5年で世界No.1のスマートフォンメーカーになるという「夢」。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(xiaomi、以下小米)のCEOレイジュン(雷軍、雷军)の素晴らしいスピーチに出てくる。
このスピーチについては中国語で読んでいたので以前から知ってはいたが、友人寺村氏の書いているブログで日本語でこう紹介されると余計にテンションがあがるというものだ。
■奮い立つ!小米(Xiaomi)董事長 雷軍の台湾での新年の挨拶(前編)
■奮い立つ!小米(Xiaomi)董事長 雷軍の台湾での新年の挨拶(後編)
そんな小米が満を持して5月12日に発売したAndroidでは超高性能なのに値段はそんなに高くないというコスパが非常にいい”小米Noteハイスペック版(Xiaomi Note Pro)”を買ってみた。
価格は2,999元(約58,000円)。なのだが、、実はちょっと色々裏がある。。笑
Xiaomi Note Pro性能・仕様表
まずはXiaomi Note Proのスペックのおさらいだ。すさまじい性能である。。
しかも4G LTEカードが2枚挿しできるのは非常に大きい。。
・CPU:Qualcomm Snapdragon 810(オクタコア)
・GPU:Adreno 430
・ディスプレイ:SHARP/JDI 5.7インチ2Kディスプレイ、解像度2,560×1,440ピクセル、515PPI
・SIMスロット:SIM2枚挿し2枚同時待ち受け 2枚同時4G可能(Micro SIM+Nano SIM)
・パケット通信:LTE CAT9対応 450Mbps
・CPUメモリ:4GB LPDDR4
・内蔵メモリ容量:64GBのみ
・背面カメラ:SONY 1,300万画素 F2.0 光学手ぶれ防止機能・32秒シャッター開放機能付きカメラ、14bit画像処理プロセッサ、PHILIPSデュアルフラッシュ
・前面カメラ:400万画素カメラ
・音響:HiFiミュージックシステム(SmartPA)
・バッテリー:3,090mA/h
・曲面ガラス採用、アルミフレーム(金色)
・OS:Android 5.0.2搭載
・Bluetooth 4.1対応
・Wi-Fi:802.11ac対応、Wave2 MU-MIHO仕様
・価格:2,999元(約58,000円)
Xiaomi Note Proゲット
購入はもちろん小米のオフィシャルサイトから、と思ったのだが、小米は基本的にネット企業出身なので、自社のオフィシャルサイトでしかものを売っていない。毎週火曜日12時に製品を売り出すのだが、先週火曜日の5月12日(Xiaomi Note Proの発売日)、そして先ほどの5月19日の2回とも、1秒以内で売り切れた。
完全に転売ヤーがクリックしまくっているのだと思う。。
というわけで、悔しいが中国最大のネットショップサイト、Alibabaが運営するtaobaoのBtoC版、Tmall(天猫)にて現品ありというところから買ってみた。
価格は600元上乗せの3,599元(約69,550円)。約7万円だが、それでもこの性能に対しては安い!ポイント使ってほんの少しだけ安くなった。。笑
出荷元は山東省済南で、送り先は武漢。購入したのは一昨日17日で、届いたのが今日19日ということで2日で届いたことになる。運送会社は中国で最もいいと言われるSF Express(順豐速遞)。なかなか優秀かも。
Xiaomi Note Pro開封儀式
箱もなかなかかっこいいので写真公開。
■個装箱は黒。高級感漂っている。さすが演出がうまいね雷軍。
■箱の裏はこんな感じ。IMEIが書いてあるが、デュアルSIMだからなのか、1台にIMEIが2つあるのが面白い。シリアルナンバー(SN)は1つだけ。
■開けると、こんな感じで。。いきなり本体が。。で、電源入っとるやないの!w さすが転売品。。ちなみに画面の真ん中に「为发烧而生(為發燒而生,”お熱になるために生まれてきた”的な)」という小米の宣伝文句が書いてあるのはフィルムが貼ってあるから。
■本体とトレーをとると、下から付属部品が。充電アダプタとMicro USBケーブル(それぞれ白い袋に入っている)。そして取説と、SIM取り出しピン。これはもう完全にiPhoneのパクりインスパイアだね。
では、本体をじっくり見てみよう。
■正面
まず正面。画面が大きく、ベゼルが非常に狭いのがわかる。解像度は非常に高い。iPhoneのRetinaにひけをとらない。
■左側面
SIMトレイがある。後で開けてみる。
