Appleが【Apple Intelligence】を中国本土で12月に提供開始する計画だと、9to5Macが10月14日付のBloomberg報道を伝えています。iOS 27.3に合わせて通知の要約や作文ツールなどを提供する一方、新しいSiri AIは対象外になるということです。中国本土のiPhoneでもようやく基本機能を使える見通しですが、アメリカや日本で案内されている次世代のApple Intelligenceとは機能に差が出るため注意が必要です。
12月に提供予定の機能と、対象外のSiri AI
9to5Macによると、最初に提供するのはジェン文字(Genmoji)、通知の要約、作文ツール、写真アプリのクリーンアップです。一部のアプリでは文章生成にも制限が付くということです。MacRumorsは、Siri AIに加えてImage Playgroundと新しいバージョンのジェン文字も対象外と伝えています。ジェン文字という名前が同じでも、中国本土で最初に使えるものは従来版になるようです。
米国でApple Intelligenceの提供が始まったのは、2024年10月28日配信のiOS 18.1でした。今回報じられた2026年12月との間隔は約2年2か月です。中国本土では、まず従来の基本機能をまとめて使えるようにする計画ということです。
一方、Appleの日本サイトは、Siri AIの日本語対応を年内と案内しています。当ブログでもお伝えした通り、EUでもSiri AIの提供が遅れていますが、EUではApple Intelligenceの基本機能は既に利用できます。中国本土では、その基本機能の提供開始になるのが年内、ということになります。
9月29日の許可と、モデル更新にも関わる当局の審査
Bloomberg報道を伝えた9to5Macによると、Appleは7月に初期の承認を受け、9月29日には最近のiPhoneでApple IntelligenceとAlibabaのAIモデルを使う許可を取得したということです。モデルにはQwenと、画像・動画生成のTongyi Wanxiangが含まれます。Engadgetも10月14日、South China Morning Postを引用し、中国の工業情報化部による許可と、iPhone Duo・iPhone 18 Proのネットワーク接続許可の更新を伝えました。7月の初期承認に続き、具体的なモデルをiPhoneで使うための許可が進んだ形です。
同じBloomberg報道では、AppleはAlibabaと共同で、中国当局がAIモデルの継続的な更新を承認できる仕組みを用意したとされています。また、検索とSiriに関する機能ではBaiduとも協力しているということです。そもそも中国内にはAIに関しては強い規制があることもありますが、中国独自仕様のAIでないとそもそも中国国内ではアクセスできないというのもあります。
iPhone Duoを中国本土で買う人への影響
Apple中国本土のiPhone Duoのページでは、10月16日に予約開始、10月23日に発売と案内されています。Apple Intelligenceの提供時期は規制当局の審査状況によるという脚注もあります。報道どおり12月に始まるなら、発売日に買った人が基本機能を使えるようになるのは約1〜2か月後です。Siri AIを購入理由にする人にとっては、中国本土向けでいつ使えるようになるかは全くの未知数なので(もしかしたら一生使えるようになれないかもしれません)、期待はしないほうがよいでしょう。Siriではなく、中国独自のAIを載せてくる可能性も、なきにしもあらずですが、それですと基本機能との連携が難しそうですね。
Bloomberg報道は、HUAWEI(ファーウェイ、華為)、Xiaomi(シャオミ、小米)、OPPO、vivoなどの競合が既にAI機能を提供していることにも触れています。中国の利用者には、AI機能を載せたスマートフォンが既に選択肢にあるわけです。Appleにとって今回の提供開始は、とりあえずはまず競合に対する不足を埋める動きといえるでしょうが、AIに関しては既に負けているともとれます。
これまで当ブログの中国本土・香港・日本版の比較記事でも取り上げた通り、iPhoneは購入地で仕様が変わります。AI機能も購入地を選ぶ際の基準となる、典型的な違いとなります。
