AppleはiPhoneやiPadに今後どんなイノベーションをもたらすのだろうか?もしSF映画に出てくるような、巻物のような透明でペラペラのスクリーンのモバイルデバイスになったとしたら、どうだろう?そしてこれは空想でも冗談でもない。なぜならAppleが最近取得した特許の中に、そのようなデバイスがもしかしたら将来実現するかもしれないものがあったからだ。
Apple、「伸縮可能なディスプレイを搭載したデジタルデバイス」の特許を取得
Patently Appleによると、USPTO(米国特許商標庁)が本日公開したAppleが取得した特許出願書の中に、「伸縮可能なディスプレイを搭載したデジタルデバイス」という標題の特許があった。標題だけ見るとなんだかよくわからないが、下の図を見れば一目瞭然だ。そう、SF映画に出てくるような巻物デバイスなのだ。。(または忍者が使っている忍法帖。。笑)。
2つの筒状のシャーシと伸縮・巻き取り式ディスプレイ搭載
このデザインでは、デバイスは2つの非常に細長い筒状のシャーシと、その中に収納可能な伸縮式或いは巻き取り式のディスプレイ、そしてプロセッサユニット、カメラやその他のユニットとなっている。これまでのAppleデバイスと同様、このデバイスのシャーシはアルミ一体型成形或いはその他の適した材質で形成されており、その素材にはガラス、セラミック、繊維複合材料やプラスチックも考慮されている。
スピーカーやカメラも左右に
一部の電子部品、例えばマイクやスピーカーなどは、左右のシャーシの開口部、MacBook やMacBook Proのスピーカーのような細かい穴を開けたところに配置されている。
この特許ではカメラを片方或いは両方のシャーシにつけることが可能とされている。面白いことに、この特許のデザインでは左右のカメラがかなり離れたところに設置されており、立体的な画像の撮影をするには理想的な位置になっている。
シャーシにはディスプレイ巻取り装置も
また特許の標題につけられたとおり、この特許デザインは正に収納可能な伸縮ディスプレイのために設計されたようなものだ。左右の細長い筒状のシャーシには、巻取り装置が設計されている。つまりディスプレイはフレキシブルとなっているのだ。またその巻取り装置は中空になっていて、そこにロジックボード、メモリ、振動用モーターなどのその他のユニットを組み込むことができるようになっている。
短期的には実現は不可能だが、将来的にはリリースされる可能性も
ただ現在のAppleのデザインテーマや現在の技術レベルでは、この特許に描写されたデバイスは、短期的には実現不可能と思われる。またデザインが先進的なだけではなく、ハードウェアのサプライヤーについてもAppleにとっては乗り越えなければならない難関だ。次世代iPhoneに搭載されるといわれている有機ELディスプレイの調達の供給も逼迫している中、特許に描かれているようなフレキシブルディスプレイは更に供給が困難であろうと思われる。
ただ、時代は常に進化している。現在我々が使っているスマートフォンのディスプレイも、「曲面ディスプレイ」の実現が可能になってきた。10年ちょっと前にスマートフォンがデビューした頃は誰がそんなことが実現できると思っていただろう?つまり、巻物のような透明フレキシブルディスプレイデバイスが出現するのも、絵空事ではなくなってきたということだ。
画蛇添足 One more thing…
しかしこのデバイス、ディスプレイや巻取り装置の強度が気になる。。ちょっと曲げたり引っ張ったりするだけで壊れたり抜けたりするようだと、実用的ではない。またフレキシブルディスプレイも柔らかすぎると持ち歩いて使いづらい。もちろん、あとはバッテリーの持ちなども気になるところ。この辺りのユーザビリティをAppleがどこまで洗煉されたレベルまで持って行けるか、楽しみだ。
記事は以上。
(記事情報元:Patently Apple)