■底面
真ん中はスピーカーとマイクが一体になっているのか、わかれていない。
左はMicro USBの差し込み口。白の日本はアンテナ。個人的にはiPhoneよりいいと思う。
■上側
こちらにもアンテナが。そして上側に謎の穴が。イヤホンも上側にある。
■右側面
右側がボリュームボタン、その下が電源ボタン。正直同じ側にあるとボリュームと電源を間違えて押すので、これはマイナスかも。
■裏側
ネットワーク許可やらIMEIなどが書いた紙が貼ってある。。が、これはシートの上に貼っているだけで、本体に貼られているわけではないのでご安心を。カメラカバーもある。その横には、どこかで見たようなデュアルフラッシュが。。
ちなみに裏蓋は紅米Noteなどと違って開けられなくなっている。だからバッテリーの交換もできない。またMicro SDカードなどを挿すこともできず、本体64GBの内蔵メモリに頼るしかない。iPhone6で128GBを使い慣れた人には物足りないかも。
■SIMトレイ取り外し
SIMトレイはiPhone用のSIMトレイ取り出しピンでも取り出せる穴のサイズ。で、取り出すと。。
■SIMトレイ
デュアルSIMなので、2枚トレイに載るようになっている。上がMicro SIM、下がNano SIMサイズだ。
■付属品
これは私がTmallで買ったからだが、なかなかいろいろなものが沢山ついてきた。
強化ガラスフィルム、Micro SIMカッター、Nano SIMカッター、イヤホン、マウスパッド、スマートカバー。
個人的にはSIMカッターが2つもついてきたのに驚き。かゆいところに手が届くサービス。笑
Xiaomi Note Proを、日本人として使えるレベルにする
iPhone6 Plusよりも強力な感じのXiaomi Note Proのスペック。
SIMが2枚挿せるのでメインマシンにしてしまいたいのだが、さすがにそれをやるとAppleブログ的にもよろしくない。。ということで、とりあえず以下のことを進めてみた。
日本人の使い方として、以下は実現したい。以前の紅米Note(Redmi Note)とあまり変わらないけども。
1. VPNを入れる:これは外国人として中国滞在中には必須!
2. Googleサービスを使えるようにする:AndroidなのにGoogleのサービスが使えないのはちょっと、ということで
3. Root化して日本語化する:iOS脱獄をしている私がAndroidはRoot化していないのは変なのと、日本語化は需要があるかなと思った。ちなみに日本語化にもRoot化が必要のよう。
4. Macと直接ファイルのやりとりができるようにする:ほぼおまけ。
1. VPNを導入する
中国大陸で中国のサービスを使うだけなら、何も不満はないのだが、Google含む国外のサービスを使うときには必須。
ということで、もちろん私自身もブログでオススメしている2つのサービスを導入。
ちなみに私自身の手順としては、まず12VPNとつながるNowのPPTP接続でVPNを手動設定した。自動接続アプリなどは、Googleサービスを導入しないとできないからだ。
追加方法は、上記のリンクから行けるそれぞれのサービスの公式サイトにて最新の情報をチェックしながらどうぞ。
なお、下の2.を完了させた後は、以下の様なアプリも導入して、簡単にVPNに常時接続できるようにした(ただ、なぜかつながるNowのOpenVPN for Androidはうまく動作しなかった。追加検証必要)。
■12VPN
OpenConnectというアプリを導入。
■つながるNow
OpenVPN for Androidというアプリを導入。
2. Googleサービスを使えるようにする
今回簡単な方法で、VPNを一切使わずにアプリをそろえることができた。
■小米应用商店(xiaomi App Store)で、Google App Downloader(谷歌应用下载器)をダウンロードする
■Google App Downloader(谷歌应用下载器)で何かをダウンロードしようとするとGoogleサービスフレームワーク(Google 服务框架、Google Service Flamework)及びGoogle Play サービス(Google Play 服务、Google Play Services)、Google Play(Play 商店)をダウンロードするように言われるので、インストール。下の方のボタンでここに表示されているファイル全部を入れてしまった方がいいかもしれない。
