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やはり第2世代に期待?医療の専門家の視点から見るApple Watchとは

Apple Watchは、医療の世界に貢献することが医者や医療業界からは求められているようだ。しかしそこには危険性が孕んでいる。

現在、市場では大多数のスマートウォッチが、パソコンやスマートフォンの”付属品”として販売されている。しかしAppleのやり方はそれと少し違うようで、先月新たに発表された「Apple Watch」でAppleは一種のファッションアイテムを作り上げようとしており、同時にヘルスケアや通信機能を兼ね備えたものにしようとしている。

事実、一種類の製品の中に3つもの製品の機能を入れることは容易なことではないが、スティーブ・ジョブズがいた頃のAppleはiPodからiPhoneに切り替わった時代にそれを成し遂げた(携帯電話+iPod+インターネットコミュニケーター)。
しかし一部の人達は初代Apple Watchが徹底的な革新と変化をもたらしてくれるかについて懐疑的な見方をしている。

そんな中、Apple Watchの目玉機能の1つとして紹介されたヘルスケア機能について、専門家はどう捉えているのだろうか。以下は中国のニュースサイトWeiPhoneの記事から、意訳も交えて紹介したい。

一人の権威的な医者の高度な専門的見解

Robert Pear博士は執刀資格認証を持つ整形外科医で、米国スタンフォード大学の教授であり、更にPermanente医療グループのCEOでもある。この著名な医師が数日前に、≪Forbs(フォーブス)≫上でコラムを書き、Apple Watchに対する見解を発表した。彼は全体的にこのスマートウォッチの詳細な評価をしたわけではなく、専門的な視点からApple Watchのヘルスケアとそれに関する機能について述べている。

“私は一人の医者として、また医療保険の指導者の立場から、AppleのApple WatchはiPhoneやiPadと同じく、またもや世界に巨大な衝撃を与えるだろうとみている。しかし、Apple Watchはユーザだけに健康データを提供するのではなく、医者側にも医療サービスをもっと便利にする方法を提供することで、最終的に患者さんが自身の健康の目標を実現できるようになるべきだと思う”

AppleはApple Watch 2(第2世代Apple Watch)で何をするべきか?

このようにPear教授はApple Watchに医者とユーザ側の間にもっと機敏で便利なコミュニケーション方法を確立して欲しいと願っている。例えばユーザが健康に関する何らかのシグナルを発したとき、Apple Watchはユーザに対し、どのような状況下ですぐに医者に連絡するべきかを伝えることができるというような。このような機能は特殊疾患や心臓病患者にとって非常に重要なものとなろう。

Pear教授は更にApple Watchが正確に病気を抱えるユーザの身体の健康状態を算出し、その結果健康的に薬を投与できるようになるのを期待している。当然、これらの提案は、十分正確に且つ安全に科学的な医療データが確立されているもの、という仮説の元にされている。その他にも教授は”次世代のApple Watchでは、専門的な医療サービスにもっと注目して欲しい。そうすることで病気や疾患の医療問題に対して引き続きフィードバックがなされるからだ”と特に強調している。

ユーザから信頼されるか、それが問題

“クラウドコンピューティングはApple Watchが進むべき道ではない”とPear教授は述べている。人々は個人情報をクラウド側に置きたいとは考えていない。最近ハリウッドセレブ女優や有名歌手達のヌード写真がiCloudから漏洩した事件は、少なからぬ人々にクラウド保存のセキュリティ(安全性)に対して不安を抱かせたのは間違いない。事実、多くのアメリカ人がパーソナルな医療情報をクラウドに保存するのを望んでいないために、Google(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト)といった巨頭でさえ、医療クラウドコンピューティング事業を既に放棄している。Appleはユーザの信任を得てその壁を越えられるだろうか。

当然、Appleはユーザのプライバシーを守ることについてはその態度を曖昧にはしていない。ユーザのデータを守るために、Appleは”HealthKitフレームワーク”を採用、医療アプリのプログラムがユーザの医療データをクラウドに保存することを許可していない。またもう1つのセキュリティ対策として、デベロッパーにはユーザのデータを共有できないようにしている。ただし、医学研究用や、権限のあるユーザはその対象から除外されるという。

最後にPear教授は、自身のApple Watchに対する見方をこう締めくくっている。”Apple WatchはAppleが医療市場に向けて堅実に踏む出す第一歩だ。しかしこれは本当にただの一歩目に過ぎない”。

画蛇添足:”医学研究・権限のあるユーザは特権がある”ところからほころびが出そう

Pear教授が求めるような専用の医療機器であれば、別に腕時計である必要はないのではないかと思う。。だいたい腕からとれる情報なんて恐らくたかがしれている。もっと心臓に近かったり、大動脈に近かったり、体内の信号をもっと敏感に感じ取れるデバイスであってもいいはずだ。

モノのインターネット化(IoT)によって、様々なウェアラブルデバイスが今後も登場するだろう。ファッションウォッチでありながら高度な医療用品でもあるというのは何だか変な気がする。だいたい、ラグジュアリーでファッショナブルなイメージづけをしたい”Apple Watch”を身につけるような人が、そんなにいちいち健康のことを気にしているだろうか?いや、しているかもしれないが。。個人的にはAppleが機能を詰め込むために逆にユーザを選び間違っているような気がする。

それに、セキュリティも抜け穴がある。そう、上記の「医学研究用や、権限のあるユーザはその対象から除外される」という部分だ。もし万一悪意のあるユーザがその権限を得てしまったら。。恐ろしいことになる。それこそ、ユーザの弱点が全てさらけ出されることになるのだから。Apple Watchからその時のユーザの健康状態では大きな副作用が出るような薬を飲むような指示を出して、その人の調子を悪くしたり、ひいては殺したりことだってできてしまうかもしれない。そんなことが現実に1件でも起こったら、映画にでもなってしまいそうだ。

Apple Watchに求められているのはそもそも”専門的な医療補助機器”の機能なのだろうか。私個人的には何だか違うような気がしてならない。そして初代Apple Watchは何とも中途半端なデバイスになりそうな予感がする(もう既に、発表されてしまっているわけだが)。Apple Watchはもう発表された時点から、次世代に期待という感じがしている。

しかしAppleのデバイスはこれまでもそんな感じで、初物は色々と問題があったり、物議を醸すのはつきものだったりする。いずれ、方向を修正してまともな方向に行ってくれると信じたい(そしてその気持ちが裏切られることのないよう祈りたい)。

記事は以上。

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