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まだApple Watchを手に入れておらず、購入を迷っておられる方へ。。8つのポイント

4月24日に満を持して発売開始されたApple Watch(アップルウォッチ)。

世界的に品薄状態が続いており、公式オンラインApple Storeでもこれから注文すると6月或いは7月納品になってしまう。大手家電量販店等の実店舗に一部在庫があるようだが、それでも今すぐに手に入れるのは至難の業となっているようだ。

私は当ブログでお伝えしている通り、4月10日の予約開始と同時に予約を入れ、発売日当日にわざわざ香港まで受け取りに行って入手している。そして2日ほど使ってみてのファーストインプレッションを既に9つの感想として記事にまとめたが、これからApple Watchを手に入れようか迷っている方に対して、既に使っている人からのアドバイスとして、8点ほどポイントをまとめてみた。上記の9つの感想と共にご覧いただければと思う。

1. 1日1充電・・・習慣になったらOK?

Apple Watchはバッテリーが持たないといわれている。公称のバッテリー持続時間は18時間。
私の個人的な感想では、通知などでがっつり使わなければ、思ったよりは持つ。一日は全然余裕で。
でも、やはり夜の充電は必要だ。いくら殆どいじらなくても、2日持たせるのはきついと思う(全くいじらなかったり、省電力モードにしていれば別)。

だから、Apple Watchを使う人で、2日以上の外泊の場合はモバイルバッテリーと充電ケーブルは必ず持参するべきだし、そして毎日の最後にやることがApple Watchの充電ということになる。それがうざったいと思う人はやめた方がよいかもしれないが、正直習慣化すればそんなに苦ではない

というのも、iPhoneだって旅行に出かける際にはできるだけモバイルバッテリーがあったほうがいいし、iPhoneだってほぼ1日1充電のはずだからだ。iPhoneで慣れている人なら、大丈夫たぶん

2. タトゥーを入れていると心拍数の計測が不正確

これは最近ニュースになっている件だ。

タトゥーを入れていると、その色の濃さによって心拍数の測定が不正確になる。それはなぜかというと、Apple Watchは複雑な方法を用いて心拍数を図っているかと思いきや、実は結構単純な方法をとっているからだ。心拍数を測定するとき、Apple WatchはLEDによって緑色の光を発する。そして血液の赤は緑を反射しつつ吸収するからだ。その動きで、Apple Watchは心拍を測定するというわけだ。

しかしタトゥーによって皮膚に色がつけられている場合、血液の緑の光の反射と吸収を妨げてしまうため、うまく測定できない。腕時計を着けるあたりにタトゥーを入れている人は残念ながらApple Watchでできる数少ない機能のうち、重要な1つの機能が欠けてしまうので買わない方がいい

ちなみに、タトゥーを入れてないけどある程度毛むくじゃらで、、という人でも結構大丈夫なようだ。以下がいくつかの状況での測定結果が一目でわかる画像だ。

3. 防水性能は一般使用には問題ないが、不安が残る

Apple Watchの防水性能については、Apple公式ではIPX7、つまり水深1m以内で30分耐えられるとされている。これまで様々なメディア等の実験が示すように、それなりの防水性能は備えているようだ。これまでApple Watchを自画自賛しまくっていたAppleのCEOティム・クックは、Apple Watchを着けながらシャワーも浴びているらしい。しかしそれをこの先もずっと続けるのは考え物だ。

私も実際に手を洗うときに水がかかったりしているが、全く問題なく使えている。そして雨なども心配はないようだ。ということで、個人的には一般的な使用環境下では、iPhoneほど水に触れることを避ける必要はなさそうだと感じる。

ただし、なんとなく不安感があるのも事実。そしてもちろん、プールで泳いだりダイビングする際にはApple Watchは外す必要がある

4. 値段の違い、材質の違い

ご存じの通り、Apple Watchには3つのバージョンが存在する。
値段的にも安い順から、Sport版、無印Watch版、そしてEdition版だ。
どれを買ったらいいか、悩んでいる方もいらっしゃるのではないだろうか。

