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Apple、またもパテント・トロールに狙われる。Unilocが3つの特許侵害で訴訟

Patently Appleによると、”特許受託会社”と名乗るUniloc社が、先週金曜日にテキサス州の地方裁判所で3つの特許についてAppleを起訴した。その3つの特許とは、

  1. バッテリー技術(特許No. 6,661,203)
  2. AirPlay(特許No. 6,580,422)
  3. 自動電話発信(特許No.7,092,671)

そして特筆すべきは、この3つの特許はかつてhp(ヒューレット・パッカード)と3Com社のものだったということだ。

バッテリー技術特許(特許No. 6,661,203)について

ではまず特許番号No. 6,661,203の「高温環境下でのバッテリーの充放電を改善する方法」の技術特許を見てみよう。

これはhpが2001年、初めてこの発明特許を出願した。電流を制限することでバッテリーの過熱を防ぎ、バッテリーの使用寿命を延ばすというものだ。

そしてUniloc社はAppleのiPhone、iPad、iPod、Apple Watch、そしてMacBook製品ラインが全てセンサーでバッテリーの温度を測定する技術を採用していることから、同社が保有するNo. 6,661,203の特許を侵害しているというのだ。

 

AirPlayに関する特許(特許No. 6,580,422)について

次の特許No. 6,580,422は、AirPlayと関係があるという。「無線によって接続しコンピュータディスプレイで図形データを伝送する」という技術だ。これもhpが1995年に最も早くこの特許を出願した。その中には、無線信号によって遠隔のディスプレイに図形やコマンドを送る方法が詳細に記述されているという。

Appleは2004年に無線伝送技術のAirTunesをリリースしたが、その後このコンテンツ伝送プロトコルが2010年にアップデートされ、画像と動画を送れるようになり、そして正式にAirPlayと名称が変更された。今のところ、Appleはこの技術を”モバイルデバイスから大画面へデータ転送する”というApple TVのソリューションで使用している。

 

自動電話発信に関する特許(特許No.7,092,671)について

最後の電話発信に関する特許(特許No.7,092,671)は、「1台のパーソナルデバイスに保存された記録から自動的に1つの電話番号に発信する無線システムと方法」だ。つまり、連絡先リストに保存された番号に自動的に電話をかける方法で、AppleのデバイスでもSiriなどで検索して電話を自動的にiPhoneでかける際などに使用されている。

ちなみにこの特許は現在は存在しない電子機器やネットワーク機器のハードウェアを扱っていた3Com社が2000年に出願した特許だ(そして同社はhpに2010年に買収された)。

 

訴訟を起こしたUniloc社はやはりパテント・トロール

Patently Appleによれば、今回この3つの特許についてAppleを起訴したUniloc社はやはりパテント・トロール(Patent Troll、日本語では特許ゴロ)で、パテント・トロールとは実際に自社では使用・製造・販売していない特許や技術について、大会社に対して訴訟を起こすことで飯を食っている会社・個人のことを指す。

3つの特許が全て古い特許であることからも、なぜ今このタイミングで?と人々に思わせるには十分だ。

ちなみにこういった電子関係のパテント・トロールの特許訴訟は殆どがテキサス州の地方裁判所で起こされていると言われている。それは、テキサス州がいわゆる特許管理だけしているようなペーパーカンパニーを設立しやすい環境(正にパテント・トロールの温床)であることや、そのことに起因してテキサス州の地方裁判所ではそのような小さい会社が勝訴した判例があることから、その方面に強い弁護士が多かったり、また裁判官も自らの地方の会社に有利な判決を下す傾向にあるからだろう。

テック系製品に関しては特許だらけで、狙われるのは訴えるとお金が取れそうな儲かっている大企業ばかりだ。そしてAppleは世界最高の市場価値を持つ会社となってしまったため、当然のことながら大いに狙われてしまっている。もちろんマイクロソフト(Microsoft)も然りである。これらのテック系の大企業は、常に小さいところからの特許訴訟を抱えているといっても過言ではないだろう。しかしこれらの訴訟にかかる費用でApple側が負担したものは、最終的には私たち消費者が製品代(一部ではお布施などとも呼ばれているが。。笑)として支払っている中から負担していることになる。

パテント・トロールも一種の商売なのだろうが、もっと生産的なことに資金と精力を使ってほしいものだ。。

記事は以上。

(記事情報元:Patently Apple

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