Appleの折りたたみ【iPhone Duo】が10月23日、中国本土でも発売されました。IT之家が新浪科技の報道として伝えたところによると、発売に合わせて中国移動・中国聯通・中国電信の3キャリアの職員が中国全土のApple Storeに常駐し、店頭で現物を受け取った客にその場でeSIMを開通させているとのことです。同じ日に中国聯通は2009年組の確認なしで全ユーザーに現物の予約を開放し、中国移動はeSIMの開通を条件に年1回の画面割れ補償を付けると発表しました。日本のApple Storeでは当日販売そのものが無かったのとは対照的に、中国では買った後の開通までを店内で済ませる体制が初日から組まれていたことになります。
キャリアが店に常駐する理由:中国版iPhone DuoはeSIM専用で、開通は窓口の身分証確認が前提
中国本土向けのiPhone Duoは、日本版と同じくeSIM専用で物理SIMは使えません。Apple中国の購入ページのよくある質問には、eSIMでキャリアの回線を有効化し物理SIMには対応しないこと、開通には中国移動・中国電信・中国聯通の窓口で身分証の確認が要ること、そして中国本土で有効化できる型番が限られることが書かれています。日本ならキャリアのアプリやウェブで数分で済むeSIMの開通が、中国では実名登録のために対面の手続きになるということです。つまり中国でiPhone Duoを受け取っても、キャリアの窓口へ行くまでは電話もモバイル通信も使えないことを意味しています。
キャリアの職員をApple Storeに常駐させたのは、この一手間を店内で片付けるためです。IT之家の記事によると、対象はApple Storeで現物を受け取る客だけで、オンラインで自宅に届く分は従来どおり窓口へ行くことになります。中国移動は同じ日に、今後eSIMのオンラインでの自己手続きを順次提供するとも告知しており、対面が要る今の状態は過渡期の措置と見てよさそうです。Apple正規販売店のCoodoo(酷動)も60店で店頭のeSIM受付に対応すると発表しましたが、店舗の一覧は未公表で、対象は中国国内キャリアのeSIMだけ、海外旅行用のeSIMは含まないと明記しています。
この「海外旅行用は含まない」という線引きが、日本から中国へ行く読者にはむしろ分かりやすい話です。旅行者が使う海外ローミング型のeSIMは中国のキャリアとの契約ではないので、身分証の窓口確認は最初から関係がなく、日本で買ったiPhone DuoにQRコードで入れればそのまま中国で使えます。逆に中国のキャリアの番号を入れる話は型番と手続きの両方が絡むので、当ブログの中国本土・香港版SIM仕様の記事と合わせて読んでいただくとよいでしょう。
| 更新:日本時間2026年09月10日04:54。日本時間2026年9月10日に発表された【iPhone 18 Pro】【iPhone 18 Pro Max】と【iPhone Duo】。今年、中国本土版Proは物理SIM2枚を残しながらeSIMにも対応しました。香港版Proは物理SIM1枚とeSIM、日本版ProはeSIM専用です。そして折りたたみのDuoには、どの地域のモデルにも物理SIMスロットがありません。前年のiPhone 17特集と同じように、SIMの組み合わせだけでなく、電波の対応範囲、機能の地域制限、中国本土・香港・日本の容量別価格まで比べます。中国本土で暮らす人、日中を行き来する人、... 【たぶんどこよりも詳しい】iPhone 18 Pro・Duoの中国本土・香港版SIM仕様と価格比較 - 小龍茶館 |
中国聯通は2009年組の確認なしで現物予約を開放、契約なら最大3,240元引き
中国聯通は現物の予約購入を全面的に開放しました。当ブログでもお伝えした2009年に中国聯通でiPhoneを買った旧ユーザー向けの「尊享摯友(最上級の旧友、という意味の優待)」の確認なしで、誰でも専用ページに携帯番号を登録すると担当者から連絡が来る仕組みです。中国聯通で購入契約(月額プランとセットにした端末購入)を結ぶと端末は最大3,240元(約7万6,000円)引きになり、同時に中国聯通のeSIMを開通すると、海外用eSIM 30GBの10日パック、300元(約7,000円)分の国際ローミング券、国内用データ100GB、AIのトークン(どのAIか、何トークンかは未公表)、花かコーヒー、の5つから1つを選べるとのことです。
中国の定価は256GBで15,999元(約37万5,300円)です。日本の36万4,800円と比べると、定価では中国の方が約1万円高い計算になります。それが契約で3,240元引きになると12,759元(約29万9,300円)まで下がり、日本の定価を約6万5,000円下回ります。日本のApple Storeで下取りを使った場合(iPhone 16 Pro 128GBの下取りで実質264,800円)には届きませんが、下取りに出す端末が無い人にとっては、入口の値段は中国のキャリア契約の方が安いということになります。ただし契約プランの月額や期間はIT之家の記事に書かれていないので、月々の支払いまで含めた総額は別の話です。
特典の5つのうち2つが海外用eSIMと国際ローミング券である点も見逃せません。eSIM専用のiPhone Duoを買う層は海外へ出る機会が多い、と中国聯通が見ているのでしょう。
| 【iPhone Duo】の予約注文が10月16日の夜に始まりました。その当日に中国聯通(チャイナユニコム、China Unicom)が、2009年に聯通の販路で正規のiPhoneを買った客に対して、iPhone Duoの「最高優先級」の購入資格を開放すると発表しました。IT之家が伝えています。中国本土の予約は現地時間16日20時(日本時間21時)に始まりました。256GBモデルで約37万8,000円(15,999元)のiPhone Duoは、開始から十数分は公式サイトに入ることすらできず、注文できた時点で納期は12月になっていたと快科技は伝えています(見出しは「初回分は一瞬... 【17年前の恩返し】中国聯通、2009年のiPhone購入者に完売のiPhone Duo最優先購入権 - 小龍茶館 |
