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Apple、直営店でのiPhone等盗難防止のための新ワイヤレスセキュリティシステムの特許を出願

去年、米国カリフォルニア州コスタメサ(Costa Mesa)のApple Storeに強盗が入り、大量のデバイスが強奪されるという事件が発生しました。当時は営業時間内で、そこに居合わせた他の客達の目の前でその犯行は堂々と行われたのです。コスタメサのApple Storeはかなりオープンなデザインで、それが強盗が容易に入る原因となったようです。

それに対し、Appleは新しいワイヤレスセキュリティシステムを再設計し、対抗しようとしているようです。

本日米国特許商標庁(USPTO)は、「Appleストアの多段階ワイヤレスデバイスセキュリティシステムを含むセキュリティシステム」に関するAppleからの特許出願を公表しました。窃盗犯がデバイスを店外に持ち出して使用しようとすると、デバイスのディスプレイに警告メッセージが表示されたり、警告音がなるなどしてそのデバイスが周囲にその存在を知らせるというもので、更に物理的操作を受け付けない状態にするようなことも考えられているようです。

Appleの特許出願は、ワイヤレスデバイスセキュリティシステムが展示品や従業員が持ち運んでいるデバイスなどを含む決済されていない店内在庫デバイスがセキュリティエリアの境界に向かって移動している、またはセキュリティエリアの境界を通過して外に出ていると判断された場合、ワイヤレスデバイスセキュリティシステムが管理者の持っているデバイスに警告を送信する仕組みになっています。ワイヤレスデバイスセキュリティシステムが、店内在庫デバイスが2分などの設定された閾値時間の間、設定されたセキュリティエリア外にあると判断した場合、その店内在庫デバイスがサーバ側サービスにアクセスするのを防ぐことができるようになります。また店内在庫デバイスがセキュリティエリアに戻されるまで、アクティベーションサービスなどを停止することもできます。

今回の出願特許では、個々の店内在庫デバイスは自身の位置を監視し、それらがセキュリティ領域の境界に向かって移動されているとき、または別の領域に移動しているかどうかを判断するようになるとされています。店内在庫デバイスがセキュリティ領域の境界に向かって移動していると判断されたとき、在庫デバイスは警告音を出力して、在庫デバイスを携帯している人にセキュリティ領域の境界に近づいていることを通知します。また更に在庫デバイスが許可なしにセキュリティエリアの外に持ち出されたと判断された場合、店内在庫デバイスはセキュリティエリアの外に持ち出されたことを近くの人に知らせようとする何らかの音や警告などを許可なく発することができるとされています。

またセキュリティエリア外では、店内在庫デバイスは、ハードウェアボタンを無効にしたり、タッチ入力を無効にしたりすることなどによって、すべてまたは一部のユーザ入力を無視することもできるようになるということです。そして在庫デバイスが設定された閾値時間内にセキュリティ領域に戻らない場合は、例えばデバイスがオープンWi-Fiネットワーク或いはセルラー接続、或いはBluetoothメッセージなどを介して、そのデバイスがある場所と共に盗難通知メッセージを送信するという仕組みです。

それでは、具体的にAppleのAppleストアにおけるワイヤレスセキュリティシステム出願特許の図示を見ていきましょう。

以下の図1では、ワイヤレスデバイスセキュリティシステムのセキュリティエリアについて例示されています。また図10と図11では、セキュリティエリア外に出たデバイスにテンポに戻すような警告や、アクティベーションをするように促す警告が表示されることが図示されています。

以下の図3では、無線装置セキュリティシステムのためのネットワーク環境が例示されています。また図5では、ワイヤレスデバイスセキュリティシステムにおける店内在庫電子デバイス管理プロセスのフローチャートが図示されています。

以下の図7、8では、ワイヤレスデバイスセキュリティシステムの管理者用デバイスのユーザインターフェース(UI)の一例が図示されています。

下の図12では、店内在庫デバイスのビーコンシグナルの強度を示す図示がなされています。また図5では、ワイヤレスデバイスセキュリティシステムにおける店内在庫電子デバイスの管理フローチャートの一例が示されています。

下記の図28では、Apple Store内のすべてのAppleデバイスにこの新しいワイヤレスセキュリティシステムが適用され、保護されることが示されています。

本日米国特許商標庁(USPTO)により公開されたアップルの特許出願20190163937は、もともと2019年第1四半期に出願されたもので、比較的新しいものです。これが特許出願であることを考慮すると、このようなシステムが実際にApple Storeに投入される時期は現時点では不明といえますが、Appleは盗難防止のためにできるだけこのシステムを早く導入したいと考えていると思われます。

ワイヤレスデバイスセキュリティシステムは、システム側とデバイス側両方にセキュリティシステムを設けることで、より強固なセキュリティを実現し、実際にデバイスを持ち出されても実際には操作ができなくなり文鎮化し、ほぼ部品取り以外の用途でしか買い取ってもらえず、転売しても二束三文にしかならないようにするというもので、一定の効果はあるのではないかと思われます。

しかし米国もなかなか物騒ですね。

記事は以上です。

(記事情報元:Patently Apple

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