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Clubhouse完全パクリ中国版WeChatミニアプリ「Clubhorse」が一日でアクセス不可能に!その顛末を馬刺しで偲ぶ。。【たぶんどこよりも詳しい】

昨日2021年2月19日に突如中国・日本界隈で話題になった、Clubhouseの完全パクリ中国版ともいえるWeChatのミニアプリ、その名も「Clubhorse」。2月8日に中国からのアクセスが遮断され新規登録や新規ログインができなくなってしまったClubhouseに代わって中国で広まるかと思った矢先、残念ながらリリースされてから1日でアクセス不能になってしまいましたが、その狂騒曲を肌で感じることができたのでここでまとめてみたいと思います。

なお、中国でClubhouseが規制された件についても、他のどこよりも(当社比)詳しくまとめておりますので、よろしければご覧ください。

またプレジデントオンラインの山谷さんの記事「「いつもと気合の入れ方が違う」中国当局がClubhouseを爆速で禁止したワケ」にもコメントを寄せさせていただき、当方をご紹介いただきました。

中国版Clubhouse、「Clubhorse」はこんな感じだった

まず、もう現在既に新たにアクセスができなくなっている「Clubhorse(略してクラホ?)」ですが、実際はこんな感じでした、というのをスクリーンショットと共にコメントでお送りします。

▼入り方は、WeChat>連絡先>検索>ミニアプリで、clubhorseと検索するとこのように出てきました。アプリの開発元は「微米创想科技(北京)有限公司」。このアプリの開発元についてはまた後ほど。

▼Club”horse”なだけに、馬のアイコンでしたね。ただこのアイコンもNETFLIXのオリジナルアニメ、「BOJACK HORSEMAN」のキャラをパクっていると指摘されています。馬というネーミング以外は何一つとしてオリジナリティがなく。。そんな言葉は開発元の微米の社長や社員の辞書にはないようですw

▼このClubhorseは本家Clubhouseの招待制とは違い、WeChatに登録している人であれば誰でも入ることができました。WeChatの顔写真と名前をそのまま使いますか?と出るので、使ってもいいですし、新たにアイコンをつけたり名前を変えてもOKです。そして入るといきなりこんな感じです。インターフェースからアイコンまで、完全にClubhouseのパクリであることがわかりますね。。

▼左上の虫眼鏡(検索)アイコンで入ってみると、入っているユーザ(メンバー)の検索ができるようでした。ジャンル毎のメンバーに分かれているということになっていましたが、まずジャンルの主題は中国語ですがサブテーマが英語のまま翻訳されておらず。。面倒臭かったのかw そして、どのジャンルのページに入っても同じものが表示されていました。だいたい、自分の興味のあるジャンルを最初から選ぶような画面もなく、実装されてない機能なのにインターフェースだけ真似しちゃったものだから無理が出ていたのかと。

▼Clubhorse内で面白そうな、或いはやばそうなルームを探していたのですが、やはり中国国内サービスということから、Clubhouseのような自由なテーマはありませんでした。。と思ったら、中国では公式に禁止されている仮想通貨のルームが上がってました。これはアカン。。笑 それからこれはソフトのバグと思われますが、ルームのところに表示されている参加者の名前は沢山あるのに、参加者もスピーカーも1人という表示になっているところで矛盾があります。

▼本物かどうかわかりませんが(たぶんほぼ100%ニセモノ)、WeChatの開発元Tencent(腾讯、騰訊)のトップ、ポニー・マー(Pony Ma、马化腾 馬化騰)氏も登場し、ルームを作っていたけど誰も来ていませんでしたw なおルーム名のスペルがtestじゃなくてtsetになっているのもご愛嬌かと。。

▼本物かどうかわかりませんが(たぶんほぼ100%ニセモノ)、小米のトップ、雷軍がなぜかClub”house”について語るというルームもありました。残念ながら参加者は一人だけだったようですw 実際にいくつかのルームに入ってみたのですが、アクセスが集中していたからか、音声が聞こえたり聞こえなかったり、またメンバーが表示されたりされなかったりで非常に不安定で、WeChatで登録している友人との2人のチャットでさえもうまくいきませんでした。

