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Apple、またもパテントトロールに狙われる。今回はテキサス州のFintiv社のApple Payに関する特許

Appleは様々な企業と係争関係にあります。クアルコムやサムスンとの裁判は有名ですが、多くのパテントトロール(いわゆる特許ゴロ)から訴えられてお金を掠め取られることもしばしばです。そして今回、またテキサスのFintivという会社に目を付けられ、起訴されました。

Fintivの幹部達は一癖ある人物ばかり

このFintivはいわゆるパテント・トロール(特許ゴロ)の手練れの者たちが寄り集まって作られた新しい会社で、2017年12月に設立されたたった1年しか経っていない会社です。しかし内部の人間達は20年以上業界で暗躍してきた人物のようです。Fintiv社のLeadershipのページでは、その老獪な(と思われる)メンバー達6人の写真を見ることができます。

そのうち、Jim Rappaport(ジム・ラッパポート)はWikipediaにも項目が設けられているマサチューセッツ州の不動産開発者、起業家、弁護士、慈善家、共和党の政治家ということで、一番の大物のようです。一応公式サイトの肩書きとしては、ファミリービジネスコンサルタント、ニュー・ボストン・ファンドの役員、ダナ・ファーバー癌研究所の年間寄付資金調達委員長となっています。

Mike Loveは公式サイトによると、FintivではTechnology Committee(テクノロジー委員会)担当役員で、2011 Fintech Industry Technology Awardを受賞しており、かつてFirst Data CorpでTechnology Transformationのトップにいたそうです。ビーチボーイズ(Beach Boys)のメンバーのMike Loveと同姓同名で紛らわしいですね。。笑

Stan Libertyはブラッドレイ大学(Bradley)ケタリング大学(Kettering University)の学長やInterimの社長を歴任してきた人物のようです。

Pat BradyはLabel Tech Inc.の創業者兼CEOで、かつてプライベートジェットブランドのPresidential Aviationの社長(President)で、商業用航空パイロットでもあるようです。

Adolfo SalumeはエルサルバドルのGrupo Prologixの社長で、Continuum Health Technologiesの社長でもあるようです。ただオフショア・リークスのページでパナマ文書に名前が記載されている人物でもあるようで、ちょっと怪しいですね。

そして最後に出てくるCharlie Wiggs、実はこの人が本丸のようで、Fintivの社長(President)です。Linkedinにはっきりと本人のデータが出てきます。Linkedinのデータによれば、もともとはMCIのプリペイドサービスの責任者だった人物で、その後Tachyon Networks、3Cinteractive、SK holdings C&Cの副社長(Vice President)、そしてMozidoの上級副社長(SVP)を経て、Blueline Companies, LLCの社長(President)になりますが、この会社はたった10ヶ月でたたみ、そして2017年12月からFintivの社長となっています。それぞれの会社に2〜3年、長くて6年という勤務期間だったらしく、かなり転職を繰り返してきた人物といえます。それで培った人脈などを使って独立したと思われますが、幹部に政治家などがいるということで、ちょっと政治的な色も帯びている感じもしますが、真相はわかりません。

Fintiv自体は小さな会社、AppleのApple Payに関わる技術に特許侵害があったと主張

LinkedinのFintivのページの情報によれば、同社の社員は11〜50人の間の零細企業で、業務内容はモバイルペイメントとマーケティングということになっています(しかしパテント・トロールの特徴は訴訟をするばかりで、実際の業務は行っていないことが常です)。同社はAppleがApple Payサービスで同社が韓国で買収したとある特許を侵害しているとしています。

具体的には、モバイルデバイス上への保存と仕様、及び課金プロトコルまたはオンラインショッピングに関連するデジタルウォレットのデータ技術の特許の侵害、ということです。

Fintiv社の公式サイトは典型的なパテント・トロールの作りになっている?

Fintiv社のWebsiteは非常にシンプルでそれなりに洗煉されたデザインで、マーケティングに関する用語が並んでいます。そしてProductsというページもあるのですが、具体的な商品の紹介はなく、ツールの上っ面の内容を書いた単語が羅列されているだけです。9to5Macをはじめとした海外メディアでは、この会社のWebをみるにつけ、典型的なパテント・トロール(特許ゴロ)であると断定しています。

Appleは常にパテント・トロールに狙われている

Appleにとってはパテント・トロールから起訴されることは珍しくないのですが、最近クアルコムと大きな係争を抱えるAppleとしては、この時期に起訴されるのはちょっと面倒に感じているかもしれません。当ブログでも、これまでいくつかAppleがパテント・トロールに狙われた例を紹介しています。

そしてもしパテント・トロールとの裁判に負けて特許費用の支払いが発生する場合、その費用はApple社の財務上コストに計上されるはずで、最終的にそれを支払うのは消費者になるともいえるわけです。Appleユーザとしても、これ以上パテントトロールという寄生虫のような相手に対して余計なコストがかからないようにしてほしいところなのですが。。

記事は以上です。

(記事情報元:9to5Mac

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