Appleは自社でモバイル用Aシリーズプロセッサを自主開発していることは知られているが、内部のCPUとGPUのコア・アーキテクチャそのものはAppleによって作られているものではない。
Imagination Technologies の PowerVR GT7600は、iPhone 7シリーズで採用されているGPUの発展版
例えばiPhone 7シリーズのA10 Fusion チップで採用されているGPUは、Imagination Technologies の PowerVR GT7600 アーキテクチャを基にしたものだ。そしてPC Worldの報道によると、そのImagination TechnologiesがSeries 8XT GPUを新しくリリースする予定で、次世代iPhone【iPhone 8(或いはiPhone 7s)】のA11チップ(仮称)はその恩恵を受けるかもしれないという。
Series 8XT GPUによってiPhone 8はまた最速になるか
Series 8XT GPUは、Series 7XT GPUの後継で、後者は正にiPhone 7シリーズに用いられているアーキテクチャだ。評価と実測を行うラボのLinley Groupはかつて、iPhone 7に搭載されているGPUは全てのモバイルデバイスの中で最も速いと評価した。それはつまりSeries 8XTが来年問題なくリリースされれば、次世代【iPhone 8(或いはiPhone 7s)】のGPU速度は更に一段階速くなることになり、業界を再度リードする存在になるということだ。
ただし新GPUの具体的な発売時期は未発表
ただ、残念なことにImagination Technologiesは現在のところまで何も来年の具体的なリリース計画を明らかにしておらず、同様に次世代GPUが新型iPhoneに搭載されるかどうかも明らかにされていない。
Appleはライセンスとカスタマイズ権を保有、Imagination Technologiesの株も保有
なお、AppleはAシリーズのGPUのライセンス及びカスタマイズする権利を保有している。つまり、Appleは直接技術を購入してきて使うこともできるし、カスタマイズすることも可能なのだ。これに関して、Imagination Technologiesは特にこれまで何もプレスリリース等で意見を表明したことはない。AppleがImagination Technologiesの主要顧客の1つで、しかも株主の一員でもあることから、それも特に驚くべきことでもないかもしれない。
画蛇添足 One more thing…
AppleはGPUだけではなく、更にCPUの開発に関してもライセンスの所有を強めていくかもしれない。また、モバイル用チップだけではなく、Mac miniやiMacなどデスクトップやノートブック型(ラップトップ型)コンピュータ(MacBook等)用のチップもライセンス化を進めるかもしれない。特に後者については、Intel(インテル)のロードマップに頼りすぎることになってしまうからだ。そうなると、次のターゲットはどこになるのだろうか。。
しかしいずれにせよ今後のAR/VR前世紀にはGPUの性能がものをいうようになる。Appleもそのあたりを見越して、GPUのコアテクノロジーには投資を惜しんでいないのであろう。
記事は以上。
(記事情報元:PC World)