来月発表の折りたたみ【iPhone Ultra】に、実は専用の【Apple Pencil】が用意されかけていたそうです。Bloombergのガーマン記者によれば、AppleはiPad用より短い、ずんぐりしたApple Pencilを試作し、本体側面に磁石で吸着・充電する方式まで作り込んでいました。ただし製品化は見送りの公算が大きいとのこと。幻のアクセサリの話ですが、これがなかなか考えさせる話なのです。

報道の中身
- 試作されたのはiPad用より短いApple Pencil。折りたたみの携帯性に合わせた寸法
- 本体側面に磁石で装着し、そこで充電する設計。iPad Proのペン運用と同じ発想
- 社内でテストまで行われたが、初代iPhone Ultraでの発売は見込み薄
- ちなみにスティーブ・ジョブズが2007年に「スタイラスなんて誰が欲しいんだ」と切り捨てたのは有名な話。ただしあれは当時の感圧式スタイラスへの悪態で、創作用の筆圧ペンとは文脈が違います
Samsungが5年かけて済ませた答え合わせ
ではなぜ、作れたのに載せないのか。実はこの問いの答え合わせは、Samsungが先に済ませてくれています。同社は2021年のGalaxy Z Fold3で折りたたみにSペン対応を追加し、以後4世代にわたって続けました。ところが2025年のZ Fold7で対応を廃止。理由は薄型化のために画面下のデジタイザ層を取り除いたからで、Samsung自身が「ペンはそれほど使われていなかった」ことも認めています。
つまり、折りたたみにペンを載せるには画面の下にデジタイザという層が要り、それは厚みと重さと引き換えになる。そして5年間の実データで、折りたたみの買い手はペンより薄さを選んだ。約2,000ドルの高級機で出したFold7がペンを捨てた判断は、同じ2,000ドル超で薄さを勝負どころにするiPhone Ultraにとって、これ以上ない先行事例です。Appleは試作してから捨てたのではなく、Samsungの5年分の実験結果を見てから捨てた。後発の特権というやつです。
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もうひとつの理由は、10月に出る「あの製品」
もうひとつ、見送りには社内事情もありそうです。7.8インチの折りたたみ画面がペンに対応したら、それはほぼ「ポケットに入るiPad mini」です。そして皮肉なことに、AppleはこのiPhone Ultraの翌月、10月に有機EL化したiPad miniを出すと目されています。2,000ドル超の新カテゴリに、自社の8.3インチタブレットを食わせる理由はない。ペンはiPadの縄張りに残しておく方が、商売の地図としてはきれいです。
ペンを捨てないHUAWEIという対照
ここからは中国在住者としての話です。面白いことに、中国の折りたたみ勢は逆の道を歩いています。HUAWEIの縦折りではない大画面折りたたみ、Mate Xシリーズは現行のMate X6でもスタイラス対応を維持しています(ペンは中国国内でのみ販売)。中国では折りたたみがビジネスマンの道具として定着していて、手書きメモは商談の場での見栄えも含めて需要がある。市場が違えば、ペンの価値も違うわけです。
Appleの折りたたみが中国でHUAWEIの牙城に挑むとき、「ペンがない」ことがどう受け取られるか。薄さで勝ちにいくAppleと、道具としての全部入りで守るHUAWEI。9月9日の発表と、その後の中国市場での顔合わせが楽しみです。。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumorsが伝えたBloombergの報道。SamsungのSペン廃止は9to5Google・Android Authority、HUAWEIのスタイラス対応はTech Advisorの各リンク先)
※記事中の画像はイメージです。実際の試作品とは異なります。