中国在住の日本人は、購入地とアカウントの地域を確認
Appleのサポートページによると、中国本土で購入した対応デバイスは、現在Apple Intelligenceの提供対象外です。中国本土以外で買った端末でも、中国本土に住み、Apple Accountの国/地域が中国本土の場合は同じ制限を受けます。日本で買った対応iPhoneを日本のApple Accountで使う人は、この中国本土向けの制限条件からは外れます。利用には対応OSと対応機種に加え、デバイスとSiriの言語を同じ対応言語に設定する必要があります。
中国本土で買った対応端末については、Appleは、現地で提供が始まれば以前に買った対応機でも機能を有効にできると説明しています。手元に対応機がある人は、その端末での提供開始を待つしかありません。基本、同時リリースだと思われますけども。
小龍的にはこう思った
中国本土でApple Intelligenceが始まることは、通知の要約や作文ツールくらいのレベルをを待っていた人には今回の計画は前進となりますが、会話やアプリ操作を担うSiri AIを使いたい人には、引き続き中国本土向けの提供時期が問題となります。正直、中国でSiri AIが承認される可能性は非常に低いと思われます。Appleはプライバシーを大切にするという姿勢を崩していませんが、中国ではデータセンターを中国国内に置き、国家安全に関わることであればそこからのデータの提供を義務づけています。Appleはプライバシーに関しては情報を収集しないとしていますが、AIに関しては使用される段階においてどうしても学習が必要となります。その際にユーザが入力して知り得た情報を、中国政府に引き渡すかどうかはAppleが判断できることではありません。提供を拒否したら法律違反となってしまうわけですから。。
AIについては、LLMに関しては制約が少ない方が当然成長も早くなります。しかし中国においてはあまりにも多くの制約があります。主に中国政府にとって都合の悪いキーワード、NGワードがとんでもない数存在することや、扱うことそのものを禁止する話題が多かったりするからです。そして、Apple自身もプライバシーを重視するあまり、ユーザからの情報を他社よりも多く取り込めないため、AIの成長が遅いのです。既にAIとしては世界の覇者となっている他社との協業をするしかありませんが、Siri AIではどこまで協業しているのでしょうか。中国でのSiri AIも中国独自のAIを持っているところと協業してくのでしょうけれども、それが果たしてAppleらしいサービスの提供に繋がるかどうかは、未知数と言わざるを得ません。
| 【Siri AI】のEU向け提供は、最短でも約5か月遅れる可能性があるとBloombergのマーク・ガーマン氏が予測しています。MacRumorsが伝えた見通しでは、iPhoneとiPadの利用者はさらに長く待つ可能性もあるということです。一方、Appleの日本公式ページは日本語への対応を年内と案内しています。日本の方がEUよりも早くSiri AIが採用される可能性が高くなってきました。EUのiPhoneとiPadでSiri AIの提供が遅れる背景MacRumorsによると、ガーマン氏は最新のPower Onで、EUでのSiri AIの遅れは約5か月で済むのが最も順調に進んだ場合で、それ... 【日本語は年内予定】Siri AI、EUのiPhoneでは最短でも約5か月待ちか - 小龍茶館 |
| 更新:日本時間2026年09月10日04:54。日本時間2026年9月10日に発表された【iPhone 18 Pro】【iPhone 18 Pro Max】と【iPhone Duo】。今年、中国本土版Proは物理SIM2枚を残しながらeSIMにも対応しました。香港版Proは物理SIM1枚とeSIM、日本版ProはeSIM専用です。そして折りたたみのDuoには、どの地域のモデルにも物理SIMスロットがありません。前年のiPhone 17特集と同じように、SIMの組み合わせだけでなく、電波の対応範囲、機能の地域制限、中国本土・香港・日本の容量別価格まで比べます。中国本土で暮らす人、日中を行き来する人、... 【たぶんどこよりも詳しい】iPhone 18 Pro・Duoの中国本土・香港版SIM仕様と価格比較 - 小龍茶館 |
記事は以上です。
