AppleとAdobeの確執は、実は単なる電話に関する問題が発端だった!?BGRが「さすがジョブズ!」と思わせる面白い記事を公開しているので要約や意訳によってご紹介したい。
AppleとAdobeのiPhoneとFlashを巡る確執
AppleとAdobeの確執は、もうずっと前からのように思えるかもしれない。この2社間の争いは、iPhoneがFlashのサポートを打ち切ったことから始まった。当時AdobeはAppleのその措置を競争原理に反する行為だと批判し、Apple側はFlashそのものが性能上またセキュリティ上に大きな問題を抱えており、悪夢のようだとけなしていた。
ジョブズの公式文書が更に事態をエスカレートさせることに
2010年4月、時のAppleのCEOスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)は、Appleの公式サイト上で長文《Thought on Flash》を発表した(なんと現在も閲覧可能!最後にもちろんSteve Jobsの署名がある)。そこに、詳細にAppleがFlashのサポートを断ち切り、HTML 5をプッシュする理由が書かれており、それによって両社の争いは更にエスカレートしてしまったのだった。
ジョブズの当時の決定は正しかった
今となってみれば、当時のジョブズの判断は賢明なものだったと多くの人が感じている。AndroidがFlashによって苦しんでいるところを目の当たりにして、ジョブズの決定を支持する人は更に増えたことだろう。
元Apple従業員が当時のエピソードを暴露
そして最近、元Appleのソフトウェア開発マネージャーのBob Burrough氏がTwitter上で、iPhoneがFlashをサポートしなくなった話を蒸し返した。
In 2008, Apple tested support for Flash on iPhone. I personally used Pandora’s Flash client.
— ᴮᵒᵇ ᴮᵘʳʳᵒᵘᵍʰ (@bob_burrough) 2016年12月6日
またBurrough氏はジョブズがiphoneがAdobeのFlashテクノロジーをサポートしなかったのは実はセキュリティ問題とはそれほど大きな関係はなく、AdobeはAppleの提携パートナーで、むしろセキュリティ問題が出現してはいけない時に頼れるサポートを提供してくれる相手でもあったことを振り返っている。
Bob Burrough氏は更に、当時AdobeのShantanu Narayen CEOがジョブズの電話に出なかったことが、ジョブズを怒らせたという裏話を暴露している。ジョブズはそのことが原因でAdobeとの提携を打ち切ることを社内のチームにも説明した。Shantanu Narayen CEOのこの挙動が、ジョブズに、彼が抱えていた”単純なエンジニアリングの問題”をAdobeが解決できないと信じ込ませてしまったというのだ。
「多くの人がその後、iPhoneがFlashをサポートしなかったことで、スティーブを激しく攻撃しましたが、私はそれに対して腹立たしく感じていました。いずれにせよ、技術的な面から見れば、この決定は正確で間違いなかったのです。Adobeは無恥なパートナーでした。今となっては10年が過ぎましたが、時間がジョブズが正しかったことを証明しています。そしてFlashは死に、Adobeは今でも同じように無恥なパートナーです」
@bob_burrough couldn’t count on them do it.
— ᴮᵒᵇ ᴮᵘʳʳᵒᵘᵍʰ (@bob_burrough) 2016年12月6日
誰も予想だにしなかった”真の原因”、結果的には正しかった判断
AppleとAdobeがこれほど長い紛争を繰り広げているのは、もとはといえばAppleがAdobeがテクニカルな問題を解決できないと考えたからとされていたが、まさかAdobeのCEOがジョブズの電話に出なかったことが原因だったとは誰が想像し得ただろうか。
しかし原因は何にせよ、Burrough氏の言うとおり、iPhoneがFlashをサポートしなかったことはAppleにとって賢明な選択肢だったことには変わりがない。ジョブズが感情的に決定したことにせよ、技術的には完全に正しく、そして結果的にAppleは悪夢を見なくて済んだからだ。
もしかしたらジョブズはそこを全部わかった上で、自分の権威を示すための芝居をうったのかもしれない。。いや、実際本当に電話に出なかったので頭に血が上った可能性の方が高いかもしれないが。。笑
記事は以上。
(記事情報元:BGR)