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STOP!リンゴループ活動に賛同します。容量いっぱいのiPhoneをアップデートするとリンゴループに陥りデータが救出できない問題

最近、iPhoneをストレージをほぼいっぱいまで使い切ってからiOSアップデートを行うと、いわゆる「リンゴループ」に陥ってしまう問題が多発しています。そしてそのリンゴループを抜け出るにはデータを消去する復元が必要になっていることが、ユーザのデータ保護という観点から非常に大問題といえるのではないでしょうか。

容量いっぱいになったiPhoneをアップデートするとAppleロゴループ(リンゴループ)状態になり、修復やデータ抽出不可能になる問題の詳細

具体的には、iPhoneの内蔵ストレージのデータ容量の空き領域が少ない状態で手動でiPhoneのiOSアップデートしようとしたり、またはiOSアップデートを自動に設定していて、夜中に自動的にアップデートが行われると「iPhoneをアップデートできませんでした。不明なエラーが発生しました。(14)」などのエラーメッセージが表示され、Appleロゴマークが表示されたままの状態になって、使用不能となる問題です。

写真:スマートフォン研究所さんより

この障害が発生すると、iOSの起動や、iPhone内に格納していた写真や動画などのデータ抽出ができなくなる、という事象が生じています。

発生条件

iPhone 11,iPhone XR,iPhone XS,iPhone SE,iPhone 8,iPhone 8 Plus,iPhone 7,iPhone 7 Plus

iOS13.5.1 (2020年6月1日 公開)、iOS13.6(2020年7月15日 公開)

※それ以前のバージョンで発生していないということは、この2つのバージョン特有の問題、iOS 13.5.1から導入された何らかのセキュリティ措置などが原因と考えられます。

修正・修復方法はなし

今のところ、この障害が発生してしまうと、内容が消去される「復元」を行うしか修復する方法がなく、内部のデータを救い出す方法が一切ないのが現状です。

STOP! リンゴループ活動について

この問題について、私の知り合いで、データ復旧の専門家としては恐らく世界でもトップレベルの技術を持つ、データサルベージ 創業者兼技術者である阿部 勇人さんが、STOP! リンゴループ活動を立ち上げました。なぜなら、毎日大量にこの問題が発生し、阿部さんのところ(データサルベージ)に中のデータが救えずに困っているお客様が殺到しているからです。

私も海外(主に中国)での情報収集に協力すると共に、このSTOP!リンゴループ活動に賛同します。

私たちは、データ保護の観点からこの問題を社会問題と捉え、メーカーであるApple社に対して障害に関する情報公開を求める「STOP!リンゴループ」という活動を立ち上げ、Apple社へユーザのご意見を届けてまいります

なお、データサルベージさんの公式サイト内に「STOP!リンゴループ」サイトが立ち上がっていて、そこに技術的な見解や実際のユーザの声なども書かれておりますので、ご覧ください。当ブログや執筆者である私も賛同者として掲載されています。

注意事項:リンゴループが発生したら

上記のサイトにも書いてあることですが、、

復元・高級・アドバンスモードを実行しない

iTunesや修復ソフトなどで以上を実行すると、リンゴループは解消できても、内部のデータが消えてしまいます。

修理業者に持ち込まない

記事更新現在、世界中のどの修理業者にも、安全にデータを残しつつこのエラー14を修復し、リンゴループから脱出させる方法を持っているところはありません。私の知る限り世界最先端のiPhone修理技術が集まっている中国広東省深圳市の世界最大の電子市場、華強北市場の中でも敏腕で知られる業者や技術者の友人も、まだこれを救う方法はないと断言しています。復旧の手立てがないのに10万円も請求されたという人もいます。というわけで絶対に修理業者には持ち込まないでください。

データサルベージさんなら悩みは聞いてくれると思いますが、現時点でこの状態になったiPhoneのデータ救出はデータサルベージさんといえどもできません。

内部のデータを保持したい方は、これからの行為を行わず、救出方法が発見されるまではそのまま保持しておくしかありません。

内蔵ストレージはできるだけ目一杯使わず、常にバックアップを!

転ばぬ先の杖で、まずは目一杯まで内蔵ストレージを使い切らないようにすること、できれば画像や動画はiCloudや別のクラウド・或いは外部ストレージ等に保存して本体の容量はいっぱいにならないようにしておくことが大切です。また、当然バックアップもこまめにやっておくといいでしょう。iCloudとWi-Fiネットワークがあれば、毎日夜中に自動的にバックアップされますので、その設定にしておくことを強くお勧めします。

Appleはかつて、エラー53問題でパッチを配布した前例あり

Appleは2016年に、iOS 9.2.1をリリースしましたが、その際にサードパーティの修理業者によってTouch IDが交換された場合、リンゴループに陥ってiPhoneが使用不能になるという問題が発生し、それに対して謝罪し、iOS 9.2.1のビルド「build 13D20」をリリースしたことがあります。Appleは当時、これは「工場出荷前にTouch IDが正しく動作するかどうかを確認するためのテストのために設計」されたもので、「ユーザに影響を与えることは意図していなかった」として謝罪していて、意図したものではなかったという言い訳はしているものの、謝罪してパッチを配布したのは確かです。

