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iPhone 12シリーズ中国/香港版物理デュアルSIM(DSDS)まとめ【たぶん他のどこよりも詳しい】

今回の2020年10月14日未明から公開されたApple新製品発表イベント動画で発表された、新型iPhone「iPhone 12」シリーズ。Appleのイベント動画や公式サイト、更に多くの他のメディアでスペックなどは紹介されていると思うので、当ブログの読者層が最も気にしていると思われるiPhone 12シリーズ4機種(iPhone 12 mini/iPhone 12/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Max)のデュアルSIMの状況を確認してみました。

なお、iPhone XS/XS Max/XR時代から、iPhoneで物理デュアルSIM版(DSDS版)が出ているのは世界広しといえども中国・香港版のみです。現在私が使っているのもiPhone XS Max香港版物理デュアルSIM版(DSDS版)のため、当ブログならではのiPhone 2020年新モデル「iPhone 12」シリーズの中国版DSDS対応特集をします。恐らく、他のどこよりも詳しいのではないかと思います。少々長くなりますが、お付き合いください。

iPhone 12シリーズの物理デュアルSIM対応版とは

まず、物理デュアルSIMが実現するのは今回発表されたiPhone 12シリーズ全4機種のうち、iPhone 12/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Maxの3機種のみとなります。iPhoneとして、デュアルSIMに対応したのは2018年モデルのiPhone XS Max/iPhone XR、及び2019年モデルのiPhone 11 Pro以来となっています。

そしてiPhone 12の物理デュアルSIM版について、対応国は「中国」とされています。ただ、単に「中国」といっても意味は広く、例えば字面通りであれば中華人民共和国と中華民国(台湾)の2つの意味があります。

また、中華人民共和国にも、特別行政区として香港とマカオがあり、iPhoneの広い意味での「中国版」には。。

の4つのバージョンがあるといえます。もちろん公式ページも、その4つにわかれています。

今回物理デュアルSIMが実現するのは、中国(大陸・内地)版及び香港・マカオ版のみです。つまり、台湾版は物理デュアルSIM適用外となります。※ちなみに香港版とマカオ版はモデル番号の末尾が異なるだけで、内容は同じなので以降マカオ版は割愛します。

中国大陸版/香港(&マカオ)版/日本版の、iPhone 12 mini/iPhone 12/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro MaxのデュアルSIMデュアル待受のスペックは、Apple公式サイトのそれぞれの仕様ページでは以下のようになっています。

▼中国大陸版iPhone 12 mini(左)/iPhone 12(右)

▼中国大陸版iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Max

▼香港版iPhone 12 mini(左)/iPhone 12(右)

▼香港版iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Max

▼日本版iPhone 12 mini(左)/iPhone 12(右)

▼日本版iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Max

公式の情報を整理をすると、以下の一覧表の通りとなります。

機種 中国大陸版 香港・マカオ版 台湾・日本版
iPhone 12 mini シングルSIM eSIMによるDSDS eSIMによるDSDS
iPhone 12 物理DSDS 物理DSDS eSIMによるDSDS
iPhone 12 Pro 物理DSDS 物理DSDS eSIMによるDSDS
iPhone 12 Pro Max 物理DSDS 物理DSDS eSIMによるDSDS

中国の増値税(付加価値税、VAT)が乗らない香港版は価格が安く、中国大陸では深圳経由で密輸される香港版が人気だったのですが、今回物理デュアルSIM版が導入されることで、尚更価格差がある香港版のiPhone 12 mini以外が人気沸騰、ということになりそうです。ただ、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、香港やマカオと中国大陸間の人の動きがほぼ完全に制限されているため、これまでいわゆる「水客」と呼ばれていた密輸運び人による密輸品は中国ではそこまで出回らないかもしれませんね。大陸にいる人は大人しく大陸版を買うしかないかもしれません。

ちなみに、中国(大陸)版及び香港(&マカオ版)は基本的にSIMフリーです。つまり、他国に持ち出しても、他国のどのSIMでも基本的には使えることになります。また日本版のみCDMA EV‑DO Rev. Aに対応していませんが、米国版・中国版・香港版・台湾版は全てCDMA EV‑DO Rev. A対応です。

なお、今回5Gでは米国版のみmmWave(ミリ波、5G NR mmWave)5G対応で、他の国のバージョンは対応していません(Sub-6 5Gのみ)。ただ、その他の国でmmWave 5Gサービスが始まったとしても、米国のmmWave対応モデルが使えるかどうかは不明です。更に、米国版も日本版や台湾版と同様、物理DSDSではなく、NanoSIM+eSIMでのデュアルSIMとなっています。どれを取るかですね。

中国でのiPhone 12シリーズの発売時期について

今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で開発や製造に遅れが出たため、世界的に一部の機種の発売時期が遅れています。

公式の情報によると、日本版・中国大陸版・香港版を含む全ての発売日予定は以下のようになっています。

iPhone 12 mini

iPhone 12

iPhone 12 Pro

iPhone 12 Pro Max

iPhone 12シリーズのデュアルSIMの仕様情報、SIMは2枚目とも5G対応なのか!?

iPhone 12シリーズの最大の特徴は、5Gネットワークに対応したことです。しかし気になるのは、デュアルSIMのどちらも5Gに対応しているか?ということです。

これについては、現状特に片方だけ5G対応というような注意事項は公式サイトからは見つかっていませんが、実際に使って見ないと分からないというのが正直なところです。まあ、個人的な予測では両方とも5G対応でしょう。

実際の物理DSDSの設定、使用方法

実際のiPhone物理デュアルSIMの使用状況や設定方法などは、以前iPhone XSの時代に以下の記事にまとめました。当時とそれほど変わっていないので、ご参照ください。

気になるiPhone 12シリーズの中国版・香港版のお値段は?

