サイトアイコン 小龍茶館

Appleは特許の大ナタを振るう一方、他社への特許無効申請も一番多い会社に

2012年9月以来、AppleがUSPTO(米国特許商標局)の特許審判部(PTAB)に提出した252通の反対意見は、2位のサムスン(SAMSUNG)に比べて100通近く多いことがわかっている。

Photographer: Noah Berger/Bloomberg News.

AppleはPTABへの他社の特許への無効申請が最多に

1月22日、フォーブス(Forbes)の記事によれば、Appleは大量の特許を取得して大ナタを振るう一方で、更に他社が出した特許についての反対意見の提出数も最多であることがわかった。

冒頭の通りAppleがPTABに提出した反対意見の252通は最多で、2位のSAMSUNGとは大きな差がある。ちなみにAppleとサムスンの下にはグーグル(Google)、LG、マイクロソフト(Microsoft)と続く。

 

PTABの功罪:大企業による弱者からの搾取という批判も

米国の法律では特許申請に対して異議を提出してよいと認められているため、PTABはそのような活動の温床となっているとしばしば指摘される。PTABを批判する人の中には、PTABを特許の”死刑執行部隊”だと揶揄する人もいる。またPTABはテクノロジー業界の大企業による小さな発明者からの搾取を幇助しているとする人も。

AppleのPTABでの挙動は、知的財産を守るためにはなりふり構わず行動するということを表明しているともいえよう。また、Appleは他のシリコンバレーの企業に比べて特許制度改革についてあまり熱心ではない。

 

PTABの功罪:パテントトロールから企業を守る役割も

ただ、PTABの存在は逆に大企業を”パテントトロール”と呼ばれる、ペーパーカンパニーが資金を持って時間の経った古い特許を持っている企業や特許そのものを買収して、それをもとに大企業に特許裁判を仕掛けて賠償金を得るのを目的とした会社から守るという役割も果たしている。

 

特許無効申請の成功率は低いという実態も

Lex Machinaの主席法律科学者のBrian Howard氏は、新しいレポートでPTABを批判する意見に反駁している。Howard氏によれば、PTABは巷で呼ばれているような”特許の死刑執行部隊”には遠く及ばないという。というのも、企業が提出した特許無効チャレンジのうち、たった23%しか成功していないからだという。

Howard氏は、PTABが裁定した無効特許の数量が増えているように人々が感じるのは、批判する人がそれらの無効特許申請チャレンジが”institution stage(制度段階)”で既に失敗していることを認めないからだという。つまり、PTABは正式な聴聞会を開いてそれらのチャレンジを差し戻すことさえ必要ないということだ。

Howard氏の解説によれば、Lex Machinaがこのレポートを発表したのは、彼らの分析ツールのプレゼンのためでもあるという。このツールには裁判官の過去の経験データや、特許無効申請チャレンジの多数のジャンルやチャレンジを受けた特許の多数のジャンルの分析も含まれる。PTABが受理した特許無効チャレンジの中で、通信や半導体に関する特許が最多で、機械工学やバイオテクノロジー系の特許に関するものは比較的少ないという。

「Lex Machinaは、今でもPTABの役割や業務について明確に正しく理解できるための情報が足りないと感じている」とHoward氏は語る。「このレポートが示す参考データによって、皆さんはPTABが特許の世界でいったいどのような役割を演じているのかを理解できるでしょう」。

ということなのだが。。理解できただろうか?

 

画蛇添足 One more thing…

要するに、Appleは特許出願数や取得した特許も非常に多く、またその特許を使った裁判なども多いだけではなく、逆に他社の申請した特許に難癖をつけたりすることも多いということでメディアに批判されているというわけだ。

Appleは”パテントトロール”に最も狙われる企業の1つでもあるが、逆に他社に対しても自身が”パテントトロール”まがいの行動をしていることになる。今のところ特許制度が自社に有利に働いているため、制度改革にも消極的なのだろう。

もちろん、発明を守ることは大切だが、あまりにやりすぎると産業の発展の妨げになることもある。そのあたりの”見極め”をPTABには期待したいところなのだが。

記事は以上。

(記事情報元:Netease TechnologycnBeta

 

モバイルバージョンを終了