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イノベーションの旗印はAppleの足かせになっている

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Apple Watchが発売された今、Appleの次のイノベーションは一体なんだろう?恐らく、現在噂になっているApple Carがその最有力候補だろう。なぜなら既に多くのメディアや事実がApple Carプロジェクトの存在を証明しているからだ。しかし本当にApple Carがリリースされるまでには、まだまだ長い時間がかかることになりそうだ。ではApple Carの後は?もしかしたら我々は更に数年待たなければならないかもしれない

この記事は中国のメディアWeiPhoneによるものだ。

Appleのイノベーション

イノベーションという”後光”

「1984年、私たちはMacintoshを発表しました。あれはAppleを変えただけではなく、コンピュータ産業そのものを変えました。2001年、私たちは初代iPodを発表しました。あれは我々の音楽を聴くやり方を変えただけではなく、全ての音楽産業を変えました。。。」このAppleの共同創業者で当時のCEO、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が2007年初代iPhoneをリリースするための発表イベントで話したこの言葉は、もしかしたらまだ多くの人の記憶に刻まれているかもしれない。なぜなら、この言葉がAppleが創立時から今までずっと保ち続けているスピリット、【イノベーション】を見事に代弁しているからだ。

その場で発表されたiPhoneは、最終的には世界の電子デバイスそのものを変え、ジョブズが言ったとおり「革命的なモバイルフォン」となったのは誰でもご存じの通りだ。

Appleのイノベーション神話は2010年のiPadがリリースされた後頂点を迎えた。なぜならiPadはもう一度【全てを変える】ことに成功したからだ。既に成功していたiPhoneで世界中から知られ注目されていたAppleが、iPadの出現によってまさに【イノベーションの王者】となったのだ。しかしジョブズが2011年にこの世を去った後、Appleのイノベーションが停止しているという言い方がなされるようになってきた。なぜなら一部の人の目には、Appleは毎年少なくとも1回は世界を変えるべきだと考える人がおり、そして毎年1回はiPhoneやiPadのような革命的な製品をリリースすべきだと考えている人さえいるからだ(これまでのAppleだって数年、または十数年に一回イノベーションを起こしてきたにすぎないのにも関わらずだ)。

Apple Watchが2014年の秋にリリースされた時、Appleはもうイノベーションをやらないのでは?という声が大きくなった。そのような声は、Appleが新しい領域に踏み出し、そして世界を変えてしまうような製品をリリースするまで、恐らく将来的にも発生していくだろう。パーソナルコンピュータ、ミュージックプレイヤー、携帯電話からタブレットデバイスまで、そしてポストジョブズ時期にスマートウォッチが出現したからといっても、【イノベーション】がAppleがこれまで常に貫いてきたことであることには変わりがない

人々の心に深く入り込む

Internet of Things…IoTと略される、一般人にとってはあまりなじみのない領域がある。このIoTが現在スマートホーム(スマート家電)やスマートオフィスの業界で改革・変革を起こしつつある。ますます多くの家具やオフィス設備や用品がWi-FiまたはBluetooth(ブルートゥース)によってインタラクティブに通信ができるようになっている。IoT業界の中で比較的有名なのは、AppleのiPodの父といわれるトニー・ファデルがApple退社後に新しく作ったブランド、Nestの温度制御装置(サーモスタット、恒温器)だ。

そしてとある最新のネット調査によると、なんと半分以上のネットユーザがAppleが最大のIoT企業だととらえているという。事実上Appleは1つもIoTデバイスを自社でリリースしていないにもかかわらずだ。

それ以外にも、最近Apple Carの噂が立ち上ったときに、多くの人がApple Carは現在の自動車業界に革命を起こすと信じて疑わなかった。そんな人の中には、いずれApple Carの潜在的ライバルになると思われる人達も含まれる。例えばフォード(Ford)のCEO、 マーク・フィールズ(Mark Fields)も。フィールズは最近の財務レポートで、伝説のApple Carについて触れたときにたまらずこんなことを言っている。「もしAppleがこの業界に入ってきたら、きっと天地がひっくり返るような改革をやるだろう

