昨年5月、Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOが、「私たちはApple Payをぜひ中国に持ち込みたい」と語っていた。そして当ブログでも数回お伝えしているとおり、その言葉は本当に実現しそうだ。
中国のメディア”科客網“の報道によれば、現在は既に中国の広東発展銀行がApple Payのテストを完了し、テレビなどで放映予定の動画CMも撮影が完了しているという。言い換えれば、広東発展銀行は既にApple Payがいつでも始められる準備が整っているということだ。
今のところ確実なスタート日程は決まっていないが、ウォールストリート・ジャーナルの以前の報道では、内部情報に詳しい情報筋によると、AppleはApple Payの中国でのスタートを2月8日の旧正月(春節)前にする計画だという。もうすぐ目の前の話だ。
Apple Payが正式にスタートすると、ユーザは銀行カードとApple Payを関連づけ(紐付け)して、そのカードから支払うことができる。Apple Payでは冒頭の広東発展銀行以外にも農業銀行、中国銀行、工商銀行、招商銀行など16のメジャーな銀行が使用可能となる予定だ。あなたが支払いの操作をするときには、Apple Payに対応したTouch IDとNFCを搭載したiPhone/iPad等のiOSデバイス或いはApple Watchを、Union Pay(ユニオン・ペイ、銀聯)またはQuickPass(閃付、ユニオン・ペイのスマート決済)、及びApple PayのマークがあるPOSマシンにかざし、そして画面の表示に従って指紋認証をすれば支払いが完了する。当然、この決済の過程で銀行カードの情報を入力する必要はなく、取引相手にも銀行カードの番号を知られることもない。
ただ、当ブログでも何度も書いているとおり、中国のモバイル決済市場では既に”Alipay(支付宝、アリババ傘下のモバイル決済サービス)”と”WeChat Pay(微信支付、テンセント傘下のモバイル決済サービス)”の2強が市場を独占しており、Apple Payがどれだけそのシェアを食えるかどうかが注目される。AlipayもWeChat Payも様々なグルーポンやタクシーアプリなど便利なサービスと連動しているため使われやすいが、Appleは中国で総合的なOtoOサービスを全く提供できていないため、そのような使われ方は難しいだろう。
Apple Payは純粋なモバイルデバイス上の決済というよりは、実店舗での従来の銀聯カードが使用可能なPOSを使った決済に向いているのかもしれない。もちろん、小売店が対応したPOSを入れなければいけないというハンデはあるが。。(AlipayやWeChat PayはQRコードで支払えるためPOSが必要ない)。
記事は以上。
(記事情報元:科客網)