Apple Musicを使っていると、iTunesで管理していたローカルの楽曲ファイルが消えてしまうというバグが報告されている。そんなバグに遭遇したJames Pinkstone氏はAppleにこの問題を報告したところ、Appleが二人のシニアソフトウェアエンジニアを派遣して検査しに来たとブログで報告している。「いや、僕を抹殺に来たわけじゃなくてね」というユーモアも忘れていない。
先週土曜日、二人のApple社員のエンジニア、TomとEzraがカリフォルニアからPinkstone氏がいるアトランタの家まで飛び、iTunesによって122GBもの大量の音楽ファイルが削除されてしまった問題を調査しに来たという。
今月頭に、Pinkstoneは自分がコンピュータのローカルディスクに保存していた音楽ファイルがなぜか削除されてしまっていることに気がついた。彼はすぐにAppleのサポートにヘルプを求めたが、サポートは問題の所在を突き止められず、この問題はApple Musicとの互換性と関係があると推測するに止まっていた。
Appleはその後この件はテストでは発見できない問題であったことを認めたが、この件は必ず修正すると約束した。果たして昨日リリースされたiTunes 12.4でこの問題は解決したようだ。
先週末、TomとEzraはPinkstoneのApple Musicアカウントをもう一度アクティベーションし直し、正常にiTunesと同期をし、同期がとれていないファイルをiCloudにアップした。そしてその修復作業の間、とある特殊バージョンのiTunesが何らかの異常なコードがないかを常に追跡し、二人のエンジニアはこの問題を解決するために更に検討が必要だと言ったという。
TomとEzraは土曜日の午後に帰ったいい、彼らはPinkstone氏に正常にiTunesが使えるようにした。またTomは日曜日にまた戻ってきて、データを収集したという。しかし数時間を経過しても彼らとAppleはテスト中に同じ問題を再現できなかったという。
結局問題の原因は特定できなかったが、Pinkstone氏は今月頭のブログ記事では中指を立てたコールサインでAppleを名指しで批判していたのに対し、今回の報告ブログでは特にエンジニアのTomとは話が合ったようで、2日目の日曜日にはすっかり打ち解けてホラー映画の話などで盛り上がったなどのエピソードを交えて紹介している。またPinkstone氏はAppleがユーザの問題を解決するためにとった行動と態度に、表現を工夫して間接的ながら賞賛の言葉を贈っている。
Appleのこの対策はなかなか素晴らしいと思う。世界一の市場価値を持つ会社のサポートの真摯な態度には、どんなクレーマーも、よほどお金をせびってやろうという黒い目的以外の人でなければやはり感動するだろう。しかしこのApple Musicによるローカル音楽ファイル削除問題は他にもどれだけ被害者がいるのか気になるところだ。私はこんなこともあろうかとApple Musicを使っていないのでわからないが。。(iTunes Matchは使っているが、今のところ特に問題ない)
記事は以上。
(記事情報元:AppleInsider)