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どうりで高い?Apple Watchの製造難度や品質要求が高すぎ、良品率は60%以下

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4月24日にApple(アップル)がリリース予定のApple Watch(アップルウォッチ)の価格が高いのは理由があった?

台湾Digitimesの報道によると、iPhone等の組立においてAppleの最大のパートナー、Foxconn(フォックスコン、富士康)の内部事情に明るい人物からの情報として、Apple WatchのOEMを担当するQuanta Computer(クアンタ、廣達電脳)と以前プライベートな交流をした際に、Apple Watchの製造歩留まり(良品率)が非常に低く、60%に満たず、現在のところ恐らく40%前後ではないかという。またApple Watchの表面のガラスにはサファイアガラスの採用が検討されたが、技術難度が高すぎ、また機械加工のコストが増加したことから、その後Appleはサファイアガラスの採用を見送ったとのこと。

QuantaではApple Watchの第一四半期の歩留まり率を60%と予測

QuantaのApple Watch工場は中国江蘇省常熟市にある。中国のメディアMac Xの記者が取材を申し込んだが、Quantaの幹部はApple Watchの歩留まりに関する直言は避け、Appleは非常に多くの新しい素材を採用したため、生産技術が非常に複雑になっているとの表現にとどめたという。同時に、新しいセンサーが最もよいユーザ体験をもたらすために多くのチャレンジがあったとのこと。また、Apple Watchの歩留まりの改善は上昇しており、第一四半期では500万セット分の材料を用意したが、それを用いて300万台分を製造することは問題ないとしている(ということは歩留まり率は60%ということになる)。この数量はQuantaにとっては3月から5月の出荷量ということになる。

Quantaの幹部:歩留まり率はこれから改善、これまでもiPod Touchで改善してきた

Quantaの幹部によれば、同社はかつてAppleのiPod TouchのOEMを行っていたが、最初の歩留まりは非常に低く、当時の材質レベルと製造ラインの生産技術では、ディスプレイ上に丸い穴(恐らくホームボタンと思われる)を開けるだけでも簡単にディスプレイが割れてしまうという状態だったという。しかしAppleはその高不良率の改善に協力を惜しまず、またその能力があったため、最終的には全体のサプライチェーンが成熟したという。彼によれば、Apple Watchもまた同じ道をたどっているだけであり、歩留まりの向上はひいては全体のウェアラブルデバイスサプライチェーンに成熟をもたらすのではないかと考えられている。

AppleとApple Watchがウェアラブルデバイス・スマートウォッチの基準を作る

Quantaの幹部はこのように語っている。”Apple Watchを受注してからの数ヶ月で、多くのウェアラブルデバイスのサプライチェーンの人材が私たちの向上の周辺に集まってきて、Appleはいったいどんな材料を使うのかと探りを入れてきました。一旦Appleに採用されれば、それが業界のブームとなり、そしてその材料の加工技術があっという間に成熟します。だからみなAppleを追いかけ、一日でも早く情報をとらえ、一日でも早くそれを製造に移すのです”

タッチパネルのTPKも改善に改善を重ねてApple Watchの唯一のタッチパネルサプライヤーに

“TPK(宸鴻科技)などはいい例です。もしAppleのプレッシャーがなかったら、今のタッチパネルはここまで高い成熟度に達していなかったでしょう。TPKはAppleの全てのiPhone、iPadにタッチパネルを供給しているが、最初の頃はサプライチェーンは非常に脆く、TPKの初ロットのタッチパネルの歩留まりはたったの8%でした。しかしその後生産技術の改善によって、短い期間で歩留まりを80%に上昇させることができました。今回のApple Watchのサプライヤーの中で、TPKが唯一のタッチパネルのサプライヤーとなっています”

Apple Watchは小さく、材質が複数あることから難易度が非常に高い

ある内部事情に詳しい人物によれば、Apple Watchのディスプレイと内部部品の精密性に対する要求は非常に高く、iPadの50分の1の体積という非常に狭い空間の中に、マイクロフォン、スピーカー、アンテナ、チップ、バッテリー、センサーなど多くの部品を詰め込まなければならないこと、そしてそれら同士の電磁波干渉(EMC)を解決し、部品の導電性と放熱性を確保しまた更にスピーカーの品質も維持しなければならないことは非常に困難だという。

Apple Watchの数種類の本体の材質も加工難度を引き上げているという。ステンレス、アルミニウム、18Kゴールドと、セラミックの底面は、それぞれ全て導電率が異なり、人体に触れたときの電磁波干渉の程度も異なり、違う材料を使って電磁一致性を生み出すには非常に多くの実験と模索が必要だという。

生産ラインの作業者(工員)の熟練度も重要な要素

また、生産ラインの作業者の熟練度も非常に重要なファクターとなるという。多くの新しい材質や新しい部品は、作業者がこれまで全く触れたことのないもので、それが歩留まり率に大きく影響している。作業者の熟練度の上昇によって、Quantaはこの3ヶ月内で歩留まりを大幅に改善し、スマートウォッチ業界の歩留まり基準である80%前後に近づけていくという。

画蛇添足 One More Thing

Apple Watchが非常に高い値段設定になっているのは、やはり初期ロットの歩留まりが読めなかったこと、また40%は捨てなければならなかったことが影響しているだろう。
“Appleは初物は買わない方がいい”というのは都市伝説ではないことが論理的に説明できるというものだ。しかし、それでも私は買ってしまうのだろうけど(もちろん、買っても標準のWatchバージョンまでだけど)。

記事は以上。

(記事情報元:DigitimesMac X

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