iPhoneが車の鍵になる【Apple Car Key】に、新しい仲間が加わりそうです。Appleのバックエンドのコードから、MG(名爵)の車両への対応を準備している痕跡が見つかりました。MGはもともと英国のブランドですが、現在は中国の国有大手・上汽集団(SAIC)の傘下です。時期もモデルも不明で、MG側の発表もまだありません。ただ、このニュース、中国側から見るとなかなか味わい深いのです。

かざせば開く。物理の鍵が消えていく先の日常です。画像はイメージです。
Apple Car Keyとは何か
おさらいしておくと、Apple Car KeyはiPhoneやApple Watchを車の鍵にする機能です。Walletアプリに鍵を入れ、ドアハンドルに端末をかざして解錠し、そのままエンジンも掛けられます。エクスプレスモードにすれば、iPhoneの電池が切れかけていても使えます。家族への鍵の共有もメッセージで送るだけです。
便利なのですが、対応車種が少ないのが長年の課題でした。2020年にBMWが初対応して以来、増え方はゆっくりで、対応メーカーはBMW、BYD、ヒョンデ・キア・ジェネシス、Lotusなど、いまだに少数派です。
対応リストに並ぶ、中国資本の多さ
ここからは中国在住者としての話です。上の対応メーカーの並びを見て、気づくことはないでしょうか。
中国資本が妙に多いのです。BYDは深圳の会社ですし、Lotusは英国ブランドですが現在は吉利(Geely)の傘下。そこに上汽のMGが加わるとすれば、数少ない対応メーカーのうち3つが中国資本ということになります。ドイツ勢はBMWだけ、日本勢に至ってはゼロのままです。
なぜこうなるのか。私は輸出戦略の裏返しだと見ています。
MGは中国国内では正直、目立つブランドではありません。しかし欧州や豪州、東南アジアでは、手頃なEVの代名詞として飛ぶように売れています。上汽の輸出の主力エンジンです。そして欧州の客はiPhoneを持っている。CarPlayに対応し、Car Keyに対応することは、欧州でMGを買う理由を一つ増やすことに直結します。BYDが早くからCar Keyに対応したのも同じ理屈で、あれは中国国内向けというより、世界で売るための装備です。
一方、中国国内専業に近い新興メーカーの一部は、車内をHUAWEIや自社のOSで固め、Appleとの連携に冷淡な流派もあります。世界で売りたい中国車ほどAppleに寄り、国内で完結する中国車ほどAppleから離れる。この構図は、覚えておくと中国のEVニュースが読みやすくなると思います。
日本のiPhoneユーザーには遠い話か
残念ながら、当面はそうです。日本勢でCar Keyに対応したメーカーはまだなく、MGも日本では乗用車を本格展開していません。日本のiPhoneユーザーがこの機能に触れる機会は、輸入車を買うか、海外でレンタカーを借りるかくらいでしょう。
ただ、方向としては、鍵も免許証も財布も全部iPhoneに入っていく流れです。米国ではWalletの運転免許証の対応州が増え続け、ウォルマートまでタッチ決済に折れました。
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物理の鍵とカードが消えていく先で、車の鍵だけが残る理由はありません。日本のメーカーがこのリストに載る日が早く来てほしいものです。。
なお、今回の話はあくまでコードの痕跡で、MGの正式発表ではありません。対応時期も対象車種も不明という点は、最後にもう一度書いておきます。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)
※記事中の画像はイメージです。

