Appleの今年秋に発表されるとみられる新型iPhoneに搭載されると予想される、次世代モバイル端末向けSoC、Aシリーズの「A12チップ」。このA11 BIONICチップの後継とされるA12チップがGeekBenchのベンチマークスコアに早くも登場しています。現在は既に7月ということで、9月に発表されると思われる次期iPhoneのテストが行われていてもおかしくない時期ではあります。アップされたのは6月27日で、まだ閲覧数が記事更新時点で多くないので、あまりニュースになっていないようですね。
モデル番号がD321AP、メモリが4GBに増えている?クロック数は微増
まず、このベンチマークスコアに使用された機種に注目すると、iOSバージョンがiOS 12.0、モデル番号がiPhone 11,2、マザーボード(モデル番号)がD321AP、6コア、そしてメモリが4Gとなっています。それぞれ最新のものになっており、メモリもiPhone X/iPhone 8 Plusが3Gなのに比べ、増えていることになります。これはマルチタスク派には嬉しいことですね。ただ、このモデルの正式な名称はわかっていません。iPhone X Plusなのか、iPhone X 2なのか、はたまた6.1インチLCD搭載モデルのiPhone X SE?なのか。。恐らく前者の2つのうちの1つと思われます。
クロック数は2.49GHzとなっており、A11 BIONICチップは2.39GHzのため、クロック数だけ見ればそれほど変わっていません。
A12チップのCPUベンチマークスコアはA11から微増レベル
それでは、GeekBenchにアップされたA12チップのCPUスコアから見てみましょう。
ベンチマークスコアは、シングルコアスコアが4673、マルチコアスコアが10912となっています。A11 BIONICチップの平均スコアが、シングルコアで4,200、マルチコア性能が10,400くらいと考えれば、CPU性能は微増レベルに留まったといえるでしょう。まあ、実際CPU性能はこのくらいあれば十分かもしれません。
A12チップのGPUベンチマークスコアはA11から激増、45%近くアップ
そして特筆すべきはGeekBenchにアップされたA12チップのGPU(グラフィックプロセッサユニット)性能です。
なんとスコアは21,691。現行最新のA11 BIONICのGPUスコアが約15,000なので、約45%性能がアップしたことになります。これはとんでもない性能アップだといえるでしょう。
またGPUベンチマークの結果では、デバイスネームにApple A12 GPUと明記されています。
データが本物である保証はないが、概ねAppleの方針に合致しているかも
A12チップは台湾TSMCの7nmプロセスで製造されているといわれ、A11 BIONICチップは10nmプロセスとチップ自体の製造プロセスも微細化しており、CPU性能ももう少し上がってもよさそうなものですが、微増レベルに留まっているところがちょっと眉唾な感じもします。
とはいえ、GPU性能がこれだけアップしているということは、今回のA12チップはGPU性能の向上に重点が置かれたということになりそうで、これはAR/VRの機能の強化というAppleの目論見を見事体現しているといえます。
ただ、昨年もA11チップとみられるデータが事前に登録されましたがフェイクだったこともあり、もしかしたらこのデータも本物ではないかもしれません。
記事は以上です。