実はApple Watchがリリースされる前に、Appleよりも先にスマートウォッチをリリースしていた韓国企業のLGは、もしAppleがこの業界に入ってきたら、Appleがスマート・ウェラブルデバイス業界のトップになるだろうとみていた。【イノベーション】をずっと続けてきたAppleにとっては、素晴らしい旗印を手に入れたことになる。何しろ人々は何らかのデジタルデバイスのジャンルにイノベーションを求めるときに、まず考えつくのがAppleだからだ。

しかしこの【イノベーションの後光】はあまりに重すぎ、Appleにとってもいいことだらけではないはずだ。

Apple=イノベーションの代名詞、Appleにとって宝物か足かせか

【イノベーション】はAppleにとって宝物なのだろうかそれとも足かせなのだろうか?もしくは両方ともだろうか?Appleの創業から現在まで、【イノベーション】という言葉は既に自身のDNAに深く刻まれ、彼らの製品とサービスは基本的にこの【イノベーション】という言葉という囲まれて打ち出される。しかしAppleがまだイノベーションを起こせるにしても、毎年全く新しく世界を変える製品をリリースすることはないだろう。なぜならそれは不可能であるし、またその必要もないからだ。

もしAppleがApple Watchをリリースしていなかったら?現在Appleを批判する声はますます高まっていたはずだ。ただし、Apple Watchは現在非常にAppleにとっては”恥ずかしい”地位にあるといえる。Apple Watchへの注目度は以前のメディアやファンなどが想像していたほどではなくなってしまった。Apple Watchは同類の製品の中では優れた製品であることは間違いないものの、Apple Watchが全てのスマートウォッチやウェアラブルデバイスの産業を変えてしまったかといえば、それをいうにはまだ時期が早すぎると言わざるを得ない。

現在の各テック業界の大企業の中で、Appleが最も世界的に注目を集めているのは紛れもない事実だ。これはさながらAppleの一挙手一投足が毎日世界中から注目を浴びているといっても過言ではない。もし今年の秋、9月にリリースされる予定の次世代iPhone、【iPhone 6s】が批判を浴びるようなことになれば、【イノベーション】はAppleの足かせになる。事実上、この【イノベーションの後光】はあまりに明るすぎて、Appleがうっかり何らかのミスをすることでありとあらゆる叱責やツッコミを入れられてしまう状況にある。

画蛇添足 One more thing…

Appleのイノベーションも、これまで全てのイノベーティブな製品が現れた瞬間にすぐに世界を変えてしまったわけではない。Appleといえどもこれまで一気に世界を変えたのはMacintosh、iPod、iPadくらいではないだろうか。

その他のApple製品は、初代は確かにイノベーティブに見えるが製品そのもののできがあまりよくなく、その後世代を追うごとに改良を繰り返し、じわじわとシェアを広げるにつれ、世界を変えるに至った。

現在Appleの利益の殆どを稼ぎ出すiPhoneも、初代は日本では発売されていないため日本での知名度は高くないが、世界中で多くの人にツッコまれるほど、iPhone OSではコピペもできないし、App Storeもまだなかったため自分でアプリは入れられないいまいちなデバイスだった(私は中国で使っていて非常に便利に使わせてもらっていたが)。iPhoneが完全に世界を変えたと感じたのは第4世代のiPhone 4からくらいだ。

上記の元記事では触れていないが、MacBook Airなども初代は非常にスペックが低く、使いにくいデバイスだった。現在は非常にレベルが高くなり、こぞって他のメーカーがそのフォルムに影響を受けてデザインを変更したイノベーティブなデバイスといっても異論は少ないだろう。そして時代の流れがretinaになり、そのスピリットは新しいMacBookに受け継がれた。

最新デバイスのApple Watchも、現在の初代はペアリングしたiPhoneに頼りっきりの中途半端なデバイスだが、2世代目以降にはそのあたりが改善される予定だ。そうなったら爆発的に普及する可能性もなくはない。

Appleはイノベーションの旗印があまりに先走りすぎ、人々の期待を過剰に受けている状態なのだろう。これまでの経験も考慮しつつ、もう少し温かい目で見た方がいいような気がする。とはいえ、やはり期待してしまうのは。。これまでお布施をしまくってきたから、だけではあるまい。スティーブ・ジョブズの影という説もあるがそれについてはまた今度。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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