海外メディアの報道によるとFBIは全ての人に対してiPhoneのロック解除の方法を秘密にしていないことがわかった。報道によれば、FBIは既にこの方法を米国国会議員のDianne FeinsteinとRichard Burrに明かしていることがわかった。FBIがこの解除方法を2人の議員に明かした理由は、この2人の議員がコンシューマレベルの暗号化技術の仕様制限に関する新しい法案を作成中のためといい、この法案は数週間後に対外的に公開されるという。
FBIがiPhoneのロック解除に成功したためAppleとの裁判での法廷聴聞会の延期を決めた時に、プライバシー保護団体やテック業界からは、FBIや政府がそのロック解除方法を対外的に公開すべきだと強烈に政府に要求した。しかし行政側からみれば、それらを公開せず秘密にすることによって、彼らの今後の将来的な”調査業務”が有利に進められると考えているようだ。
なお、Appleのエンジニアが、今回FBIが解除した方法はすぐに漏洩したり外部に伝わるという予測をしていたことは当ブログでも伝えたとおりであり、その予測は当たっていたことになる(但し、裁判での公開ではなく、外部、しかも国会議員へのリークという形にはなったが)。
FBIは既にiPhone 5cのクラックに成功しているという。では今後もこの方法が利用され続けるのだろうか?ちょっと心配になるところだ。もし毎回このように解除されてしまうのであれば、もし犯人ではなかったとしても、疑われただけでもしかしたら自分や家族のプライバシーが侵害されてしまう懸念があるからだ。 FBIがiPhone 5cをクラックした方法はいずれ公開、長くは続かない? - 小龍茶館 |
現在、FBIが昨年末のカリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射テロ事件の犯人のものとされるiPhone 5cとは違うiOSバージョンや違う機種のものが解除できるのかどうか、我々には知る術がない。しかしFBIは自ら、先月アーカンソー州で発生した事件に関するiPhoneとiPod Touchを解除できていないことを明らかにしていることから、どうやら今回ロック解除に協力した日本のサン電子の子会社でイスラエルのセレブライト(Cellebrite)社の方法は”万能”というわけではなさそうだ。
しかしAppleなどスマホメーカーも上の二人の議員による法案はなんとしても阻止していかないと、AppleはiPhoneやiPad、その他のメーカーもAndroidなどのデバイスの暗号化をやめないと販売差し止め命令を下される可能性がある。
まだまだ各国政府機関とテック企業のユーザのプライバシーを巡る戦いは続きそうだ。
記事は以上。
(記事情報元:CnBeta)