そしてやはり気になるのはiPhone 12/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Maxの中国・香港版物理デュアルSIM版の価格ですよね。※中国版・香港版・マカオ版のiPhone 12/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Maxは全て物理デュアルSIM版のため。

物理デュアルSIMに対応したiPhone 12/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Maxの価格は公式発表では以下のようになっています。中国大陸版・香港版の価格と、日本版(税込)価格を参考までに併記しておきます。しかしやはりiPhone 12 Proシリーズは高い。。とはいえ、iPhone XS Maxの512GBでは12万元を超えていたことを考えると少し安くなっていますね。少しだけですけどね。。

iPhone 12 Pro Max 中国(大陸)版・香港版・日本版価格

内蔵メモリ容量 中国大陸版 香港版 日本版(税込)
128GB 9,299元(約145,250円) 9,399HKD(約127,944円) 129,580円
256GB 10,099元(約157,930円) 10,199HKD(約138,834円) 141,680円
512GB 11,899元(約186,068円) 11,899HKD(約161,975円) 165,880円

iPhone 12 Pro 中国(大陸)版・香港版・日本版価格

内蔵メモリ容量 中国大陸版 香港版 日本版(税込)
128GB 8,499元(約132,922円) 8,499HKD(約115,691円) 117,480円
256GB 9,299元(約145,434円) 9,299HKD(約126,582円) 129,580円
512GB 11,099元(約173,586円) 10,999HKD(約149,723円) 153,780円

iPhone 12 中国(大陸)版・香港版・日本版価格

内蔵メモリ容量 中国大陸版 香港版 日本版(税込)
64GB 6,299元(約98,495円) 6,799HKD(約92,546円) 94,380円
128GB 6,799元(約106,313円) 7,299HKD(約99,352円) 99,880円
256GB 7,599元(約118,822円) 8,099HKD(約110,242円) 111,980円

そして上記のように比較してみると現在のレートでは香港版が一番安いことになります(とはいえ香港版は日本版より少しだけ安いくらいですが)。日本版は10%消費税が乗ります。カメラのシャッター音付で、物理デュアルSIMなしでこの値段は。。という感じもします。

そして、中国大陸版は香港版や日本版に比べて1万円〜3万円高い結果に。。やはり中国大陸版は毎回言い方が悪いですがクソ高いですねw もちろん、これらには中国の増値税(付加価値税VAT)が乗っていることが原因ではあるのですが、、中国国内で作っているのに、輸送費を除いても中国国内で販売されると高くなるなんて。。それにしても、中国政府は税金でウハウハですね。

もし単に物理デュアルSIM版のiPhoneが安く早く欲しい方は、香港版のiPhone 12を買うのが得策でしょう。17日にはすぐに予約もできますし。

iPhone 12シリーズ 物理デュアルSIM版は買いなのか?

iPhone 12シリーズの中国・香港版の物理デュアルSIM版は本当に必要なの?という議論もあると思います。このブログをご覧になっている方は、海外、特に中国・香港への出張が多かったり、中国・香港や海外に実際にお住まいで、国際間での移動が多い方でしょう。

2年前、2018年のiPhone XS/XS Max/XRで初めてデュアルSIM版がiPhoneに導入された時の発表イベントでは、Appleのフィル・シラーSVP(当時、現在はApple Fellowに昇格)が壇上で、中国ではeSIMが使えないので物理デュアルSIMを導入した、としていましたが、実はこれまでApple Watch Series 3以降に搭載されたeSIMバージョン(セルラーモデル)向けに、三大キャリアのうちの1つChina Unicom(中国聯通、チャイナ・ユニコム)のみがeSIMサービスを提供しています。また、香港では携帯電話向けにキャリアがeSIMを発行しているのでこの発言には矛盾があったと言えます。ちなみにキャリアのこの状況は、その2年前の初めてiPhoneにデュアルSIM版が登場したiPhone XS/XRの時代から変わっていません。携帯電話向けのeSIMは中国大陸で導入されていないのです。理由は不明ですが、管理の問題なのかもしれません。

しかし実際、物理デュアルSIM版を本当に導入するかは非常に悩ましいところです。

出張レベルであれば、もう現在は国際ローミングが可能なデータSIMも格安で出ていますし、普通のキャリアの国際ローミングも非常に安くなってきています。という意味では、SIMは1枚でもいいといえます。もちろん、公私でSIMを複数使い分けている人や、2カ所以上に拠点を持ってそれぞれSIMを持っている人にとっては、やはりデュアルSIMは多少高いお金を出してでも差し替えの手間がかからないので魅力的です。

しかも、SIMの差し替えって面倒なんですよね。特に飛行機や船・電車などで国際間移動をしている時に差し替えると、SIMが地面に落ちたり、見つからなくなってしまったり。。実は私もそんな経験があります。それを防ぐためにも物理DSDS版を使うというのはいい選択かもしれません。

記事は以上です。

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