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今日のAppleの歴史:スティーブ・ジョブズが忍者の手裏剣を機内に持ち込もうとして関空の安全検査で引っかかる

9年前の日本時間2010年9月15日、日本の関西国際空港のセキュリティ検査が、あのAppleの共同創業者、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)の通行を制止しました。その理由は、日本での夏休みの休暇を終えたスティーブ・ジョブズが米国への帰りの便で、飛行機にあの忍者が使う飛び道具、手裏剣を持ち込もうとしたから、というのです。

これはジョブズについてかなり面白いエピソードですが、Appleは会社として、このことは「純粋なフィクション」として完全否定する声明を出しました(とはいえ、夏にスティーブ・ジョブズCEOが日本で休暇を取っていたことは認めました)。

日本のSPAでもとりあげられる

この「ジョブズの忍者大好きストーリー」は、Bloombergと日本のタブロイド誌であるSPAが採り上げ、当時話題となりました。関空のセキュリティ検査官が機内持ち込み手荷物の中に手裏剣を発見したため、ジョブズの通行を阻止したというのものでした。このストーリーは空港職員と日本の運輸省内からの匿名の情報筋から証言を得たとされていました。それに対し関空のスポークスマンは、このストーリーが発生したことは認めましたが、そこに関与した個人が誰なのかを特定することはしませんでした。

雑誌などでは、スティーブ・ジョブズは彼らしく空港職員に対して、「自分自身のプライベートジェットを乗っ取るのは意味がないだろう?だから私には通常の規則を適用すべきではない」と主張したといい、「もう二度と日本には来ない」と言ったというのです。確かに、規則を守ることが嫌いだったジョブズらしい発言ともいえるでしょう。

Apple社自身はこの出来事を否定し、このように述べています。「スティーブはこの夏、京都での休暇のために日本を訪れましたが、空港で説明された事件は純粋なフィクションです。スティーブは素晴らしい時間を過ごし、すぐにまた日本を訪れたいと思っています。」

日本が大好きだったスティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズは生涯にわたって日本に対する愛情を抱いていて、そして頻繁に日本を訪れていました。

日本への愛は、まずジョブズは禅を学んでいて、新潟県出身の曹洞宗僧侶、乙川弘文(おとがわ・こうぶん、1938~2002年)から指南されています。1997年から2011年まで、Appleに返り咲いたジョブズが着用していた、日本のデザイナーズブランドISSEI MIYAKE(三宅一生)の弟子で、当時31歳の高橋悠介さんにデザインを特注していたタートルネックシャツは、日本のソニーの工場で着用されていたユニフォームに着想を得ていました(私もそのものではないのですが、新宿伊勢丹のイッセイミヤケでいわゆる”ジョブズT”を大量購入して秋冬は着ていた時期もありました)。またジーンズもLEVI’Sの501シリーズデニムのみを着用し、履き物もNEW BALANCEの990シリーズに統一するなど、彼独特のファッションは禅僧や禅寺、そして禅の精神からインスパイアされた、ジョブズなりの「作務衣」だったのではないかといわれています。

ジョブズは日本食も大好きで、シリコンバレーにある寿司屋Jinshoの常連でした。 またジョブズはしょっちゅう日本を訪れては、職人の手作りによる陶器などを収集していたといいます。

スティーブ・ジョブズが忍者が好きだったかどうかは定かではないですし、手裏剣をプライベートジェットに持ち込もうとして制止された話が本当だったのか、今となってはそれが真実であったかの確認をとる方法はありません。ただ、日本文化をこよなく愛し、高品質の素材で美しくデザインされたモノが好きで、実際そういったものを作り出していたジョブズの目には、手裏剣も魅力的に映ったのかもしれません。そしてジョブズは規則は自分には適用されないとしばしば考えそのように行動していたことから(例えば子供を認知しない、障害者用の駐車スペースに自分の車を停める、自動車は新車のリースを繰り返してナンバープレートを付けないようにしていた等々)、この手裏剣エピソードも全くのフィクションでもなさそうな気もしますね。

記事は以上です。

(記事情報元:Cult of Mac

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