パッチはOTAではなくiTunesによるアップデートが必要となるため、既にリンゴループに陥ったiPhoneを救うことはできないのですが、容量がいっぱいのiPhoneに対して、アップデートを無事に完了することができるようになるか、或いは事前に容量がいっぱいだった場合は警告を出すかアップデートをさせないか、或いは自動アップデートを切るなどの方法でできる限りリンゴループの発生を避ける(予防する)ことはできると思われます。※ただ、パッチを適用しようとしたらリンゴループが発生したりするとシャレにならないですが。。

ハッシュタグ #STOPリンゴループ による拡散とAppleへの通知へのご協力をお願いします

というわけで、現在端末のストレージからユーザのデータを消去せずにこの問題を解決するには、Appleによって復元用の特別なカーネルを作っていただくくらいしか方法がないのです。そのために、この問題が非常に大きいこと、そして修復を待ち望んでいるユーザが多いこと、対策が急がれることをAppleに知らせるように働きかけていく必要があります。

私の場合は、特にどこかの修理業者に属しているわけでもないですし、同類のサービスを提供しているわけではないので、この活動の主体となっているデータサルベージさんやスマートフォン研究所さんを含め、一切利害関係はありません。あくまで、これまでAppleウォッチャーとしてずっとブログを続けてきた身として、これらの修理業者さんなどが窓口でAppleユーザさんの多くが困っている場面に直面し、何とかしたいという気持ちがあることを知っているため、窓口になっている修理業者さん及びAppleユーザさんの力になれればと考えたため、活動に賛同させていただきました。

なお、既に米国では集団訴訟に発展する勢いです。Appleは早く対処した方がよいと思われますよ。。

これをご覧になっている方、よろしければぜひハッシュタグ#STOPリンゴループをつけて拡散をお願いします。また、Appleの中の人のことを知っている、ご協力いただける方は上記のSTOP!リンゴループ活動のページ或いは私宛にご連絡いただければと思います。当方へのご連絡は、当記事へのコメント或いはお問い合わせフォームからお願いいたします。

ユーザや関係者からのご意見

早速当ブログに、匿名の元関係者の方からご意見が寄せられましたのでご紹介します。

5月まで某〇〇で働いていたものです。

小龍さんのサイトは個人的にも、店舗でもファームウェアのダウンロードなどで利用させていただいていました。

エラー14問題ですが、私の記憶ではiPhone7発売前後よりお客様より問い合わせがありました。ただ、今ほど多くはなかったと思います。

エラー14になる前段として多くの場合、ストレージがいっぱいになっても無理に写真を消したりアプリを消したりしてだましだましつかっているうちにiPhoneの動作がおかしくなる(写真が消えて復元されてまた消えて、Wi-Fiのパスワードを入力しても接続できない、LINEがログアウトされるなど)。

そのあとユーザーがiPhoneを再起動させるとリンゴループになるという流れです。

その場合iTunesを使って「アップデート」「更新」をかけてうまくいけば復帰するのですが、アップデート中プログレスバーの真ん中あたりでエラー14が出てしまうと初期化しか手はなくなってしまいます

私が店舗で対応していたときは、お客様には説明し泣く泣く初期化対応するのですが、そもそも空き容量が少なくなってきた時点でパソコンのようにユーザーに注意喚起のポップアップを出すべきだと個人的には思います

Appleの中の人的には、いつもバックアップとっているから初期化しても大丈夫でしょ?という考えなのでしょうけど、昨今スマホを使ったサービスが多岐にわたり、数時間でも使用できない状態はユーザーにとっては致命的だと思います。

iOS10か11ぐらいからiOSの自動アップデートが標準になった時、朝起きたらアップルロゴで固まったというお問い合わせが増えた記憶もあります。(少し前からユーザーが設定を変えられますが、デフォルトが「自動」の時点でAppleの中の人の頭の中を疑ってしまいます)

今回13.5ぐらいから一気に問題が出てきたのは、アップデートデータに原因がある可能性もありますが、個人的には接触確認アプリのためのなんらかの仕組みが影響しているような気がしています。

今回の運動ですが、以前のエラー51問題とは違い、ハードの問題ではないのでAppleはだんまりを決め込む可能性が高いですが、全米で問題が拡散され裁判沙汰になれば風向きが変わるかもしれませんし、変わってほしいです。

貴重なご意見ありがとうございます!実はiOS 13では容量が少なくなるとポップアップで警告が出るという情報もあるのですが、上記の元関係者でさえ指摘するということは、その情報が出ない人もいるということが問題ではないかと思っています。そして、容量が少ないにもかかわらず自動的にアップデートがかかることがある、またはアップデートを手動でかけたときに警告が出ないのも問題だと思いますね。

記事は以上です。

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