この3つのバージョンの違いとは、単に本体と風防ガラスの材質の違いだ(もちろん選べるバンドの違いもあるが、本質的にはそうだ)。中身のメカ、コンピュータの性能には何ら差がない

本体材質はSport版がアルミ、無印版がステンレス、そしてEditionがゴールド(金)。
風防ガラスの材質はSport版がIon-X、そして無印とEdition版がサファイアガラスだ。

風防ガラスについて、廉価版に位置づけられているSport版に採用されているIon-Xも実は硬度7で、その硬さは折り紙付きだ。自然界では石英のような硬い物質でないとIon-Xを傷つけることはできない。人工大理石や、石英の粉が含まれた地面などにこすらない限り、擦り傷がつくことはない。サファイアガラスは高級機械式腕時計にも採用されている材質で、Ion-Xよりも更に硬いので、滅多に傷が付くようなことはない。

ただし、どちらの風防ガラスも擦り傷には強いが、衝撃には弱いという実験結果が出ている。特にギザギザした硬い地面へディスプレイ面から落下させたり、ディスプレイ上に重い金属製のものをぶつけるようなことをするとガラスが割れる。気をつけた方がいい。

時計本体はというと、無印版の場合ステンレスは鏡面仕上げのため細かい傷が目立つようになる。風防ガラスよりも、本体の傷の方が気になるかもしれない(ただし研磨剤などで細かい傷は消えるという)。

あとは好みと財布次第だが、私が無印版を買った理由はアルミの腕時計を身につけたくないという一心だけで、そこにこだわらない人は値段的にも性能的にもSport版が最もコスパが高いといえるだろう(あくまでApple Watchの中では、の話)。最低100万円以上するEdition版はもう何というか完全に趣味の世界だ。

5. 長時間のApple Watchの操作は疲れる

この姿勢をずっと保つのは正直辛い

私がアラフォーということを除いても、恐らく長時間Apple Watchを使うという作業自体が非常に疲れることなのは意外なことだった。それほどまで、私はこれまで腕時計を長くいじるということをしていなかったことを実感した。

しかしディスプレイに表示があって、しかもタッチパネルで操作ができるとなればやはり通常の腕時計より操作時間が長くなる。そこで疲れるのは腕、そして目だ。

基本的に腕をあげないとApple Watchは操作できる位置に来ない(下の方で作業しても文字が小さくて読みにくい)。しかしこの挙げ方がどうも肩とか腕全体に負担をかける気がしてならない。そしてApple Watchは傾きによってすぐにスリープに入ってしまう(しかも以前の操作がキャンセルされたりする)ので、操作し続けたい場合はある程度の角度を確保する必要がある。これがまた、腕を疲れさせる要因となっている。
手で覆うとスリープに入るという機能がせっかくあるのだから、通常は表示させておいて、消したいときは手で覆うというふうにすればいいのに。

そして更に目には本当に優しくない。文字の大きさを大きくすれば、ただでさえ小さいディスプレイに表示できる内容がぐっと少なくなる。

そんなわけで、Apple Watchはさしあたって、さっと時計を見る(表示がちょっと遅くてイラっと来るが)、ぱっと通知を見る、くらい。1回見て数秒、長くて数十秒まで、というのが主な使い方といわざるを得ない。

更に、iPhoneよりも画面が小さい故に目線も集中してしまうため、周りの環境の変化に気づかないこともあるかもしれない。歩きながらのApple Watchいじり、つまり“歩きウォッチ”は、現在問題になっている”歩きスマホ”よりも危険かもしれない。

