日本時間6月6日未明に行われたApple主催のWWDC17(世界開発者会議)基調講演で発表された、新型iPad Pro 10.5インチモデル。この新型iPad Proは、前作のiPad Pro 9.7インチよりもかなり強力なスペックとなっていて、全く新しいSoCのA10X Fusionチップを搭載し、M10コプロセッサも入っています。そして中国のベンチマークアプリ「Antutu(安兔兔)」のメーカーである同名のAntutuが、そのベンチマークスコアを公開しています。
AppleのiPhone 7/7 Plusに搭載されているA10 Fusionは4コアでしたが、まず64bitアーキテクチャのA10X Fusionは6コアとなっています(ただし具体的なコアアーキテクチャについては、Apple公式ではまだ明らかにされていません)。コアの数についても既にA10X Fusionの優勢は目に見えていますが、ではAntutuのベンチマークスコアは一体どのくらいなのでしょうか?
ベンチマークアプリ「Antutu」で得られたデータによれば、A10X Fusionの総合ベンチマークスコアはなんと20万を超え、23万4,082となっています(注意:1回のベンチマークの結果のみ)。ちなみにiPhone 7/7 Plusに搭載されているA10 Fusionチップの総合スコアの平均は18万前後で、また5月の時点でその他の全てのモバイルチップで20万を超える性能のものは存在しませんでした(そしてこれまで総合性能ではA10 Fusionチップが最高でした)。
というわけで、AppleのiPad Pro 10.5インチモデルに搭載されたA10X Fusionチップの実力はやはり並外れたもので、現在のところモバイル向けチップとしては世界最強、地上最強ということがいえそうです。
A10X FusionチップのAntutuのベンチマークスコアは以下の通りです。
- 3D性能:93,546(ほぼ10万)
※ちなみにSnapdragon 835は7.2万程度、A10 Fusionは5.6万 - シングルコア性能:21,280
- マルチコア性能:19,941
- UX性能(データセキュリティ、データ処理、画像処理、I/O性能等の総合デバイス評価):61,042
この爆速SoCによって、3Dをぐりぐり使ったようなゲームでも非常にスムーズに動くと思われます。なぜなら、現在のところこれよりいいチップはないわけですからね!
これまで最強といわれていたApple自身のA10 Fusionや、Qualcomm Snapdragon 835も、A10X Fusionの前では秒殺されてしまうレベルということになりそうです。
なお、WeiPhoneによれば、A10X Fusionチップは6コアですが、そのうち3つが高クロック周波数、残りの3つが低クロック周波数の組み合わせとなっていて、CPUは12クラスタとなっていて、A10 Fusionチップの倍となっているそうです。またGeekBenchによれば、iPad Pro 10.5インチは4GBのメモリを搭載しているということで、オンラインApple Storeからは姿を消した1世代前のiPad Pro 9.7の2GBに比べて倍になったことになります。そして動作クロックは2.36GHzとなっています。
なお、GeekBenchによるA10X Fusionチップのベンチマークスコアは以下の通りです。
ただ、GeekBenchではコア数は3コアになっていますね。。
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