中国移動は画面割れ補償、上海なら料金プラン契約で最大4,999元引き
中国移動は12月31日までに中国移動の経路でiPhone Duo・iPhone 18 Pro・iPhone 18 Pro Maxを買い、中国移動のeSIMを開通した人に、年1回の画面修理が付く画面割れ補償「守機宝」、12か月にわたり毎月10GBの合計120GB、中国移動のクラウドか動画サービスのダイヤモンド会員1年分、のいずれか1つを進呈します。物理SIMとeSIMの両方を持つ機種でeSIMを開通した人も対象です。上海移動では料金プランの契約で端末が最大4,999元(約11万7,300円)引き、全球通(中国移動の上位会員)なら契約年数に応じた優待を重ねて6,000元(約14万800円)以上の節約になると中国移動は説明しています。
画面割れ補償は、iPhone Duoではとくに重みがあります。当ブログで整理したとおり、日本の保証外修理は内側の画面だけで182,800円、その他の損傷は273,800円です。年1回とはいえ画面修理が無料になる特典をeSIMの開通と引き換えに付けるというのは、中国移動がそれだけeSIMの契約を取りたがっている表れといえるでしょう。
京東の第三者店は256GBに5年のバッテリー交換を付けて17,999元
京東(JD.com)では第三者の店舗が256GBに「5年間バッテリー交換回数無制限(最大容量80%未満で純正バッテリーに交換)」を付けたセットを17,999元(約42万2,300円)で販売しています。本体15,999元に2,000元(約4万6,900円)の上乗せです。この17,999元はApple公式の512GBとまったく同じ金額なので、容量を1段上げるか、5年のバッテリー交換を取るかの選択になります。IT之家の記者は「急がなければ2日ほどで256GBの本体単体が定価で買える可能性が高い」と書いており、発売日のうちは本体単体が買えず、セット品だけが残っている状態と読めます。
WeChatは8.0.80で初期対応済み、日本のLINEは対応アプリ一覧に無し
中国で暮らす人に欠かせないWeChat(微信)は、テンセント社員の発言として最新の8.0.80で初期対応済みで、内側画面の2分割表示などに対応し、体験は引き続き改善するとのことです。発売日の時点でWeChatが対応していたことは、中国で初日に買った人には大きい話です。日本では対応アプリ約60本の一覧にLINEが入っていませんでしたから、折りたたみ対応の足並みはWeChatの方が先に揃ったことになります。
| Apple初の折りたたみiPhone【iPhone Duo】が、本日2026年10月23日(金)に日本を含む70以上の国と地域で発売されました。10月30日にはさらに28の国と地域に広がります。発売に合わせてAppleはNewsroomで、iPhone Duoに最適化したアプリに「Made for iPhone Duo」バッジを付けると発表し、NetflixやMicrosoft Word、Zoomなど60本近くのアプリを名指ししました。一方で日本のApple Storeでは発売日当日の店頭販売(予約なしの飛び込み購入)が無く、オンラインでの受け取り予約が必須となっています。この記事では、発売日の時点で日本の... 【本日発売】iPhone Duo、日本のApple Storeは当日販売なし。対応アプリ約60本にLINEはなし - 小龍茶館 |
小龍的にはこう思った
小龍的には、今回の一連の発表で一番はっきりしたのは、中国のキャリア3社がiPhone Duoを「eSIM契約を取るための看板商品」として扱っていることです。契約で3,240元引き、eSIM開通で海外用eSIMや画面割れ補償、とどれも開通が条件で、端末が売れることより回線が自社に付くことに価値を置いています。中国聯通の発表によると、この1年でeSIMに対応した中国メーカーの機種は7ブランド28機種に広がり、2026年の出荷は3,000万台と予測されているとのことです。IDCはiPhone Duoの初年度出荷を1,000万台超、ゴールドマン・サックスは2026年1,300万台・2027年3,300万台と予測しているとIT之家は伝えており、キャリアが初日から人を張り付けるだけの規模が見込まれているということです。
日本の読者に関係するところでは、中国でiPhone Duoを買っても窓口での本人確認が要るので、短い旅行の日程で中国のキャリアの番号を入れるのは手間がかかりますし、そもそも外国人にはeSIMを開放していませんので買えません。逆に日本で買ったiPhone Duoを中国へ持っていくなら、海外ローミング型のeSIMを出発前に入れておくのが一番手間の少ない方法です。日本では発売日にApple Storeで買えず出荷は来年1月、中国ではAppleのジョスウィアク上級副社長が限られた数ながら店頭に現物があると話し、中国聯通の予約も全員に開かれました。同じ発売日でも、買いやすさは中国の方が上だったといえそうです。
なお、中国でご利用のeSIMであれば、ぜひ当方が運営しているXiao Long eSIMをご利用ください。
記事は以上です。
(記事情報元:IT之家、Apple。円換算は三菱UFJ銀行が2026年10月23日に公表した対顧客外国為替相場の仲値TTM(TTS 23.76円とTTB 23.16円の平均、1元=23.46円)で計算した参考値です。)