 

▼Clubhorse内で確認できた詳細情報では、このClubhorse自体のサービスとデータが、本家Clubhouseと同じ中国の会社Agoraによって提供されていたことがわかります。もしかしてここからチクられてClubhorseが終わってしまったとか。。?また、プログラムは河南禾码组件というソフトウェアサービスによって提供されていることがわかります。ここがパクリのプログラムを提供したということでしょうか。。

▼Clubhorseの中でアクセスできた情報では、2019年1月3日に”微圈IM”という名称から”微圈Live”に、そして、2月18日に”微圈Live”から”Clubhorse”に名称変更したことが履歴でわかっています。つまり、インターフェースが以前は同じだったかどうかわかりませんが(恐らく全く別だった)、このClubhorseは同じ開発元の何らかのミニアプリから引き継がれた、ということになりそうです。

▼プライバシーポリシーの日付を見ると、2月2日に準備されていることがわかります。ただこれは上記の”微圈Live”のものを流用した可能性もなきにしもあらずです。なお冒頭に開発者が収集する個人情報については、今のところ収集しない、となっていますがなぜかポリシーは定められているというわけのわからない状態でした。笑

Clubhorseの開発元、微米创想科技(北京)有限公司はこんな会社

天眼査の結果だけで申し訳ないですが、こんな情報が出てきています。

▼微米创想科技(北京)有限公司の登記情報。

 

Clubhorse、Clubhouseよりも有利な点と欠点

Clubhorseは明らかにClubhouseのパクリなわけですが、Clubhouseと比べて有利な点と欠点が混在していました。整理すると以下の通りです。

有利な点

欠点

Clubhorseをとりまく状況の変遷を時系列でご紹介

中華パクリミニアプリ「Clubhorse」ですが、ご存じの通り、記事更新現在(2021年2月19日)はアクセスすることができません。どのような状況の変遷があったのか、その顛末を時系列でご紹介したいと思います。

私が確認できたのはここまでです。

Clubhorse死亡、その経緯を画像(馬刺し)で追ってみよう

というわけで上記の昨日2月19日日本時間19:40のClubhorse規制開始からの時系列を、画像入りで追ってみましょう。Clubhorse死亡の生々しい記録です。。まだ昨日のことです。。これらの画像は正に馬刺し。美味しい馬刺しを楽しみましょう。。笑

Clubhorseの馬刺しのお味はいかが?

Clubhorseが果たしてサラブレッドだったのか、駄馬だったのか、、今となってはよくわかりませんが、上記のハフポストの記事で高口さんがインタビューに答えて言っているように、このような音声SNSサービスは中国で根付くのは難しいと思われます。文字サービスに比べて膨大なインフラへの投資が必要となり、その上中国では検閲やデータの保存などが義務づけられるため、ますます難しくなるからです。

更に、前出の中国国内のメディア凤凰新闻网にも指摘されているように、似ているとかのレベルではなく完全に丸パクリであって、これはさすがに中国国内でもなかなか難しくなっているということもいえそうです。とはいえ今中国で盛んになっているWebサービスのうち、殆どがパクリからスタートしていたことも事実です。例えば百度はGoogle、Taobao(淘宝)はeBay、WeChatと同じTencent開発のQQの前身OICQはICQ、などなど。。ただ元はといえば日本だって自動車や食品などのデザインもパクリが非常に多かったのです。中国も今後はパクリから抜けだし、GFWの保護を受けつつも、模倣した相手を更に超えて便利なサービスを提供していくことでしょう。今回Clubhorseが乗っかったWeChatなんかは完全にその一例で、機能はLINEよりも断然に便利にわかりやすくなっています。

今後また中国でどんなClubhouse模倣が出てくるのか、またClubhorseの復活はあるのか。。面白そうですね。生暖かく見守っていきたいと思います。

最後に、Clubhouse上で立ち上げたClubhorseってどうよルームで、Clubhorseに関する情報を寄せていただいたスピーカーの皆様に深く感謝申し上げます。

記事は以上です。

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