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Appleとクアルコムの裁判メンバーから、Appleのエディー・キューSVPが外れることが判明

こじれにこじれているAppleとクアルコム(Qualcomm)の特許を巡る裁判。先月、ティム・クック(Tim Cook)CEOが、クアルコムとの裁判の担当者の変更に迫られていることが報じられましたが、どうやらAppleから違うSVP(Senior Vice President、上級副社長)が担当者リストに追加されることになりそうです。

Bloombergの報道によると、Appleのエディー・キュー(Eddie Cue)SVPがこの裁判から外されることになりそうです。どうやら、Appleはエディー・キューSVPの異動について主張をしたのですが、サンディエゴのMitchell D. Dembin連邦判事は、エディー・キューSVPがこの案件には適任ではないとして参加を拒否したということです。

Appleは11月にエディー・キューSVPはこの案件について、単なる監督的な立場にいただけだったとして差し戻しを求めていました。クアルコムはエディー・キューSVPが初代iPhoneが2007年にリリースされた(当時はAT&T独占契約)時から、クアルコムとの交渉の際のトップであったことを指摘しています。

この案件は、Appleがクアルコムのチップ(通信用モデムチップ=ベースバンドチップ)をiPhoneに使用していることから、クアルコムがその特許費用をAppleに支払うよう要求している、というものですが、Appleはクアルコムが市場における独占的立場を乱用して、法外な特許額を要求しているとし、その費用について裁判によって去年1月から法廷で争っているというものです。Appleは10億ドル(約1,100億円)余分に支払っていると主張しています。それに対し、クアルコムは特許権の侵害だとして反駁しています。

AppleはiPhone 7以降に採用しているモデムチップについては、インテル(Intel)とクアルコムと2社からの購買に切り替えており、今年のiPhoneからは全てインテルのチップを使うように切り替えるといわれています。

エディー・キューSVPは、ジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)COO兼SVPと、マーケティング担当トップのフィル・シラー(Phil Schiller)SVP、ハードウェア担当のトップのジョニー・スルージ(Johny Srouji)SVPと共に審問には参加する予定です。4月に、Appleとクアルコムは6月27日にティム・クックCEOが宣誓証言をすることに同意していました。

Appleとクアルコムは複数の裁判所の管轄権において裁判を繰り広げていて、解決に時間がかかっています。今回のエディー・キューSVPが裁判のメンバーから外れたということが、Appleとクアルコムのどっちにとっていい結果に転ぶかはわかりませんが、Appleとしては今後クアルコムとの関係を絶つことで、裁判の影響を最小限にしたいと考えているのかもしれません。実際のところ、インテルのモデムチップはクアルコムのレベルまで追いついていないということもありましたが、Appleが大量に採用することで技術的にも追いついてくるのではないでしょうか。

記事は以上です。

 

(記事情報元:Apple Insider9to5Mac

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