そしてインストールするまでは中国国内ネットワークを使うのでVPNさえいらない。
これでGoogleのサービスが使えるように。なんだか思ったよりえらい簡単だ。。
ちなみにGoogle App Downloader(谷歌应用下载器)を使えばGoogleのサービスのアプリの全てを中国国内ネットワークでDLすることができて非常に便利。
3. 日本語化する
今のところ小米は公式には日本語ROMがないので、Morelocale2による日本語化をするしかない。
情報は以下の2つのサイトから。
・バムガジェット「小米3 Xiaomi3 (4) 日本語化」
・juggly.cn「Galaxy S 4グローバル版を日本語化する方法」
上記によれば、Morelocale2を使っても、ある設定でたがを外してやらないと日本語にはならないという。結構面倒くさそうで気が滅入ったが、私がやってうまくいった手段を紹介する。
MIUI6 beta(開発版)を導入する
開発者設定をオンにする目的は、USB debuggingをオンにするためだ。そうしないと日本語をオンにするためのたがを外すためのアプリが動かないからだ。
普通は設定アプリのaboutでバージョン番号のところを7回タップしてから設定に戻ると開発者メニューが出るらしいが、現在のXiaomi Note Proに標準搭載されているLolipop(Android 5.0.2)では5回以上タップするとLolipop(ペロペロキャンディー)が出てくるだけで何もできない。MIUIの特別仕様なのかもしれない。
ということで、一番簡単な方法をやってみた。
■小米オフィシャルの小米手机助手を入手
Windowsマシンと小米携帯を繋いであれこれやるにはドライバが必要。小米が公式で公開している小米手机助手を公式サイトからダウンロード。
■小米手机助手を実行し、ドライバをインストール
小米手机助手をWindows上で実行し、USB接続でXiaomi Note Proを接続すると、勝手にドライバのインストールが始まる。
■小米助手で”刷机”を実行。Appleでいうところの復元だ。
■Fastbootモード→開発版(开发版、beta版)を選択→上書き
指示通り、Fastbootモードにする(スリープ状態で音量下ボタンとスリープボタンを長押しする)。
小米助手が自動的に判断し、通常版か開発版(beta版)を入れるか聞いてくるので、開発版を選択。
あとは小米助手が勝手に色々やってくれて、ダウンロードから何からMIUIの開発版のインストールが完了する。中身は全部消えるので、最初にやっておこう。下の写真は紅米のもの。
開発者設定をオンにする
■開発者メニューに入って、USBデバッグモードをオンにする
设置(Settings)の”其他高级设置(Additional Settings)”の下の方に”开发者选项(Developer options)”が現れるのでタップ。
USB调试(USB debugging)をタップしてオンに。
MoreLocale2で日本語設定ができるようにする
■刷机精灵をダウンロードしてインストール
Root化したり、ROMを焼く、復元するなど色々なことをするために非常に便利な中国製のツールの1つ。これを使って、日本語化設定ができるようになるためのおまじないをする。
公式サイトからWindows用のアプリをダウンロードしてインストールしよう。
■刷机精灵を本体側にもインストールする(これは自動)
刷机精灵をWindows上で実行し、USBで紅米Note本体を繋ぐと、本体側にも刷机精灵のAndroid用アプリがインストールされる。
■少し本題から外れるが、本体側の刷机精灵の「一鍵Root」で一発でRoot化可能なのでやっておきたい。
■はい!ボタン1発でRoot化が終了
■Windows版の刷机精灵で、adb Shellコマンド実行
Windows版の刷机精灵の上側のアイコンの、”实用工具”をクリック、右側のAdb命令行をクリック。
出てきたスクリーンに、
adb shell pm grant jp.co.c_lis.ccl.morelocale android.permission.CHANGE_CONFIGURATION
と打ち込んで(コピペでOK)Enter。
何も表示されずにプロンプトに戻ればOK。これでMoreLocaleで日本語が選べるようになる。
Morelocale2で日本語適用
■Morelocale2をダウンロードしてインストール
