200元となっています。
Appleは今のところ、公式には中国市場でiPhoneの値引を始めたことは明らかにしていませんが、業界内部の人物からの情報によると、ECサイトチャネルでの値下げは、Appleの中国市場での戦略と関係があるとしています。値下げは一時的には多くの人を惹きつけるようになるのは間違いないですが、今後もこのようなことを続けていくと、Appleは公式ではものが売れなくなり、また多くの人が値下げされるまで待つという状況を生み出し、結局ブランド全体としてはよい影響はなく、中国市場に大きなインパクトを残すのは難しいと思うのですがいかがでしょうか?それを考慮に入れても、値下げによるテコ入れをした方がいいという判断だったのでしょうか。。
記事は以上です。
(記事情報元:The Paper)