6. 通知は使い方が非常に限定されるかも

Apple Watchの最大の目玉の使い方として通知というのがあるが、この通知をどうとらえるかは人それぞれ。

まず、アプリによっては長文による全文が表示されず、2行くらい表示してあとはiPhoneで見てください、みたいなのもある(Skype、Yahoo!ニュースなど)。せっかくデジタルクラウンによるアナログっぽいスクロール機能があるんだから、ある程度の長文を読むのは苦でもないのにも関わらず、である。またチャットアプリによっては、返信が通知画面からすぐできず、アプリを別途立ち上げなければならないものもある(WeChatなど)

通知されたものについて、例えばメッセージやチャットアプリなどの文字での返信は、Apple Watchにはキーボード機能がないのでSiriを使って行うのだが、通信環境によってはイライラするスピードだ。変換ミスや聞き取りミスもあるので、定型文以外は正直iPhoneを取り出して打った方が早いフリック入力くらいなら、アップルウォッチの画面でもできると思うのだが。。

ただ、地図アプリなどで曲がり角に着いたら通知など、iPhoneをずっと持ったままでなくても通知してくれる機能はありがたい。とはいえ、本当に全く知らないところを地図アプリを使ってしっかり移動したいなら、やはりiPhoneを使うのがベストではあったりする。まだまだこの通知は開発途上な気がしてならない。

7. Siriによる多言語入力対応なし、マルチリンガルな人には使い物にならない

上記とかぶるかもしれないが、Apple Watchでメッセージなどの返信の入力をする際には、Siriを使わなければならない。ただこのSiriは言語ごとにプログラムが違うため、あらかじめシステムで設定した言語しか聴き取ってくれない。

つまり、Apple Watchでは音声文字入力のマルチリンガル対応ができないのだ。私の場合、仕事で日本語と中国語を両方使い分けなければならない。そして一般的には、日本語と英語の2カ国語を使い分けている人の方が多いだろう。そういう人にはApple Watchは向いていない。本来多言語処理に向いているはずのApple製品なのだが。。

8. で、結局何に使えるの?

この質問が実は一番痛い。

ではいったいあなたはスマートウォッチに一体何を求めているのか?ということになるが、基本的には、、

1. 正確な時間を把握する。
2. 適時通知を受けとって、情報を逃さないようにする。
3. フィットネスやヘルスケアのモニターに役立てる。
4. iPhoneを取り出すまでもないレベルの情報を確認する。
5. iPhoneを取り出すまでもないレベルのコミュニケーションをする。

というのが基本的な機能で、

6. Apple Watch用の便利なアプリケーションを使う。
7. ファッション性が高いためステータスとして身につける。

これらが付加機能といったところだろう。

ただ、現在のところキラーアプリと思われるようなApple Watch用アプリはないと思われるし、ファッション性が高いかどうかは好みが分かれるところ。

何より、Apple Watchはスタンドアローンでは普通のデジタルウォッチ以上のことは殆ど何もできない。そこをよく考えて購入した方が良いかもしれない。

画蛇添足 one more thing

ちなみに、スタンドアローンで動作し、SIMが入って通話もできて、カメラもついて、Web閲覧さえできてしまうスマートウォッチ中国深圳にある世界最大の電子機器市場、華強北市場で5千円以下で買えてしまったりする。。もちろん解像度などは比べるレベルではないが、それでもそこそこ実用的に使えてしまう。そして、そんなスマートウォッチが日本でもAmazonで8,500円で買えてしまう。。

Apple Watchが本当に少なくとも5万円以上を出して買うレベルのものなのかどうかは、正直各個人の価値観や判断にゆだねるしかない。

個人的には、キラーアプリと思われるものが出るまで待つか、またはよりバッテリーが持ってもっと機能が増えて洗練された第2世代・第3世代の製品を待った方がいいような気もする。

そしてそれらが非常に使えるものになったら、初代のApple Watchも記念碑的な製品として、綺麗に保っていればいずれプレミアが付くかもしれない!?事実、あまり使えなかったiPhone初代(2G)も、プレミアがついている。将来への投資という意味で買っておくのも一興かもしれない。

記事は以上。

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