App Store(小米商城)でMorelocale2を百度で検索し、インストールする。VPNはいらない。
■Morelocale2を実行、日本語を適用
Morelocale2をタップして起動、日本語(一番下までスクロール)をタップ。
これでシステムのだいたいの表示は英語になるが、アプリなどは日本語化される。
日本語入力は、私はGalaxy Note 1や紅米NoteにATOK for Androidを単体購入しているのでインストールして使用中。Android定番で無料のSimejiやGoogle日本語入力でも特に問題ない。
そんなわけで、かなり英語ばかりではあるが、Google標準のところだけ日本語になるという中途半端な日本語環境は揃う。海外で使う人には問題ないのでは。
4. Macと直接ファイルのやりとりができるようにする
これはかなりおまけ的だが、MacでXiaomi Note Pro(に限らずAndroidデバイス)のスクリーンショットを取り込んだり、ファイルのやりとりをすることができるアプリがある。
Android File Transferだ。公式サイトからダウンロードしてインストールすればOK。
ちなみに小米のMIUIでのスクリーンショットの撮り方は、音量小ボタン+Menuボタン。
最初よくわからずに色々と試してしまった。。笑
まとめ
Xiaomi Note Pro、気に入ったところと気に入らないところ
気に入ったところ
・動きがスムーズ、サクサク
さすがAndroid最高級スペック。紅米Noteで既にMIUIとAndroidのスムーズさにはびっくりしてたが、Xiaomi Note Proは更にその上を行くような気がする。全然ストレスを感じない。4GBのメモリも十分で、普段使いに全く問題ないレベル。
・大きさ、手触りが手頃
ベゼルが狭く、画面が大きい。iPhone6 Plusよりも少々大きいサイズで最高に使いやすい。iPhone6/6 Plusのようにガラスにカーブはないが、逆に背面にカーブがあって、この手触りが良い。
・画面が綺麗
解像度は申し分なく、紅米Noteの時に感じていた画面の粗さも全くなく最高の使い心地。
・デュアルSIMが便利
iPhoneには逆立ちしても真似できない、デュアルSIM。しかも2枚同時待ち受け可能。これは海外派や、通話とデータのカードを分けている人には非常に便利だ。2代目ケータイやポケットWi-Fiを持ち歩く必要もなくなる。
・日本語入力が非常にいい
これはAtok for Androidのおかげなのだが、iOSよりもストレスなく入力できる。
気に入らないところ
殆どがAndroid OSに起因することだが以下の通り。
・VPN接続が面倒、不安定
これはAndroidそのものの問題だ。
・文字フォントが汚い
Windowsを使ってもそう思うが、やはりApple製品のMac OSやiOSはスティーブ・ジョブズのこだわりをひきついでいることを実感。
・日本語化が殆どできない上に面倒くさい
上記の通り、日本語化は少々面倒くさい上に、殆ど日本語化されない。
・多言語切り替えが面倒
わざわざ上からメニューを下ろしてきて選ぶのはかったるい。
・Micro SDカードが使えない
これはAndroidの利点を消しているような気がする。。が世の中はもうクラウドの時代なのかもしれない。。
・バッテリー交換ができない
バッテリーが劣化したらどこかに修理に持ち込まないと行けないということだ。
Xiaomi Note Pro、ファーストインプレッション
安卓机皇”Andoroid機の皇帝”というだけあって、性能に関しては申し分ない。小米CEO雷軍の夢を感じさせてくれる機体だ。2週間連続で1秒で売り切れ、ネットでプレミアがついていることからもその人気や期待がわかるというものだ。
あとはもう少し使ってみて、感想を書きたいと思う。
もう少し日本語化がうまくいくようになれば、日本人にも受け入れられるかもしれない。方法をご存じの方は是非ご連絡を!私がちきちき翻訳してもいいし。。笑
おまけ
Xiaomi Note Proに、私も開発に関わっている究極のiPhone用カバー、”Palmo(パルモ)”iPhone6 Plus用をつけてみた。
結果、全てに干渉せずいける!カメラも塞がっているようで全く塞がらず。もちろん、専用に作る予定ではある。。かもしれない。
■背面のmiロゴもばっちり露出。
■白とローズゴールドが基調のXiaomi Note Proには黒もお似合いかも。。
■カメラはかぶり気味だが、実際撮ってみたら全く干渉していない。
記事は以上。